競争的研究費の研究課題 - 太田 泰友
-
可視域における巨大な磁気光学効果を活用した非相反二次元フォトニック結晶の研究
2025年04月-2028年03月科学研究費助成事業, 太田 泰友, 基盤研究(B), 未設定
研究概要を見る
本研究では、可視域において大きな磁気光学効果を示す磁性ガーネット材料を微細加工し、フォトニック結晶構造を作製する。フォトニック結晶の光共振作用を活用し、磁気光学効果を一層高めることで、大きな非相反性を示す微小光学素子を実現する。この磁気フォトニック結晶は、小型光アイソレーターや非相反トポロジカルフォトニクスへ応用が可能であると期待される。
-
超均質非周期人工構造の設計によるメソスケール高機能材料の実現
2025年04月-2028年03月科学研究費助成事業, 竹森 那由多, 山本 勝宏, 太田 泰友, 学術変革領域研究(B), 未設定
研究概要を見る
本研究は、2次元フォトニック材料および3次元ソフトマテリアルにおけるメソスケール非周期構造の設計・合成を行い、ハイパーユニフォーミティをスカラー場に拡張した手法に基づく定量評価により光学・力学特性を最大化する構造を創出する。得られた成果は、光素子や強靭なゴム材料など新素材の開発に貢献する。
-
2024年04月-2027年03月
科学研究費助成事業, 小林 伸聖, 池田 賢司, 直江 正幸, 増本 博, 薮上 信, 岩本 敏, 太田 泰友, 基盤研究(A), 未設定
研究概要を見る
高周波化におけるノイズや高密度化に伴う発熱等の問題により、電気回路の集積化に限界が見えつつある。これに対し、電気を光に置き換えた光集積回路が実現すれば、集積化への問題は解消され得る。本研究では、大きなファラデー効果を示すナノグラニュラー薄膜に着目し、その構造因子と材料特性の関係を明らかにすると共に、構造因子の制御法を確立することによって、光集積回路を実現するための磁気光学材料の開発を目指す。
-
2022年06月-2025年03月
科学研究費助成事業, 太田 泰友, 小林 伸聖, 挑戦的研究(萌芽), 未設定
研究概要を見る
本研究では、誘電率εがゼロ近傍に制御可能なEpsilon Near Zero材料を舞台に、磁気光学効果そのもの非線形応答の探求を行う。さらに、この新しい非線形磁気光学効果についてトポロジカルフォトニクスへの応用を検討し、新奇磁気光学デバイス創出に挑戦する。本研究は、 ともすればマイナーと見られていた非線形磁気光学効果を、デバイス技術へも応用可能なメジャーな効果へと変革し、非線形磁気光学の分野に新しい方向性をもたらすものである。
本研究は、イプシロンニアゼロ(ENZ)特性を示す酸化インジウムスズ(ITO)を舞台に、磁気光学(MO)効果の非線形光学応答の観測とその応用を検討するものである。研究二年度目においては、まずガラス基板上のITO膜の高品質化を図った。アニール温度やチャンバー雰囲気を制御することで、光学損失が小さくかつENZ波長が近赤外域において一層短波長化したITOを実現することに成功した。一方、さらなる低損失化と強いMO効果との両立を目指してナノグラニュラ材料によるMO層とENZ効果を発現するためのITO層の積層構造の検討も行った。鉄コバルトナノグラニュラを中心に検討し、ITOとの積層構造を作製することに成功した。また同膜の光学評価を行い、MO効果の発現を確認した。また、適切な光学コントラストを得るためにITO薄膜の転写技術構築にも取り組んだ。ガラス上のITOをリソグラフィーで断片化し、ガラスをフッ酸で選択除去することでITOの中空薄膜を作製した。同薄膜を転写プリント法で別種のガラス上に転写することに成功した。歪みによるITO膜の変形が見られたものの、貼り付け基板側を適切に処理することで平坦化できることが分かった。逆にITO上への半導体フォトニック結晶の転写技術の開発にも取り組んだ。ITO表面に荒れが見られたものの、転写集積することに成功した。さらには、MO効果を取り込んだフォトニック結晶の数値計算についても引き続き取り組んだ。フォトニック結晶のガイドモード共鳴を活用して光閉じ込めを行うことで、MO効果を大幅に増強できることが分かった。
実験に用いる高品質なITO薄膜の成膜に成功し、MOフォトニック結晶の設計も順調に進んだ。また新たな研究展開へと繋がるITO薄膜の転写にも成功した。ただ、MO分光実験には遅れがみられる。これらの状況を鑑みて、概ね順調に進展していると判断した。
今後は近赤外波長域においてITO薄膜の分光評価実験を進めるとともに、転写可能なITO薄膜という新しい技術を生かした新奇光デバイスの検討を行う。加えて、ENZ-MO多層膜の作製及び検討を進め、同材料のMO分光実験を進める。 -
