Papers - Anzai, Shuichiro

相転移と熱力学

安西修一郎

材料科学(日本材料科学会誌)22 (1986) 22   223 -233 1986.03

Research paper (scientific journal), Single Work, Accepted

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同誌の「熱力学の材料科学への応用」講座の第２講目として執筆を依頼されたものである。物質・材料における熱力学を結合エネルギーや配置エントロピーなどの原子・電子次元から説きおこした。長距離秩序と短距離秩序や結晶と非質, 合金の規則不規則転移, 超電導の熱力学, 誘電体の構造転移などを電卓により簡単な統計物理的シミュレーションを用いて理解できるよう構成した。著者は大学院の講義「物性制御工学」の教材の一部として用いたことがある。

Lattice Parameters and the First-Order Structural Phase Transition in Cu４Sn１-ｘGeｘ S４

安西修一郎, 深沢唯浩

J. Phys. Soc. Jpn.55 (1986)    701-702 1986.02

Research paper (scientific journal), Joint Work

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構造相転移とイオン解離現象の結合性を研究するテーマである。前出の安西らの研究によって, Cu４ SnＳ４ の構造相転移温度 Tｔは圧力で低下することがわかっている。そこでSnより小さい原子半径のGeで置換した。ところがＴｔは上昇し, 室温附近まで制御することができた。

簡素な自動変位補償回路の試作と磁気天秤への応用

川本淳, 杉本裕司, 玉置益一, 安西修一郎

材料科学(日本材料科学会誌)22 (1985)    167 -168 1985.11

Research paper (scientific journal), Joint Work

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磁気平秤や熱天秤に用いる自動平衡回路を試作・実用化した。(2頁)

Magnetic Properties of（Cr１-ｘTiｘ)３Te４

杉本裕司, 太田　悟, 由利俊一, 玉置益一, 安 西修一郎

J. Phys. Soc. Jpn.54 (1985)    3240-3243 1985.09

Research paper (scientific journal), Joint Work

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３d遷移金属カルコゲナイドにおける強磁性出現の要因を探究する研究である。磁性の発生しかかっているＶ-Te 系化合物をCr-Te の固溶体の相手にえらんだ場合とことなりTi-Te を用いたときにはスピングラス的相はみつからなかった。

Impurity Effects of ３d Transition Metal Atoms on the First-Order Magnetic and Electrical Transition in NiS

二見敏彦, 安西修一郎

Journal of Applied Physics 56 (1984)    440- 447 1984.07

Research paper (scientific journal), Joint Work

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NiＳ中のＶ不純物の電子状態の研究において安西らが提唱した不純物効果に対する局所状態密度変化モデルを３d遷移金属不純物一般について検討するために, Ti, Cr, Co, Cuを不純物として用い, これらの試料の格子定数, 転移熱,磁化率, ゼーベック係数, 電気抵抗率を測定した。原子番号がNiから遠いものでは, 上記のモデルがなりたち, ゼーベック係数符号の変化濃度や転移点以上のキュリー定数には, 原子番号との相関が認められた。

Cu４ SnＳ４ とCu８ GeＳ６ における１次相転移の圧力効果

安西修一郎，小沢国夫

ＪＡＥＲ１-Ｍレポート（日本原子力研究所：公刊），84-059 (1984),    １-28 1984.03

Research paper (bulletin of university, research institution), Joint Work

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２種類の秩序度の連関した相転移を統計物理的にあつかった。転移熱と磁化率の値，ならびに，Landau型の自由エネルギー表式によるシミュレーションの結果を詳細に示す。これから，転移点の圧力係数の符号の違いは，格子歪がイオン 脱離を阻止するか，増長するかによることがわかった。英文で出した論文の詳説である。

Pressure Effects on the First-Order Transition Temperatures of Cu４SnS４ & Cu８GeS６

小沢国夫, 安西修一郎

'Solid State Physics under Presure'（ed. by S. Minomura, KTK Pub., and Reidel Pub., Dordrecht 1985)    269-274 1984.01

Research paper (scientific journal), Joint Work

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２種の秩序度（格子歪と格子間位置へのイオン脱離）の結合性の研究である。表記の物質の転移点の圧力係数は, おのおの, 負と正の符号をもつことをみつけた。

