論文 - 斎藤　慶典

西田哲学と現象学

斎藤　慶典

週刊読書人 1998年02月

単著

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灯影舎版『西田幾多郎選集』出版にあたって組まれた西田特集への寄稿論文。現象学者としての論者の観点から西田哲学を論評。

松尾正『存在と他者』

斎藤　慶典

週刊読書人 1997年09月

単著

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『沈黙と自閉』で知られる精神病理学者であり、かつ優れた臨床医でもある松尾正の二冊目の著書を、哲学の観点から論評する。

責任と正義　あるいは「語りえぬもの」をめぐって――西欧＝哲学の光のもとで――

斎藤　慶典

『思想』　特集・エマニュエル・レヴィナス （岩波書店）   （ 874 ） 122-140 1997年04月

単著

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「責任」と「正義」を私たちの現実を構成する倫理と政治の根本概念として捉え、それらが私たちの思考にとって「語りえぬもの」の問題系に関わる二つの対応であることを、ソクラテスからアリストテレス、ニーチェを経て現代のヴィトゲンシュタイン、レヴィナスにまでいたる広大な西欧精神史の展開の中で明らかにする。

コギトと超越論的主観性――「自我」をめぐって

斎藤　慶典

哲学 （法政大学出版局）   （ 48 ） 1-18 1997年04月

単著

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日本哲学会大会におけるシンポジウム「現代の精神的状況における自我の問題」の提題論文。きわめて西欧近代的な概念である「自我」を、そうした西欧近代の哲学的父祖とされるデカルトの『省察』を徹底した解明に委ねることで再検討し、デカルトの内には近代的「自我」とはまったく別の問題次元が隠されていたことを明らかにする。そしてこの問題次元を新たに哲学的省察の対象とすることは、現代の哲学にとって重大な課題であることを示す。

エマニュエル・レヴィナス「社会性と貨幣」

斎藤　慶典

『思想』　特集・エマニュエル・レヴィナス （岩波書店）   （ 874 ） 234-243 1997年04月

単著

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貨幣を正義の観点から考察し、その積極的な意義を浮かび上がらせる異色の論考の翻訳。Emmanuel Levinas, “Socialite et argent”, in L’Herne, no.60, Editions de l’Herne, 1991.

Ｐ．リクール『他者のような自己自身』

斎藤　慶典

週刊読書人 1996年09月

単著

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英米の分析系の倫理学とレヴィナスの狭間に身を置き、両者との対話を試みるリクールの近作を論評。

「他者」の項目を執筆。

斎藤　慶典

『新カトリック大辞典』 （上智大学・研究社）  1996年06月

「時間」「意識流」「生き生きした現在」「形而上学」「神」「絶対性」「受動性」の各項目を執筆。

斎藤　慶典

『現象学事典』 （弘文堂）  1994年03月

エイズの／と「認識」――差別・病気・他なるもの

斎藤　慶典

『理想』・特集・倫理学の現在 （理想社）   （ 652 ） 35-46 1993年09月

単著

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倫理学の現在を問うにあたって、本特集が組まれた平成5年当時世間の注目を集めていたAIDS問題への対応を論ずる中で、「病気」概念の再検討の余地と、「差別」をめぐる問題に私たちの知的活動である「認識」が正・負いずれの意味でも重要な役割を演じていることを明らかにし、その正の方向への展開の可能性を考察する。

木田元『ハイデガーの思想』

斎藤　慶典

週刊読書人 1993年05月

単著

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ハイデガー学者として知られる著者の、ハイデガーをとりわけアリストテレスをはじめとする古代ギリシア哲学との関連で読み解く論考を論評。

動き・場所・他なるもの――「時間」によせて

斎藤　慶典

『現代思想』　特集・時間論の現在 （青土社）  21 （ 3 ） 274-289 1993年

単著

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『現代思想』誌の時間論特集に寄稿するにあたってあらためて、「時間」の名のもとに私たちはいったい何を理解している/しようとしているのかを問う。この問い深めの中から、「動き」、「場所」、「他なるもの」という三つの問題次元が「時間」の中に折り込まれ、畳みこまれていることを明らかにする。