半導体フォトニック結晶を用いた非線形トポロジカルナノフォトニクスの開拓
2022年04月-2026年03月科学研究費助成事業, 岩本 敏, 太田 泰友, 基盤研究(A), 未設定
研究概要を見る
トポロジカルナノフォトニクスを線形光学の枠を超えて非線形光学領域へと展開する。具体的には、半導体バレーフォトニック結晶で実現されるトポロジカルスローライト導波路の低分散化を図り高効率な四光波混合を誘起することにより、構造揺らぎなどがあっても高い効率を示すパラメトリック増幅や高い量子相関を示す量子もつれ光子対生成の実現を目指す。さらに、バレーフォトニック結晶を積層することで発現する新たな光局在状態とそれを用いた高調波発生を実現する。これらの研究をとおして、新奇オンチップ非線形光学デバイスの可能性を探求し、“非線形トポロジカルナノフォトニクス”という新分野の開拓に挑む。
バレーフォトニック結晶を用いたスローライト導波路について、構造変調による分散制御の可能性を数値的に検討した。その結果、界面周辺の円孔サイズと位置を制御することで、効率的な非線形光学効果の実現に必要な低群速度分散特性を実現できる可能性が見出された。また、非線形光学効果の観測に必要なトポロジカルスローライト導波路への高効率光入射を可能にするカプラ構造を設計し、シリコンバレーフォトニック結晶導波路を用いた実験によりその効果を実証した。また、機械学習を活用した群速度分散やカプラ構造の最適化の検討を開始した。
バレーフォトニック結晶を積層した構造を数値計算により検討した。InPおよびSiをスラブ材料としたハニカム格子フォトニック結晶を出発点とし、ABサイトの孔サイズを変えつつツイスト積層構造を調べた。その結果、特定の設計パラメータ、ツイスト角において光局在が発現することを確認した。また、その共振器状態について系統的に調べQ値が1000を超える構造を明らかにした。設計した構造の作製にも取り組んだ。InPを母材としてプロセス開発を進め単層フォトニック結晶の作製と転写プリント法を用いた積層構造の作製を行った。
トポロジカルスローライト導波路については、数値解析による分散制御の可能性の確認、今後の実験で重要となる高効率カプラの設計・実証のほか、当初想定していなかった機械学習のトポロジカルスローライト導波路やカプラの設計への適用についても目処がたった。
積層フォトニック結晶については、数値計算手法の開拓により、想定以上のペースで積層バレーフォトニック結晶に関する光学設計が進展している。作製プロセス開発については、単層構造を比較的高い精度で作製することに成功しており、同技術をベースとしてツイスト積層構造の作製が順調に進んでいる。転写プリント法を用いた積層プロセスにおいて回転角・位置合わせ精度に課題があるものの、今後の解決が見込まれる。
以上から、「おおむね順調に進展している」と判断した。
スローライト導波路については、機械学習を活用してより広い帯域で低群速度分散を実現できる構造の設計を目指すとともに、実際にデバイスを作製し、まず線形光学特性の評価を行なう。
積層フォトニック結晶については、非線形光学効果の探求に適した高Q値共振が可能な構造の探求を目指す。また、モード体積が小さな光共振の可能性も検討する。作製プロセス開発においては、回転角調整手法の検討を進め、より高精度な積層構造の作製を目指す。 -
2022年04月-2025年03月
科学研究費助成事業, 太田 泰友, 岩本 敏, 基盤研究(B), 未設定
研究概要を見る
半導体薄膜に周期的に空孔を設けた2次元フォトニック結晶を回転させつつ積層するこ とで、光ツイストロニクスを開拓する。これにより、新しい光閉じ込め機構および光系特有のツイスト物理を探求する。一般に困難とされる積層ナノ光構造の作製には申請者が開発を続ける転写プリント法を用い、高品質な半導体ツイスト積層フォトニック結晶を実現する。同構造の工学的有用性にも着目し、ハイブリッド集積ツイスト微小共振器レーザーへの応用を検討する。本研究を通じ、半導体光ツイストロニクスと呼ぶべき新分野を開拓する。
本研究では、半導体モアレフォトニック結晶を対象として光ツイストロニクスを開拓し、新しい光閉じ込め機構および光系特有のツイスト物理を探求している。研究二年目は、理論解析、数値計算、デバイス作製・光学測定技術の発展を図った。
(1)光ツイストロニクス系の理論解析:Staggeredポテンシャルを導入したモアレ系の解析に重点的に取り組んだ。2層一次元系では強束縛近似モデルを構築し、Staggeredポテンシャルの導入によりフラットバンド局在が広いパラメータ領域で実現できることを発見した。また同様の計算を2層二次元系についても行い、ツイスト角が小さい一周期系において波動関数の局在が発現することを確認した。