Charge-Density-Wave Like Transition in V３Te４

安西修一郎, 太田悟, 吉野明, 西尾譲司, 羽鳥 雅一

Physica Status Solidi (Berlin), b118 (1983) K99-K102  1983.08

Research paper (scientific journal), Joint Work

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Ｖ３ Te４ の磁化率と電気抵抗率を測定した。これには, かなり弱い相関のものにみられる電荷密度波的相転移が観測された。

Magnetic Properties of (Cr１-ｙRhｙ)３Te４

太田悟, 藤井昭彦, 安西修一郎

Journal of the Physical Society of Japan 52 (1983)    1765-1773 1983.05

Research paper (scientific journal), Joint Work, Accepted

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表記の系の磁気的性質を測定した。Cr３ Te４ の低温キャント磁性相がRh増加により成長し, 強磁性相を潰してしまう。また, より高濃度では, キャント磁性相より低温にmagnetic quasi- ordered state が現れる。これは, Rh増加によるみかけの交換積分の変化として理解される。

NiＳおよびその置換体の非金属-金属転移

安西修一郎

応用物理52 (1983) 52   212 -219 1983.03

Research paper (scientific journal), Single Work, Accepted

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同誌の依頼により，筆者がこの時点までに得た データを中心にNiＳの金属-非金属転移を不純物効果の側面から展望した。これにもとづき, 筆者らの提唱した局所状態密度変化モデルを解説した。

A Magnetic Quasi-Ordered State in Cr１-ｘ Tiｘ S

安西修一郎, 中田正文, 太田悟, 富永和弘, 藤 井昭彦

Journal of Magnetism & Magnetic Materials, 31 (1983)    1467-1468 1983.03

Research paper (scientific journal), Joint Work

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CrＳ（反強磁性体）とTiＳ（パウリ磁性体）の固溶体について磁気的性質を測定した。Crが僅か20％だけTiになっても, magnetic quasi-ordered state が現れることを明らかにした。

Magnetic Properites of（Cr１-ｙＶｙ) １-δTe（δ＝0.14）

太田悟, 黒沢誠治, 安西修一郎

Journal of the Physical Society of Japan 51 (1982)    1386-1393 1982.05

Research paper (scientific journal), Joint Work

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金属体（Cr１-ｙＶｙ) １-δ（δ＝0.14）〔強磁性体〕とＶ１-δTe〔パウリ磁性体〕の固溶体について, 磁化率を測定した。途中の組成でCrの自発磁性の消滅は起らず, スピン・グラスまたはクラスター・グラスのようなもの（我々は, これをmagnetic quasi-ordered statesと名づけた）が現れた。これは, 局在モーメント間の近接交換相互作用と伝導電子による間接交換相互作用が共存あるいは競合している金属間化合物系では, 初めてみつかったものである。

Lattice Parameters, and Electrical and Paramagnetic Properties of　(Rh１-ｘ Crｘ)３Te４

藤井昭彦, 太田悟, 安西修一郎

Japanese Journal of Applied Physics 21(1982)    669-670 1982.04

Research paper (scientific journal), Joint Work

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３ｄ遷移金属カルコゲン化合物での自発磁性の安定化要因研究のために行った。Rh３Te４は金属体であり, パウリ磁性を示すことを電気抵抗率と磁化率測定によって明らかにした。また，これは，金属的な強磁性体Cr３Te４と固溶体を形成することから, その電子状態を分子軌道的に考察した。この研究は，前出のNi１-ｘRhｘＳでの金属-非金属転移の研究とともに，電子相関が強い化合物や合金を与える３ｄ遷移金属カルコケナイド中に非磁性化合物か合金を与える４ｄ遷移金属Rhをドープしたときの磁性を安西らが研究する糸口となった。

Vanadium-Substitution Effect on the First-Order Magnetic and Electrical Transition in NiS

安西修一郎, 二見敏彦, 沢　孝雄

Journal of Applied Physics 52 (1981)    6270- 6272 1981.10

Research paper (scientific journal), Joint Work

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金属-非金属転移と自発磁性の安定性を研究するものである。NiＳのNiをＶで置換すると, 格 子は膨張するのに転移点は降下することがわかった。これは前出のRh置換と同様に圧力効果とは逆である。また, 転移温度以下の正符号のゼーベック係数がＶ量増加によって,負の値に変化することをみつけた。これにもとづいて置換による不純物ちかくの局所的状態密度変化のモデルを提案した。本研究は，後の概念での電荷移動型化合物にドープされた「Mott- Hubbard 型化合物を作るべき不純物」の電子状態研究の糸口となった。

