Papers - Anzai, Shuichiro

NiSにおける電子相転移機構のシミュレーションによる研究

安西 修一郎

第77回情報科学研究会資料(慶応義塾大学情報科学研究所)  ( ７７ ) ３－１から３－１６ 1977.10

Research paper (conference, symposium, etc.), Single Work

研究者の図書館への期待-自然科学系-

安西修一郎

大学図書館職員講習会テキスト（文部省学術国際局発行，1977)    9-16 1977.10

Research paper (other academic), Single Work

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科学技術情報の世界規模でのネットワークシステム化への期待（現時点ではすでに実現されている），研究と教育でのアウトプットインフォーメーションの必要性，システム化と人間性の調和，ライブラリアンとコンピューターサイエンティストとの協力，などについて自己の例を用いて解説・提言した。なお，一般向けにはＫＵＬＩＣ（慶大研究・教育情報センター機関誌) の10号に「アイデアとインフォーメーション」と題して印刷されている。

A Stability Criterion between the Spinel and the Defect NiAs-Type S- tructures in（Metal)３(Chalcogen)４Compounds

太田悟, 安西修一郎

Journal of Physics and Chemistry of Solids 38 (1977)    1209-1211 1977.10

Research paper (scientific journal), Joint Work

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Ｍ３Ｘ４ 型の３d遷移金属カルコゲナイドはNiAs型とスピネル型に属することが多い。NiAs型結晶構造の安定化要因を調べるため, これまでに知られている 150余りのＭ３Ｘ４について構造と種々の原子パラメーターとの相関性を検討した。その結果, NiAs型構造におけるс軸に沿う第１近接金属原子間の相互作用がこの構造に対する第１の安定化要因であることを明らかにした。なお, ここで用いたＭＭ間相互作用パラメーターは, 単体金属の昇華熱と配位数からもとめたもので, 本報独自のものである。

Metal-Nonmetal Transition in NiS under Pressure

安西修一郎, 小沢国夫

Journal of Applied Physics 48 (1977)    2139-2144 1977.10

Research paper (scientific journal), Joint Work

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安西らがこれまで求めたNiＳの圧縮率と電子系格子系に対する自由エネルギー表式を用いて,圧力相図にあうようにシミュレーションによって諸パラメーターを求めた。これらのパラメーターによって, NiＳの金属-半金属転移点における転移熱, 電導性, 転移にともなう磁気モーメントの変化量, 転移履歴が説明できることを示した。このことにより, NiＳの金属―半金属転移の機構としては, 遍歴電子反強磁性系が格子系とむすびついて１次相転移となった可能性のあることがわかった。なお，この研究での計算機シミュレーションの詳細については第77回情報科学研究所情報科学研究会資料（昭和52年11月，3-1から3-16ページ）に掲載している。

Effect of Pressure on a New Magnetic Transition Temperature in the Ferrimagnetic State of Mn１．７７ Sn

小沢国夫, 安西修一郎

Physica Status Solidi (Berlin) , a40 (1977) K199-K202  1977.06

Research paper (scientific journal), Joint Work

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格子間原子を含むNiAs型化合物における磁気相互作用を研究するために, 熱処理温度を適当にえらぶことにより格子間Mnが特殊な配列をもつMn１．７７ Sn のフェリ磁性キュリー点Tc以下の磁化と電気抵抗率を測定した。Tt＝約120Ｋ (Ｔｔ ＜Ｔｃ ）に両者の異常をみつけ, この新しい磁気転移点の圧力効果を測定した。また,γ線照射によって格子間Mn原子の配列を破壊するとTtは圧力を上げた場合と同様に下ることをみつけた。すなわち, 圧力や格子間原子生成による原子間距離減少はＴｔ を下げる。

Pressure Effect on Metal-Nonmetal Transition in NiS

安西修一郎, 小沢国夫

Physica B86 (1977)    1001-1002 1977.02

Research paper (scientific journal), Joint Work

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NiＳの金属-非金属転移現象の統計物理的機構を解明するために, Lidiard の遍歴電子反強磁性に対する自由エネルギー表式にストレインエネルギーとupスピンバンドとdownスピンバンドのギャップの体積依存性をとり入れて, 磁気モーメントをパラメーターにした新しい表式を作った。

Magnetic Properties of（Cr１-ｘTiｘ)５S６ and（Cr１-ｘ Vｘ)５S６

安西修一郎, 井上長治, 香取篤

Physica B86 (1977)    1005-1006 1977.02

Research paper (scientific journal), Joint Work

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(Cr１-ｘ Tiｘ )５S と（Cr１-ｘ Ｖｘ )５Ｓ６ の磁化率の温度変化のｘ依存性を測定した。ｘが0.5附近では, どちらの場合もCr５Ｓ６のフェリ磁性相は反強磁性相に転化する。また, ネールの法則あるいはキュリーの法則によって求めたキュリー定数の値は, （Cr１-ｘ Ｖｘ )５Ｓ６ ではＶが局在モーメントを持たずに単純に入れかわると考えるとｘ＝0.9 までは説明がつく。しかし（Cr１-ｘ Tiｘ )５Ｓ６ ではTiの増加とともにCrのモーメントも減少してゆくと考えられることがわかった。これらのことから，磁気モーメント安定化におけるTiとV(低3d元素)の役割を明らかにすることができた。