(2)光ツイストロニクス系の数値解析:(1)の結果に基づき、1次元モアレフォトニック結晶における光局在を解析した。2層系を詳しく解析し、Staggeredポテンシャルを導入することで最小バンド幅やフラットバンドが得られるパラメータ範囲が大幅に拡大することを見出した。また単層モアレ系についても解析し、Q値が1億に迫る光局在が発現することが分かった。2次元系においても、Staggeredポテンシャルを導入した単層モアレ系においてQ値が1000を超える光局在を実現した。
(3)モアレフォトニック結晶の作製:InPに対するエッチングハードマスクを導入することで加工精度を大幅に向上することに成功した。洗浄プロセスの改良にも取り組み、残渣のない中空フォトニック結晶の作製に成功した。また、転写プリント法を用いて2層積層構造の作製に取り組んだ。中心位置ずれが発生するものの、回転積層構造を高品質に作製できることが分かった。
(4)光学評価実験:作製した試料の低温顕微フォトルミネッセンス測定を行い量子井戸からの発光を確認した。また、偏光クロスニコル配置を用いた反射系を構築し反射測定も試みた。
Staggeredポテンシャルを導入したモアレフォトニック結晶による強いフラットバンド局在を新たに発見するなど理論解析・数値計算が大きく進展した。さらに一次元系において1億のQ値を実現するモアレフォトニック結晶を数値的に実証することに成功した。一方、光学測定では強い共振器信号が観測できておらずプロセスの一層の最適化が必要なことが分かった。これらのことを鑑み「おおむね順調に進展している」と判断した。
これまでに得た成果をベースに、モアレフォトニック結晶をベースとしたナノ共振器レーザーの実現を図る。
(1)光ツイストロニクス系の理論解析:適切な近似のもとで連続体モデルを構築し、Staggeredポテンシャルを含む系において、フラットバンド局在の性能を決める主要因をあぶりだす。また、ヘテロツイスト系についても検討を行い、InP-Si積層系におけるフラットバンド局在の可能性を検討する。
(2)光ツイストロニクス系の数値解析:FDTD法を中心に高Q値共振器の解析を行い、レーザー発振に向けてモード分布などを詳細に解析する。また、遠方界放射パタンとバンド構造との関係を調査する。さらには、光導波路と結合可能なモアレフォトニック結晶ナノ共振器の設計を行い、ハイブリッド光集積への応用可能性を検討する。これらの研究からモアレフォトニック結晶のナノレーザー応用を検討する。
(3)モアレフォトニック結晶の作製:微細加工技術を精緻化し、モアレフォトニック結晶からのレーザー発振実現を目指す。積層構造においては、転写プリント法の位置合わせ精度を一層向上させることで、所望の光共振を実現する。
(4)光学評価実験:低温顕微分光によりレーザー発振の実証を進める。光学系の安定性を向上し測定を自動化することで、信頼性の高いデータを取得することを目指す。 -
磁気光学結晶-on-insulator基板の実現とナノフォトニクスへの応用
2019年04月-2023年03月科学研究費助成事業, 太田 泰友, 基盤研究(C), 未設定
研究概要を見る
本研究では、磁気ナノフォトニクスという新しい研究分野を開拓するため、レーザーを用いた磁気光学薄膜の高品質分離技術を構築することを目指す。材料を薄膜化することで、光と物質の相互作用を増大することが可能となる。これにより、従来技術では難しかった超小型集積光アイソレーターや非相反トポロジカル光導波路といった新しい磁気光学デバイスの実現が期待される。
本研究では、磁気光学(MO)材料単結晶ウェハをガラス上に融着し研磨とエッチングにより薄膜化することでMOOI基板(MO crystal On Insulator基板)の実現に成功した。また、MO材料のイットリウム鉄ガーネットに対する微細加工技術の構築に取り組み、様々なドライエッチング技術を検討した。加えて、MOOI基板を活用した磁気ナノフォトニクス構造を検討し、メタ表面、フォトニック結晶、シリコンとのハイブリッド構造を評価し、極薄Faraday回転子の設計に成功した。
薄膜光学材料は、ナノ構造を用いて光を制御するナノフォトニクス技術に必要不可欠と言える。これまで単結晶MO材料を同分野に有用な形で薄膜化することは難しく、磁気ナノフォトニクスの進展は限定的であった。本研究では単結晶MO薄膜をガラス上に装荷したMOOI基板を実現した。同基板を用いることで、通常の誘電体のみでは実現の難しい磁気ナノフォトニクス素子の実現が容易となる。同素子は、光通信やセンシングなどに有用であるとともに新しい学術探求の場としても魅力的である。 -
