Papers - Anzai, Shuichiro

Effect of Charge Transfer to the Conduction band With in a Single-Impurity Model on The Ni 2p Core-Level Line Shapes of Ni Compounds

A.E.Bocquet, T.Mizokawa, A.Fujimori, M.Matoba, S.Anzai

Physical Review B 52(1995)    13838-13849 1995.11

Research paper (scientific journal), Joint Work, Accepted

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前報（速報）でのアイデアを、いろいろな電子数の場前報（速報）でのアイデアを、いろいろな電子数の場合に形式化した。それを電子相関は大きいが金属体であるＮｉＳと、絶縁体であるＮｉ０に適用した。後者では、普通のクラスター近似ですみ、前者では本法のように伝導帯との相互作用を無くてはならないことを明らかにした。この仕事は、電子相関の強い場合の金属体・絶縁体での電子状態に対する記述に有効であろう。

The Inclusion of Charge-Transfer to the Conduction Band in a Cluster Model Analysis of Core Line Shapes

A.E.Bocquet,溝川貴司、間宮一敏、藤森 淳、的場正憲、安西修一郎、菅 滋正

Journal of Physics;Condensed Matter,7(1995)    L411-L416 1995.08

Research paper (scientific journal), Joint Work, Accepted

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この論文で、ＮｉＳの電子状態の研究を価電子帯の考察から、内殻準位を調べることに進めた。ＮｉＳのNi２ｐ内殻準位スペクトルが著しく非対称なことを実験で見つけた。これまでの［ＮｉＳ６］－１０クラスター近似では理解できないことを学会講演時に菅が我々に指摘した。そこで藤森研・安西研・菅研で問題に取り組み、上記のようなＮｉから配位子Ｓへの電荷移動だけでなく伝導帯への電荷移動を考えると表記の問題が理解できることを見つけた。

Effect of 4d Transition Metal Atom Rh Doping on Thermoelectric Power,Magnetic Susceptibility, Thermal Expansion and X-Ray Photoemission Spectra in the Charge-Transfer Type Nonmetallic State of NiS

生駒英也、的場正憲、三上光夫、安西修一郎

Journal of the Physycal Society of Japan,64(1995)    2600-2608 1995.07

Research paper (scientific journal), Joint Work

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電荷移動型電子状態の金属ー非金属転移に対する４ｄ（電子相関が弱い；波動関数が広がっている）不純物効果の研究の一環である。Ｎｉ１－ｘＲｈｘＳでの、非金属状態でのＸＰＳ、両状態での熱起電力と磁化率ならびに熱膨張を測定した。非金属反強磁性状態でもＣｕｒｉｅ－Ｗｅｉｓｓ型の磁化率が見られ、これにメトロポリス法によるシュミレーションを行い、Ｒｈ不純物とＮｉ（相関の強い３ｄ電子を供給する）モーメントが非金属状態ではあまり相互作用しないらしいことを推論した。

Electronic Effect of Mn Addition (y)on the Magnetic Properties of the Ni2 In-Type Mn 7+ySn4

杉 亮一、下村敏明、的場正憲。松坂真吾藤井誠二、萩原直人、安西修一郎

Physica Status Solidi, b189(1995)K65-K68  1995.06

Research paper (scientific journal), Joint Work

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Ｍｎ７Ｓｎ４にＭｎ原子を増して行くと、ＩＩ位置のＭｎが増加する。このとき、フェルミ順位近傍の状態密度は増加することをvalence bandのxps測位により見つけた。しかし、フェリ磁性モーメントはほとんど変化しなかった。

Effect of Co Substitution on the Maganetic Properties of the Ni2In-Type Mn7Sn4

常盤直哉、吉田貴之、下村敏明、杉 亮一、的場正憲、安西修一郎

Physica Status Solidi, b189(1995)K33-K36  1995.05

Research paper (scientific journal), Joint Work

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フェリ磁性体Ｍｎ７Ｓｎ４のキュリー温度とフェリ磁性モーメントは、磁性原子Ｃｏの導入により低下するが、リエントラントスピングラス転移温度は奇妙なことに、あまり低下しない。

Nonlinear Pressure Dependences of the Ferrimagnetic Curie and the Ferrimagnetic-to-Antiferromagnetic Transition Temperatures in (Cr１-xTiｘ) ５ S６

畠山多生，太田悟，吉田肇，金子武次郎，阿部竣也，安西修一郎

Journal of Physical Society of Japan, 63 (1994)    4163-4168 1994.11

Research paper (scientific journal), Joint Work, Accepted

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この磁性系では，３dバンドの効果に加えて， Cr3dとS2p の混成をも考慮しないとキュリー温度やその圧力依存性を理解できないことをしめした。また，バンド磁性でありながら局在モーメントに対するネール則やLuttinger-Tisza の表式でその磁気相図がかなり理解できることに注目を喚起した。

