論文 - 神原　陽一

Electronic Structure and Transport Properties of Cu-deficient Kuramite Cu3-xSnS4

Yosuke Goto, Yuki Sakai, Yoichi Kamihara, and Masanori Matoba

Japanese Journal of Applied Physics 54   021801_1-5 2015年01月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

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銅欠陥のあるクラマイト型Cu3-xSnS4 (CTS)の電気/熱輸送特性を明らかにした。CTSの結晶学的な特徴はCuとSnのサイト間の構成イオンの部分的な交換(アンチサイト)である。CTSはバンド絶縁体的な挙動を示すCu2ZnS4とCu3SbS4と異なり, キャリアドープにより 10の21乗程度のキャリア密度を示す金属であり, 格子熱伝導率は 2 Wm-1K-1であった.この輸送現象はCu 3d と S 3p 軌道に由来する.

Transport Properties of the layered transition Metal Oxypnictide Sr2ScMPO3 with MP layers (M = Mn, Ni and Co0.5Fe0.5)

S. Okada, Y. Kamihara, N. Ohkubo, S. Ban, and M. Matoba

Journal of Physics: Conference Series 568 （ 2 ） 022034_1-5 2014年12月

研究論文（国際会議プロシーディングス）, 共著, 査読有り

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単位格子中にペロブスカイト関連キャリアブロック層を有する、混合アニオン化合物 Sr2ScMPO3 (M = Mn, Ni)を新規に合成し、結晶構造、電気的性質、熱起電力を明らかにした。Sr2ScMPO3 (M = Mn, Ni)は、いずれも正方晶であり、M = Mnの場合は、絶縁的、Niの場合は金属的な電気的性質を示す。M = Niの20-300 Kでの熱起電力の大きさは、|10| micro VK-11以下である。

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STM/STS sudy ofthe superconducting gap in SmFeAsO1-xFx

Yuki Kawashima, Koichi Ichimura, Kazuhiro Katono, Tohru Kurosawa, Migaku Oda, Satoshi Tanda, Yoichi Kamihara, Hideo Hosono

Solid State Communications 204   33 - 36 2014年12月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

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鉄系超伝導体SmFeAsO1-xFxの低濃度ドープ試料、すなわち超伝導相の出現しない x = 0, 超伝導相の出現し始める0.045, 0.046, 0.069について、低温高真空中での走査トンネル顕微/分光測定を用いた電子状態解析を行った。それぞれの試料の超伝導転移温度は12.9, 32.9, 46.9 Kであるにも関わらず、それぞれの超伝導ギャップは9.5, 9.8, 11 meVとほぼ同程度である。

Enhancement of thermoelectric properties by Se substitution in layered bismuth-chalcogenide LaOBiS2-xSex

Y. Mizuguchi, A. Omachi, Y. Goto, Y. Kamihara, M. Matoba, T. Hiroi, J. Kajitani, O. Miura

Journal of Applied Physics （AIP）  116 （ 16 ） 163915_1-4 2014年10月

共著, 査読有り

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新規な層状ビスマスカルコゲナイド LaOBiS2-xSexの熱電変換性能を明らかにした。硫黄(S)サイトにSeを部分置換した化学組成の試料では電気伝導率は上昇し、470　Cで電力因子は4.5 micor W cm-1 K-2まで上昇し、無次元性能指数(ZT)は0.17 である。

The effect of simultaneous substitution on the electronic band structure and thermoelectric properties of Se-doped Co3SnInS2 with the Kagome lattice

M. Fujioka, T. Sibuya, J. Nakai, K. Yoshiyasu, Y. Sakai, Y. Takano, Y. Kamihara, and M. Matoba

Solid State Communications 199   56 - 60 2014年09月

研究論文（学術雑誌）, 共著

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シャンド鉱型化合物 Co3Sn2S2の熱電性能と電子構造に対するIn, Seの部分置換効果を明らかにした。本報告ではCo3SnInS2-ySeyの化学組成に注目し、試料合成、性能評価、電子構造の理論計算を行った。部分置換によりCo3Sn2S2の無次元性能指数(ZT)は300 Kで0.002から0.067まで上昇した。この上昇は電気抵抗率の減少に起因する。密度汎関数法による理論計算の結果、Se置換の増加により、InとSnのとるサイトに変化があり、Sn2 サイトへのInの部分置換の割合が増加した。この結果は実験と矛盾しない。