2016年04月-2020年03月
科学研究費助成事業, 太田 泰友, 基盤研究(C), 未設定
研究概要を見る
本研究では、半導体集積光回路上へ量子ドット単一光子源を集積する技術の開発と同系における量子光学実験を行った。集積技術として転写プリント法を研究し、ナノ共振器光源を光導波路上へ±50nm程度の位置精度で集積することに成功した。また、同構造において99%を超える光源効率を達成可能なことを電磁界計算により明らかにした。半導体ナノ加工技術と転写プリント法を組み合わせて様々な試料を作製し、光回路上での単一光子発生、複数光源集積やその独立発光波長チューニングなどを実現した。
転写プリント法によりナノ共振器光源を光回路上へ的確に集積できることを示した点は大変意義深い。同手法は、その他のナノ光素子へも容易に適用できる。今後、多様な光素子の自在集積が可能である稀有な光集積技術として活用されていくことが期待できる。また、同技術を用いて光源を作製した場合でも、非常に高い光源効率が実現可能であることを示した点も重要である。本研究での成果が、量子技術に要求される高性能量子光源の開発に活用できることを示唆している。 -
量子ドット-ナノ共振器多重量子結合系における固体量子電気力学探究と新ナノ光源創成
2015年-2021年科学研究費助成事業, 荒川 泰彦, 岩本 敏, 清水 明, 太田 泰友, 越野 和樹, 上出 健仁, 特別推進研究, 未設定
研究概要を見る
研究プロジェクトの最終年度として、研究成果を論文等を通じて積極的に発信するとともに、その内容をレビュー論文にまとめた。一方で、トポロジカルナノフォトニクス構造などに関する研究を進めいくつかの成果が得られた。これらは本研究の今後のさらなる飛躍の土台になることが期待される。その他本年度に得られた成果については、以下に示す3つの研究領域に分けて概要を報告する。
1. 量子ドット・ナノ共振器形成基盤技術開発 :
自己形成量子ドットの分子線エピタキシーによる結晶成長技術について検討を深めた。近接三重層量子ドットやメタモルフィック構造を用いた長波発光量子ドットの高品質化に取り組むとともに、これらの結晶成長技術を基礎とした量子ドットレーザー素子の作製も進め、レーザー発振を観測するまでに至った。また、光学顕微鏡下による低ダメージ積層法により三次元フォトニック結晶構造を構築し、量子ドットと結合した共振器発光ピークを観測した。
2. 固体量子電気力学探究 :
結合共振器系で発現するトポロジカル境界状態を活用した高出力レーザーについて理論的な検討を深めた。利得・損失の空間配置を最適化した構造において、共振器周波数や結合レートにバラツキがある場合においても、ロバストな単一モード発振が可能であることを明らかにした。さらには、現実的な共振器損失や利得を想定した検討も進め、実験的に実現可能な素子設計を行った。また、トポロジカルスローライト導波路を用いたリング共振器構造について、その共振器モード特性を数値的に解析するとともに、InP系材料を用いて構造を試作し、レーザ発振を実現することにも成功した。
3. 極限量子ドット光源開発 :
トポロジカルな光導波路を用いた量子ドット単一光子源の詳細な評価を行った。大きなパーセル効果を発現可能であることを確認するとともに、発生単一光子の低損失な光伝搬を観測した。また、多数の異なる量子ドットを測定することで、バンド分散とパーセル効果の関係を実験的に明らかにし、高効率かつロバストな単一光子源を実現する素子構造について検討を深めた。加えて、界面ゆらぎInGaN量子ドットからの高純度単一光子発生についても検討を深め、その純度の励起強度依存性やスペクトル拡散時間の測定を行いさらなる高性能化の指針を得た。 -
量子ドット-ナノ共振器結合系における二光子自然放出過程を活用した量子光源
2012年04月-2015年03月科学研究費助成事業, 太田 泰友, 若手研究(B), 未設定
研究概要を見る
量子ドット‐フォトニック結晶ナノ共振器結合系における二光子相互作用の物理およびその応用に関する多くの成果を上げた。特に、レーザ発振および非線形光学波長変換を単一ナノ共振器中で実現する自己周波数変換ナノ共振器レーザを提案・実現した。量子ドットの広帯域ゲインを利用し、ほぼ可視域全体をカバーするマイクロ集積可視ナノレーザアレイを実現した。また、第二高調波発生が光子の量子統計性に依存することを実験理論の両面から議論した。加えて、強く結合した量子ドット‐ナノ共振器系からの自由空間への自然放出を測定する手法を提案・実証した。これらの成果は、二光子の物理を応用した様々な量子光源開発に対して重要な知見となる。