MgTe２ とそのMn置換体の磁気的性質

太田悟, 岩間正典, 安西修一郎

材料科学(日本材料科学会誌) 17 (1980)    126 -130 1980.12

Research paper (scientific journal), Joint Work

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前出に続く半導体MgTe２ の研究のながれである。今回は, それとそのMn置換体の磁化率を測定した。MgTe２ は反磁性体であり. その値は黄鉄鉱構造中の［Te-Te］に沃素分子と似た電子状態を考えると理解できることを示した。

Combined Pressure Effects on the Curie Temperatures from the Itinerant and Localized Electron Magnetisms in Mn５X２Bi４（X; Rh or Pd)

安西修一郎, 小沢国夫

'High Pressure Science & Technology' (edited by Vodar & Marteau, Pergamon, Oxford, 1980)    423-429 1980.12

Research paper (scientific journal), Joint Work

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安西らはMnNiGeの磁気相転移の研究において２種の秩序度の結合性を考慮することの大切さを逑べた。このながれとして, 局在モーメントの間の相互作用と, 遍歴電子磁性が競合していると考えられる表記の２物質のキュリー点に対する圧力効果を測定した。Ｘ＝PdではdTc/d Ｔ＜０，Ｘ＝Rhでは＞０であった。これらを, 上記の２種の機構の競合として説明した。国際会議招待論文である。

Magnetic Properties of V５Te８

安西修一郎, 太田悟

Journal of the Physical Society of Japan 49 (1980)    2079-2080 1980.11

Research paper (scientific journal), Joint Work

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３d遷移金属のカルコゲン化合物では, Tiは自 発磁性をもたず, Crはもち, Ｖはこの中間にあ る。そこで, 自発磁性発生の要因研究のため, 表記の物質の磁化率と電気抵抗率を測定した。これらは, 弱い相関のスピンの揺ぎ理論で理解されるものであった。このようなものは, Ｓ化合物とSe化合物では知られているが, Te化合物では最初である。

Coupled Nature of Magnetic and Structural Transition in MnNiGe under Pressure

安西修一郎, 小沢国夫

Physical Review B18 (1978)    2173-2178 1978.09

Research paper (scientific journal), Joint Work

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前報に示したNiＳの金属-非金属転移は磁性系と電導系の相転移の結合したものである。また, その他の場合でも. 二つ以上の相転移機構がからみあって磁性に影響していることを示してきた。そこで, 複数の転移現象間の干渉効果の研究を, 安西の一つの研究方向としてとり上げることにした。ここでは, MnNiGeにおける１次の構造転移（PnmaからＰ６３ ／mmc）と２次の磁気転移点（ラセン磁性から常磁性）に対する圧力効果を調べた。前者は圧力１気圧の370Ｋから圧力増加とともに減少し, 後者は346Ｋから増加する。約３Kbarで両者は一致して，３重点を形成する。これ以上の圧力では両転移機構の重なったものとなり干渉効果により１次性を示す結果をLondonモデルで解析した。

Nonvolume Effect of Rh-Substitution on the Metal-Nonmetal Transition in NiS

沢孝雄, 安西修一郎

Journal of Applied Physics 49 (1978)    5612- 5616 1978.09

Research paper (scientific journal), Joint Work

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NiＳのNiを一部Rhで置換したときの格子定数,転移点, 転移熱ならびに転移の付近の電導性と磁気的性質を測定した。Rh置換により単位胞の大きさは少しずつ増加する。しかし, 圧力効果の場合から予想されるような転移点の上昇は観測されず, Rh増加とともにそれは降下した。前報での自由エネルギー表式を用いて体積効果をさしひき, Rh置換による非体積効果を見積ることができた。その結果によるとRh置換による電子濃度変化より, 原子内実効交換積分変化が大きいことがわかった。この研究は，NiＳにおける金属-非金属転移温度は，体積効果のみに支配されるというこれまでの定説を破った最初のものである。

アイデアとインフォーメーション

安西 修一郎

KULIC(Keio University & Information Center)  ( 10 ) 7-10 1977.10

Research paper (other academic), Single Work