New phases of binary compounds: CsCl-type RuGe and RuSn

Y. Sakai, M. Matoba, I. Yamada, K. Funakoshi, T. Kunimoto, Y. Higo, and Y. Kamihara

Euro physics letters (EPL) 107 （ 5 ） 56003_1-6 2014年09月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

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我々は金属間化合物CsCl-type RuGe, RuSnを世界で初めて作製し発見した。いずれも過去に報告例のない人工鉱物である。CsCl-type RuGe, RuSnは立方晶で空間群 Pm-3mの結晶構造を示す。これらの化合物は高温高圧下で安定相になり、常温常圧での回収が可能である。擬ポテンシャル法を利用した密度汎関数理論による電子状態計算は実験値と矛盾しない。理論的に求められた結晶相の安定性、及び圧力下の安定性はと実験値と良い一致を示す。

Effects of the Cu off-stoichiometry on transport properties of wide gap p-type semiconductor, layered oxysulfide LaCuSO

Yosuke Goto, Mai Tanaki, Yuki Okusa, Taizo Shibuya, Kenji Yasuoka, Masanori Matoba, and Yoichi Kamihara

Applied Physics Letters 105 （ 022104 ） 1 - 4 2014年07月

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層状オキシサルファイド LaCu1-xSO (x = 0-0.03) を作製し, Cu欠陥による輸送現象(電気抵抗率, ゼーベック係数, 熱伝導率)への影響を定量的に明らかにした. 熱伝導率は, 300 Kにおいて, 格子熱伝導率の寄与が支配的である. 熱伝導に対する電子熱伝導率は, 格子熱伝導率それに比べて無視出来る程度である. 全反射率を測定し, LaCu1-xSOの光学バンドギャップを定量した. 得られた光学バンドギャップは, 密度汎関数により求めた理論的な光学バンドギャップと矛盾しない. 得られた試料は, 銅欠陥に伴い硫黄欠陥が導入されていると考えられる.

Effect of In Substitution on Thermoelectric Properties of Orthorhombic Cu4SnS4

Y. Goto, Y. Kamihara, and M. Matoba

Journal of Electronic Materials 43 （ 6 ） 2202 - 2205 2014年01月

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硫化物系低熱伝導率材料Cu4InxSn1-xS4 (x = 0-0.2)の熱電性能を報告する。この物質の特徴は、結晶学的な斜方晶高温相-単斜晶低温相の一次相転移を230 K付近で生じることである。Inの部分置換の施された試料は縮退伝導を示す。ゼーベック係数は単斜晶相で最大値を示した。無次元性能指数ZTは、化学組成の最適化により上昇する。

From kesterite to stannite photovoltaics: stability and band gaps of the Cu2(Zn,Fe)SnS4 alloy

T. Shibuya, Y. Goto, Y. Kamihara, M. Matoba, K. Yasuoka, L. A. Burton, and A. Walsh

Applied Physics Letters 104 （ 2 ） 021912 2014年01月

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Cu2(Zn,Fe)SnS4はZnとFeの物質量比により, スタンナイト(Stannite)とケステライト(Kesterite)の内のいずれかの結晶構造をとる化合物である。この化合物は, 高機能な太陽電池材料として知られるCu(In,Ga)Se2 (いわゆるCIGS)に比べ, 高価なIn, Gaを含まない。そのため光-電力変換 (photovoltaics)効率の向上による製品化が期待されている。 本稿は, Cu2(Zn,Fe)SnS4の化学組成変化によるバンドギャップの系統変化を定量した。

Relations between Superconducting Critical Temperatures and Crystallographic Local Structures in Iron-based Mixed Anion Compounds

H. Shiozawa, S. Inagi, M. Matoba, T. Atou, M, Itoh, and Y. Kamihara

JPS Conference Proceedings 1 （ 012026 ） 1 - 4 2014年01月

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層状鉄系超伝導体LnFeAsO1-xFx中のFeAs4四面体の２つの結合角度と、その転移温度(Tc)の相関をX線回折実験による局所構造解析により明らかにした。また、類似の構造を有する二次元近藤格子における強磁性転移温度について, 紹介する。

Enhanced Thermoelectric Figure of Merit in Stannite-Kuramite Solid Solutions Cu2+xFe1-xSnS4-y (x=0-1) with Anisotropy Lowering