国家と他者――ホッブスとレヴィナス／あるいはコーナートゥスをめぐって

斎藤　慶典

『情況』　臨時増刊号　特集・現象学――越境の現在　II （情況出版）  3 （ 8 ） 156-174 1992年09月

単著

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近年かまびすしく論じられるようになった「他者」問題が、その本質において倫理や政治の次元にまで及ぶ広い理論的射程を有することを、近代政治哲学の金字塔であるホッブスの『リヴァイアサン』とレヴィナスの『全体性と無限』ならびに『存在するとは別の仕方で…』を対比させる作業を通して明らかにする。

西欧近代哲学と他者――デカルト、カント、フッサールを中心に

斎藤　慶典

中央学院大学教養論叢 5 （ 1 ） 3-18 1992年03月

単著

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哲学の長い歴史の中でも表立って論じられることのなかった「他者」問題の隠れた痕跡を、西欧近代の代表的な哲学者であるデカルト、カント、フッサールの中に探り、そのトポスを、「無限なる神」(デカルト)、「物自体」(カント)、「生き生きした現在」(フッサール)に見定める。

The Transcendental Dimension of ‘praxis’ in Husserl’s Phenomenology

斎藤　慶典

Husserl Studies （Kluwer Academic Publishers, Netherlands）  8 （ 1 ） 17-31 1991年10月

単著

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ドイツ観念論以来の反省哲学の色彩を色濃く持ったフッサールの超越論的現象学に潜む「実践(プラクシス)」の契機を彼のテキストそのものから浮かび上がらせるとともに、この契機が現象学の――おそらくフッサール本人には思いもつかなかったであろう――新たな展開の可能性を開くことを論じた英文論文で、国際的なフッサール研究誌に掲載された。

私とは誰か――E．レヴィナスに対して・のために・に代わって

斎藤　慶典

思想 （岩波書店）   （ 803 ） 39-59 1991年05月

単著

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上記第6論文の成果を踏まえて、論者自身のこれらの問題――すなわち、「自己」性の成立に根本において関わる時間性と他者性の解明と、この両次元の交錯の問題――に対する対応と展望を、フッサール、ハイデガー、レヴィナスをあらためて論ずることを通して呈示する。

倫理・政治・哲学――E．レヴィナス『存在するとは別の仕方で　　　あるいは存在の彼方へ』をめぐって

斎藤　慶典

思想 （岩波書店）   （ 798 ） 118-138 1990年12月

単著

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E．レヴィナスの第二の主著といわれる『存在するとは別の仕方で…』の邦訳書の刊行を機に、難解を以って知られる同書を、フッサール、ハイデガー以来の現象学と存在の哲学の系譜の中に位置付けるとともに、哲学から倫理を介して政治にまで及ぶその全貌を明らかにすることを試みる。

他者と時間性――超越論的現象学とE．レヴィナス

斎藤　慶典

現象学年報  （ 5 ） 109-128 1990年03月

単著

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上記第4論文で問題化した時間性と他者性の接点にいち早く注目してフッサール現象学に新たな展開の可能性を開いた論者としてE．レヴィナスを取り上げ、彼のいわゆる「他者の哲学」とフッサールとを、K．ヘルトによるフッサールに内在的な研究を媒介にして接合する。

岩田靖夫『神の痕跡――ハイデガーとレヴィナス』

斎藤　慶典

図書新聞 1990年03月

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アリストテレス学者にして現代英米の正義論にも詳しい碩学のハイデガー、レヴィナス論を論評。

ハイデガー全集第20巻『時間概念の歴史への序説』

斎藤　慶典

週刊読書人 1988年12月

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『存在と時間』の原型を示すと言われる1925年夏学期講義の邦訳出版にあたって、同講義の概要とその意義を論評。

「自己」と「自己ならざるもの」

斎藤　慶典

思想 （岩波書店）   （ 763 ） 47-70 1988年01月

単著

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フッサール現象学を、「私」が「私」であること、すなわち「自己」性の徹底的解明として読むこともできる。その際、柱となるのはその時間論と相互主観性理論である。この両輪がフッサールにおいていずれもある種の解決不能なアポリアに逢着している地点にこそ、「自己」性の成立の原場面を見極める。