Opening of Correlation Band Gap in NiS

中村元彦，関山明，生天目博文，藤森淳，三須 明，生駒英也，的場正憲, 安西修一郎

Physical Review Letters, 73 (1994)    2891- 2894 1994.11

Research paper (scientific journal), Joint Work

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Ｔｔ 上下の高分解能ＵＰＳ測定によりNiＳの非金属相と金属相の価電子帯を測定した。得られたギャップは１電子バンドモデルから予想されるものよりはるかに小さく，電子相関の大きく効いていることを提起した。

半導体（Cu４ （Sn１-ｘ Geｘ）Ｓ４ の熱電能

杉野哲也, 田口直文, 的場正憲, 安西修一郎

材料科学(日本材料科学会誌)，31 (1994)    130-132 1994.05

Research paper (scientific journal), Joint Work

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Cu４ SnＳ４ に関して，室温付近での熱電性能指数の大きい物質を探索するために表記の系の物質の熱起電力と電気抵抗率を測った。ｘ増大により高抵抗相（低温）-低抵抗相（高温）の転移温度が室温を切るｘ＝0.7 付近で抵抗率が小さくまた，熱起電力の大きい物質を得た。

Effect of Early Transition-Metal (M = Ti, V and Cr) Doping on the Electronic Structure of Charge-Tr- ansfer Type Compound NiS Studied by Thermoelectric Power and X-Ray Photoemission Measurements

的場正憲, 安西修一郎, 藤森淳

Journal of the Physical Society of Japan, 63 (1994)    1429-1440 1994.04

Research paper (scientific journal), Joint Work

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ＸＰＳによるM2p 内殻準位スペクトル測定から，ＭはNiＳ中でドナーになっていることを見つけた。また，非金属相の熱機電力の温度変化に温度の(1/2) 乗に比例する負の符合の寄与をみつけた。これらより，ドナーからの電子は Anderson準位を作っている可能性を提案した。電荷移動型化合物中の本来はMott-Hubbard型化合物を作る低３d元素不純物の電子状態のミクロな知見の１つである。

Photoemission Study of the Electronic Structure of the Ferromagnetic Cr１-δTe System

島田賢也，斎藤智彦，生天目博文，藤森淳，的場正憲，畠山多生，安西修一郎

Japanese Journal of Applied Physics Suppl., 32-3, (1993)    311-312 1993.12

Research paper (scientific journal), Joint Work

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Cr１-δTeの価電子帯の光電子分光を行ない，この磁性系ではバンド的要素にかなりの電子相関を取り入れなくてはならないことをしめした。

Pressure Effect on the Magnetic Transition Temperatures of Mn７Sn３Ge and Mn７Sn２Ge２

太田悟，萩原直人，藤井誠二，吉田肇，金子武, 次郎，安西修一郎，的場正憲

Japanese Journal of Applied Physics Suppl., 32-3, (1993)    266-268 1993.12

Research paper (scientific journal), Joint Work

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Snを同族のGeで置換するとＴｃ がさがる。これに対応してdTｃ ／dPの下がることをみつけた。これより，Mn-Mn 相互作用のみでなく，Mn-Sn- Mnのような非磁性金属との混成（Keblerモデル）も考えないといけないことを提起した。

X-ray Absorption Study of the Metal-Nonmetal Transition in NiS and Ni１-ｘ Mｘ S (M = Fe and Co)

中村元彦，生天目博文，藤森淳，M.Sacchi J.C.Fuggle, 三須明，間森毅，田村光，的場正憲，安西修一郎

Japanese Journal of Applied Physics Suppl. 32-3, (1993)    306-307 1993.12

Research paper (scientific journal), Joint Work

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表記の試料の電荷移動型非金属-金属転移温度Ｔｔ の上下でのＸＡＳを測定した。Ni１-ｘ CoｘＳでは，サテライトの強度がＴｔ 以下で増大することから，CoとNiの軌道混成を確認した。

Magnetic Properties of Cr２RhSe４ and CrRh２Se４

安西修一郎，王子雅章，太田悟，松上哲也，園川潔，的場正憲

Japanese Journal of Applied Physics Suppl.,　32-3, (1993)    355-356 1993.12

Research paper (scientific journal), Joint Work

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(Cr１-ｘ Rhｘ )３ Se４ の磁化率温度変化を測定した。これまでに安西らの研究してきたCrとRhのカルコゲナイドの磁性と比較した。有効ボーア磁子のｘ増加による縮みはTeでは少ないが，SeとＳでは激しいことを見つけた。このようなバンド的様相（局在モーメントからの有効磁子数縮み）を，RhとＳやSeの電気陰性度差が負なのに，RhとTeでは正であることと関連づけた。

Metal-Nonmetal Transition in NiS Induced by Fe and Co Substitution: X-ray Absorption Spectroscopic Study