Y. Goto, F. Naito, R. Sato, K. Yoshiyasu, T. Itoh, Y. Kamihara, and M. Matoba

Inorganic Chemistry 52 （ 17 ） 9861-9866 2013年08月

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スタンナイト-クラマイト(stannite–kuramite)固溶体の結晶構造と熱電性能を明らかにした。Cu2+xFe1–xSnS4–y (x = 0–1)の硫黄欠陥(y)は0.4付近に上限がある。xの増加によりCu/Snの無秩序化が増加する。x = 0.8-1.0の組成の試料は縮退伝導を示す半導体であり100 μVK-1程度の比較的高いゼーベック係数を示すが、その熱伝導率はシリカ(SiO2)と同程度の低い値をとるため、化学組成制御による比較的高いZTを得ることが期待できる。

Modulation of critical current density in polycrystalline boron-doped diamond by surface modification

K. Natsui, T. Yamamoto, T. Watanabe, Y. Kamihara, and Y. Einaga

Physica Status Solidi (b) 250 （ 9 ） 1943-1949 2013年07月

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超伝導体におけるゼロ抵抗を保つ状態、すなわち臨界電流密度(Jc)以下の状態は超伝導線材や電磁石としての応用上重要な状態相である。一般に、常伝導のピン留め中心の混入はJcの上昇をもたらすが、反面、Tcの低下をもたらす場合もある。本稿は、超伝導を示すホウ素ドープダイヤモンドの表面に水素終端処理、または酸素終端処理を施すことで、Jcを可逆的に制御可能であることを示す。

First principles calculations of electronic structures for orthorhombic and monoclinic Cu4SnS4

Y. Goto, Y. Kamihara, and M. Matoba

Physica Status Solidi C 10   1127 - 1129 2013年06月

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Homogeneous Coexistence and Phase Segregation in 1111 Iron-based Pnictides Studied via NMR

N. Fujiwara, Y. Kamihara, S. Matsuishi and H. Hosono

Journal of the Korean Physical Society 62   2004 - 2006 2013年06月

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Magnetic properties of shandite-type Co3Sn2S2-xSex

Y. Sakai, Y. Kamihara, and M. Matoba

Physica Status Solidi C 10   1130 - 1131 2013年06月

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Annealing induced superconductivity in perovskite-related iron-based mixed anion compounds Sr2VFeAsO3-delta

Y. Tojo, M. Matoba, and Y. Kamihara

Journal of Applied Physics 113   17E157 2013年04月

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Homogeneous Coexistence in CaFe1-xCoxAsF and Phase Segregation in LaFeAsO1-xFx studied via NMR

N. Fujiwara,S. Matsuishi,Y. Kamihara, H. Hosono

Journal of superconductivity and novel magnetism 26 （ 8 ） 2689-2692 2013年04月

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Ferromagnetic Quantum Critical Point Induced by Tuning the Magnetic Dimensionality of the Heavy-Fermion Iron Oxypnictide Ce(Ru1-xFex)PO

S. Kitagawa, K. Ishida, T. Nakamura, M. Matoba, and Y. Kamihara

Journal of the Physical Society of Japan 82 （ 3 ） 033704 (4 pages) 2013年02月

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擬二次元格子系であるCeRu1-xFexPOの組成制御を厳密に行い、微視的な磁性と量子臨界点付近の磁気ゆらぎの次元性を31P-NMRより明らかにした。母相 (x = 0)中のCeイオンは、正方格子をとるにも関わらず、状態密度とナイトシフトの相関にょり定義されたスケーリング指数から判断すると、三次元的な強磁性を示す。RuとFeの固溶体では量子臨界点(QCP)付近で三次元的な強磁性秩序から二次元的な強磁性秩序に変化する。

Pressure-induced tetragonal-orthorhombic phase transitions in CeRuPO

S. Hirai, Y. Kamihara, A. Wakatsuki, M. Matoba, W. L. Mao

Applied Physics Letters 102 （ 5 ） 051917 (5 pages) 2013年02月

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Ferromagnetic quantum critical point in heavy-fermion iron oxypnictide Ce(Ru1-xFex)PO

S. Kitagawa, K. Ishida, T. Nakamura, M. Matoba, and Y. Kamihara

Physical Review Letters 109 （ 22 ） 227004 2012年11月

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新規な擬二次元格子系であるCeRu1-xFexPOを合成し、微視的な磁性を31P-NMRにより明らかにした。磁化率、磁気ゆらぎのx依存性よりRu/Feの濃度が0.13-0.14 atom%程度の場合, RuとFeの固溶による強磁性状態, 及び重い電子状態の消失、すなわち量子臨界状態となる。