論文 - 鷲見　洋一

ソフィー・ヴォラン書簡を読む

鷲見　洋一

思想 （岩波書店）  10   66 - 86 1984年10月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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ディドロ没後２００年記念特集号への寄稿。ディドロが愛人のソフィー・ヴォランに宛てて書いた１８０余通の手紙を対象に、これらの資料体が研究者へのたんなる材料提供庫に終わらず、それ自体独立した意味と価値を持つものであることを強調した。

L’Eté 1762 － A propos des lettres à Sophie Volland

Yoichi SUMI

Europe 661   113 - 119 1984年05月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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ディドロ没後２００年記念特集号への寄稿。ディドロが愛人のソフィー・ヴォランに宛てて書いた１８０余通の手紙には、たんに情報を伝達するだけの通常のコミュニケーション機能を超えて、書簡それ自体を一個のまとまりを持った「作品」として閉じたシステムに仕立てようとする哲学者の隠れた意図がある。本論では、そうした意図を解読できるいくつかの手がかりを求めて、１７７８年夏にまとめて書かれた３２通の手紙を対象に、「自己美化」、「自伝風の記述」、「自己検閲」、「読者への関わり」、「文体上の特質」など、特徴的な要素を抜き出して論じた。

スリジー＝ラ＝サル顛末記 ― 国際ディドロ学会の報告

鷲見　洋一

翻訳の世界 （日本翻訳者養成センター）  1983年11月

単著

ユートピア再説

鷲見　洋一

木鐸 （木鐸社）  1   4 - 5 1982年

単著

翻訳の限界

鷲見　洋一

三田評論 （慶應義塾）  816   31 - 49 1981年07月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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単行本『翻訳仏文法』の出発点となった論考。翻訳という営みを重要な文化的営為と捉え、堀口大学ら近代日本の先人に学びながら、たんに横のものを縦に直すだけに終わらない、柔軟で剛直な翻訳文化学を提唱する。この主張に実践的な技術論を加えて、大きな体系に発展させたのが『翻訳仏文法』である。

美食趣味と大食願望

鷲見　洋一

クリマ （文芸春秋社）   （ 6 ）  1981年

単著

Lire Diderot: à propos d’un passage du Voyage en Hollande

Yoichi SUMI

Etudes de langue et littérature françaises （ Societe d’etudes de langue et de literature françaises）  36   51 - 65 1980年

研究論文（学術雑誌）, 単著, 査読有り

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ディドロ晩年のオランダ、ロシアへの大旅行から生み出された大作『オランダ紀行』のわずか２０行のミニ・テクストを徹底的に読み込む作業から、当時ディドロが置かれていたイデオロギー上の葛藤を炙り出す試み。「放蕩」と「開明専制君主制」とに挟み込まれた「友情」や「食事」や「祈り」の意味を探り、ひいてはそこにロシアのエカチェリーナへの屈折した思いまでをも読みとろうとする。

翻訳仏文法（５年間連載）

鷲見　洋一

翻訳の世界 （日本翻訳家養成センター）  1980年

単著

なぜディドロか

鷲見　洋一

基礎フランス語 （三修社）  1980年

フランス語教師の栄光と悲惨　（１年間連載）

鷲見　洋一

翻訳の世界 （日本翻訳家養成センター）  1979年08月

ルソーとモーツアルト

鷲見　洋一

ジャン＝ジャック・ルソー全集 （白水社）  第9巻月報   4 - 8 1979年

単著

道化合戦の内実と周辺

鷲見　洋一

教育音楽 （音楽之友社）  22 （ 7 ） 50 - 54 1978年07月

単著

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１８世紀フランス音楽史を彩る「ブフォン論争」の内実について、イタリア音楽側とフランス音楽側との主張を要約。論争に関わった哲学者たち、とりわけルソー、グリム、ディドロの立場に光を当てる。中でも、論争の生々しい記憶の中で書かれたディドロの『ラモーの甥』を重要視し、とりわけラモーのパントマイムによるオペラの模倣に大きな意味を見いだした。

図書館の記憶

鷲見　洋一

塾 （慶應義塾大学）   （ 6 ） 2 - 5 1978年06月

単著

二つの死－1778年の状況とルソーヴォルテール

鷲見　洋一

思想 （岩波書店）   （ 7 ） 66 - 86 1978年

研究論文（学術雑誌）, 単著

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ルソー、ヴォルテールの没後２００年を記念して編集された号。両巨人が相次いで世を去り、啓蒙思想の歴史にとって大きな時期を画するといわれた１７７８年の１年間を総合的に記述する試み。時代を年代順の通時性軸ではなく、共時軸で同時多発性の光に置いてみようとする、新しい方法意識に基づいて執筆された。ヴォルテール、ルソーの死と、両者の死に臨んでの態度、ディドロの晩年の超大作、それ以外の作家の動向、フランスと国際情勢、刑法や犯罪に関する状況、モーツアルトのパリ再訪、など多岐にわたる。（被引用数4）

二重の異国

鷲見　洋一

道 （システム・アナリシス・ソサイエティ）  10   11 - 18 1978年

単著

音楽時評　（1977～1978）

鷲見　洋一

Quest 1977年04月

単著

わがモンペリエ

鷲見　洋一

三田文学 （慶應義塾大学三田文学会）  62 （ 8 ） 48 - 58 1975年

単著

ランボー詩のコンコルダンスについて

鷲見　洋一

Kulic （慶應義塾大学図書館）  1974年

単著

Diderot et le problèmes de déchiffrement des dehors

Yoichi SUMI

Etudes de langue et littérature françaises （ Soiété d'études de langue et de litérature françaises）  22   73 - 85 1973年

研究論文（学術雑誌）, 単著, 査読有り

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演劇好きのディドロが生涯を通じて追求したテーマに、人間存在の外観と本質、その両面を繋ぎとめる「演技」（演劇上の概念を人間関係一般に敷衍したものとしての演技）があった。本論文では、もっぱらディドロの小説作品（『ラモーの甥』、『修道女』、『運命論者ジャック』など）に例を求めながら、人物たちの現実における人間関係上のさまざまな駆け引きや失敗を詳細に論じている。

Pensées détachées sur la <Poétique>－Une lecture du Prologue du Neveu de Rameau－

Yoichi SUMI

Geibun-Kenkyu （Geibun-Gakkai, The Keio Society of Art and Letters, Keio University）  32   26 - 88 1973年

研究論文（学術雑誌）, 単著, 査読有り

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ディドロの対話作品『ラモーの甥』の冒頭３ページは、対話が始まる前の序奏であり、「私」なるナレーターが対話者の「甥」を紹介記述する重要な役割を負う部分である。この論文はそのプロローグのテクストをディドロや同時代のさまざままテクスト群、さらには１９世紀、２０世紀のテクスト群と交差、対話させ、その対比作業を通じて、『ラモーの甥』の提出している本質的な美学上、文学上の問題を浮き彫りにしようとする。とりわけ、ディドロがファルコネ宛の手紙で使用したポリプの比喩で暗示される「付帯観念」という修辞学上のテーマが中心に据えられている。(被引用数2）