中村元彦，藤森淳，M.Sacchi, J.C.Fuggle, 三須明，間森毅，田村光，的場正憲，安西修一郎

Physical Review, B48, (1993)    16942-16947 1993.11

Research paper (scientific journal), Joint Work

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Ni１-ｘ Coｘ ＳとNi１-ｘ Feｘ ＳのNi2P３／２ について室温でＸＡＳを測定した。求められたサテラ イトにクラスターモデルを用いて電荷移動エネルギーと移動積分への不純物効果をもとめた。その結果，Fe不純物の場合には，実測の挙動dTｔ ／dx＞０に対応した電荷移動ギャップの増加をみとめた。Co不純物の場合には，実測のdTｔ ／dx＜０をクラスターモデルの範囲では理解できず，Ni3d-Co3d の混成を提案した。

Effect of Ge Substitution on the Magnetic Transition Temperatures in the Ni２In-Type Mn７（Sn１-ｘ Geｘ)４

安西修一郎, 萩原直人, 藤井誠二, 亀山真司, 的場正憲, 金子武次郎, 吉田肇, 太田悟

Physica Status Solidi (Berlin), b177 (1993) K13-K16  1993.05

Research paper (scientific journal), Joint Work

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Mn７ Sn４ のフェリ磁性キュリー温度Ｔｃ は静水圧によって原子間距離を縮めると上昇することを安西らはすでに報告した。ここでは，Snをそれと同族（等電子数）で半径の小さいGeで置き換えたところ，Ｔｃ の低下をみつけた。価電子帯のＸＰＳには置換による変化が見つからないことも明らかにした。

A Spin-Glass-Like State in the Ni２ In-Type Mn７ (Sn１-ｘ Geｘ）４ below the Ferrimagnetic State

萩原直人, 的場正憲, 藤井誠二, 安西修一郎

Physica Status Solidi (Berlin), b176 (1993) K71-K74  1993.04

Research paper (scientific journal), Joint Work

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Mn７ Sn４ のフェリ磁性についての研究を復活させた。今回，ヘリウム温度までの磁化測定を行ない，低温（Ｔ＜Ｔｆ〜100K）にスピングラス的相を見つけた。

X-Ray Photoemission Spectroscopic Study of Impurity Effect and d-Band Formation Induced by the Substituted４d Transition Metal Atoms in Ni１-ｘ RhｘS

間森　毅, 的場正憲, 安西修一郎，藤森　淳

Journal of the Physical Society of Japan, 62 (1993)    1031-1036 1993.03

Research paper (scientific journal), Joint Work

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Ni１-ｘ Rhｘ Ｓにおける電荷移動ギャップのRhによる非体積不安定化効果を解明するために，金属状態での価電子帯ＸＰＳを測定した。その結果，フェルミ準位にかかった新たなバンドがRh導入により生ずることがわかった。

Thermal Expansion Behaviors through the Charge-Transfer Type Nonmetal-Metal Transition in Ni１-ｘ MｘS (M = Ti, V and Cr)

的場正憲，安西修一郎, 内田光哉

Journal of the Physical Society of Japan, 61 (1992)    1425-1426 1992.04

Research paper (scientific journal), Joint Work

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NiＳのNiをTi，Ｖ，Crといった低原子番号の ３d 元素（Mott-Hubbard 電子状態も化合物をつくると考えられる）で置換したときにも低温の非金属相が不安定化する。低温Ｘ線回析により，非金属相の格子定数を測ったが，原子間距 離は置換濃度増加により増大することを見つけた。これより，上記不純物によるin-gap状態の存在を提唱した。

Co Substitution Effect on the Electronic Structure on NiS Studied by X-Ray Photoemission Spectroscopy

間森　毅, 的場正憲, 藤森　淳, 安西修一郎

Journal of the Physical Society of Japan, 61 (1992)    433-436 1992.02

Research paper (scientific journal), Joint Work

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Ni１-ｘ CoｘＳの価電子帯ＸＰＳには，NiＳとCoＳの２本の主ピークが見られるのではなく，両者の中間に１本の主ピークを観測した。NiＳもCoＳも電荷移動型電子状態を持つが，これよりつぎの詳細さにおいては磁性金属原子間の混成のある可能性を示唆した。これにより，電荷移動型電子状態について１クラスターモデルを越えた知見を一歩すすめることができた。

Thermal Expansion, Thermoelectric Power, and XPS Study of the Nonmetal-Metal Transition in Ni１-ｘ S１-ｙSeｙ

的場正憲, 安西修一郎, 藤森　淳

Journal of Phisical Society of Japan, 60 (1991)    4230-4244 1991.12

Research paper (scientific journal), Joint Work

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NiＳ１-ｙSeｙでは，ｙ増加とともに原子間距離が増大するにもかかわらず非金属相（電荷移動ギャップの開いている状態）は不安定化する。これを解明するために表記の測定をおこなった。その結果，原子間距離が伸びることによる上部Hubbard バンドやｐバンド減少を上回る電荷移動エネルギー低下が，より電気陰性度の小さいSeによって持ち込まれることを示した。