拡散の基礎-その半導体への応用

坂田亮, 安西修一郎, 金鉄城

材料科学(日本材料科学会誌)13 (1976)    130 -142 1976.08

Research paper (scientific journal), Joint Work, Accepted

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同誌の「拡散現象」特集号に執筆を依頼されたものである。拡散現象の現象論と原子論をその第１歩から解説し半導体工学への具体的応用例をのべた。著者は学部講義のテキストの一部として用いた。

Lattice Parameters and Paramagnetic Properties of（Cr１-ｘ Tiｘ) ５ S６ (V１-ｘ Tiｘ) ５ S６ and （V１-ｘ Coｘ）５ S６

安西修一郎, 井上長治, 神谷健二, 坂口和夫

Japanese Journal of Applied Physics 15 (1976)    551-552 1976.08

Research paper (scientific journal), Joint Work

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前報と同様な目的でCrより２つ, Ｖより１つ電子の少ないTiを用いた。また, 局在性の磁気モーメントを持たぬTi５Ｓ６ とＶ５Ｓ６ , Ｖ５Ｓ６ とCo５Ｓ６の固溶体を形成させた。それらの結晶パラメーターと常磁性・Pauli磁性を測定し, ３d電子の局在性と３d電子濃度との相関性を論じた。

Thermal Expansion Behaviour through the Magnetic Transition in Cr５ S６

安西修一郎, 浜口由和

Journal of the Physical Society of Japan 38 (1975)    400-403 1975.03

Research paper (scientific journal), Joint Work

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前報において, NiAs型化合物の磁性を考える上で熱膨張と磁気的性質の相関を考察することが必要なことを示した。ここでは, Cr空孔が規則配列し, フェリ磁性キュリー点Tc＝310Kとフェリ磁性からラセン型反強磁性へTｔ ＝167Kで転移するCr５Ｓ６ の熱膨張を低温Ｘ線回折によって追跡した。Tc以下でphononのみによる通常の熱膨張曲線から正の方へずれた異常熱膨張が観測され, それはスピン配列の秩序度の温度変化と対応していることを明らかにした。Tc以下の磁気的寄与については中性子回折における磁気散乱断面積の温度変化を測定して求めた。

Effect of Pressure on the Magnetic Transition Temperatures of Nonsto- ichiometric Iron Chalcogenides

小沢国夫, 安西修一郎

Proceedings of the 4 th International Conference on High Pressure (AIRAPT) (1974)    281-286 1975.02

Research paper (conference, symposium, etc.), Joint Work

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これまでに著者らが測定してきたNiAs型諸化合物のキュリー点やネール点の圧力効果と他の研究者によって行なわれたいくつかのデータを用いて，圧力係数と原子パラメーターの関係を考慮した。他の研究者による熱膨張データとも考えあわせＴN やTcの圧力係数はａ軸に沿う交換積分の距離依存性とｃ軸に沿うそれの競合度によって決定されることを明らかにした。また, 両軸に沿う交換積分の距離微係数の符号は“Less-than-half ”と“More-than-half”３d元素で逆であることがわかった。

Formation and Lattice Parameters of the Solid Solutions（Cr１-ｘ Vｘ)５S６

香取篤, 安西修一郎, 吉田哲郎

Journal of Inorganic and Nuclear Chemistry 37 (1975)    323-324 1975.02

Research paper (scientific journal), Joint Work

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Cr５Ｓ６と同様にNiAs型構造を持つが, 磁気モーメントを金属上に局在させないＶ５Ｓ６に注目した。ここではCr５Ｓ６ とＶ５Ｓ６ という磁気モーメントの局在性の異なるものが固溶体を形成しうることを明らかにした。

Compressibility and First-Order Characteristics of Mott Transition in NiS

安西修一郎, 小沢国夫

Proceedings of the 4th International Conference on High Pressure (AIRAPT) (1974)    288-294 1975.02

Research paper (conference, symposium, etc.), Joint Work

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前出NiＳにおける１次の金属-非金属転移の研究の一環として, 単結晶NiＳの圧縮率をストレイン・ゲージを用いて測定した。ａ軸に沿う圧縮率はс軸に沿うそれの約半分であり, 体圧縮率はAlのそれに近い。これから, １次転移の機構をBean-Rodbellの統計物理的モデルをによって検討した。

磁気構造の思考実験用プラスチック模型

安西修一郎, 井上長治

材料科学(日本材料科学会誌)11 (1974) 207  1974.11

Research paper (scientific journal), Joint Work, Accepted

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中性子回折によって磁気構造を解折する時の補助的道具としてこれを開発した。ピンの色により原子種が示せるのみでなく, 矢印によりスピン軸もあらわす工夫がしてある点に特色がある。著者はこれを講義の時のデモンストレーションに用いている。

Effect of Pressure on the Neel and the Ferrimagnetic Curie Temperatures of FeS１＋ｘ

安西修一郎, 小沢国夫

Physica Status Solidi A24 (1974) K31-K34  1974.10

Research paper (scientific journal), Joint Work

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前報のFe３Se４ と対比する意味で, FeＳ，FeＳ１．０４およびFeＳ１．１２の300K附近に存在するネール点（FeＳ, FeＳ１．０４）またはキュリー点（FeＳ１．１２）の圧力効果を静水圧10kbar以下の比較的低圧で測定した。Fe３Se４ やFe７Se８ の場合と異なり, その圧力係数はどれも＋３Ｋ/kbarでほぼ一定であることを明らかにした。

Effect of Pressure on the Ferrimagnetic Curie Temeprature of Fe３Se４

小沢国夫, 吉見武夫, 安西修一郎, 柳沢三郎

Physica Status Solidi a19 (1973) K39-K41  1973.12

Research paper (scientific journal), Joint Work

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NiAs型化合物における磁気相互作用研究の一部として, Fe位置に空孔を含むNiAs型化合物Fe３Se４ のフェリ磁性キュリー点Tc＝332Kの圧力効果を圧力下の相互誘導測定によって調べた。dTc/d Ｐは負（-３　Ｋ/kbar）であって, Fe７Se８ に対して熱力学的に求められた正の値と反対符号である。このことから, Feのｄ電子分布にはFriedel振動のような成分がある可能性を指摘した。

黄鉄鉱型化合物における原子間距離と結合性

安西修一郎

材料科学(日本材料科学会誌)10 (1973)    290 -292 1973.11

Research paper (scientific journal), Single Work, Accepted

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前出MnTe２-MgTe２ 系化合物の構造と磁性の研究を別の側面から追跡するため, これまで知られている22種の黄鉄鉱化合物ＭＸ２ につきＭ―Ｘ, 第１〔Ｘ-Ｘ〕距離, そして第２〔Ｘ-Ｘ〕間距離と電気陰性度等との相関分析を行なった。その結果, ＭとＸの電気陰性度の差の小さい場合には第２〔Ｘ-Ｘ〕間の相互作用が大きくなるという効果もあることを明らかにした。磁性化合物の電子状態の研究では，これまでほとんどが磁性原子間の相互作用が主として注目されてきた。本研究は，非磁性原子の骨組みがかなり大切なものであるという後年の電荷移動型電子状態モデルの先駆となるものである。

Effect of Pressure on the Order-D isorder Transition Tempereture of Vacancies in NiTi２S４

安西修一郎, 小沢国夫

Physical Review B7 (1973)    3083-3088 1973.09

Research paper (scientific journal), Joint Work, Accepted

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NiTi２Ｓ４はNiAs型結晶構造を有し, その金属位置に空孔を規則配列させている。この規則配列は, Ｔｔ ＝340K以上で不規則化する。静水圧下でＴｔ の圧力変化を電気抵抗率の変曲点を尺度として追跡した。この転移の一次転移性にともなう転移点の履歴幅とdTｔ /dＰの実測値にBean-Rodbell の統計力学的モデルを適用して求めた空孔の規則化エネルギーの値はNiが17％しかイオン化していないことを示した。また, dTｔ/dＰの値は合金に対するMottの Polarモデルから予想されるもの以外に, 空孔へのNiからの電子のはみ出し効果のあることを示している。この研究は空孔の規則・不規則相転移に対する圧力効果研究の世界最初のものである。

Structural and Electrical Properties of Mn１-ｘ Mgｘ Te２

柳沢三郎

Japanese Journal of Applied Physics 12 (1973)    1289-1290 1973.08

Research paper (scientific journal), Joint Work, Accepted

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MgTe２ とMnTe２ の固溶体の結晶解析, 電気抵抗の測定を行なった。Ｘ＝1.00と0.32の物質は電気伝導の活性化エネルギー値0.5eV を有する半導体であることを明らかにした。

遷移金属カルゴゲナイドの金属-非金属転移

小沢国夫, 安西修一郎

圧力技術（日本高圧力技術協会会誌）11（1973) 11   256-274 1973.05

Research paper (scientific journal), Joint Work, Accepted

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同誌の「超高圧下における金属の構造と金属-非金属転移」特集号に執筆を依頼されたものである。著者の研究してきたNiＳにおける金属-非金属転移を中心に４f内殻遷移元素カルゴゲナイド, NiＳ２ , Te等における実験結果を紹介し，MottのモデルFalikov-Kimballのモデル,Hubbardのモデル等の理論的背景を解説した。著者は大学院講義のテキストの一部としても使用した。