論文 - 安藤　景太

One-way-coupling simulation of cavitation accompanied by high-speed droplet impact

T. Kondo, K. Ando

Physics of Fluids （AIP Publishing）  28 （ 3 ） 033303 2016年03月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

圧縮性Euler方程式に基づく数値シミュレーションにより、固体壁への液滴の高速衝突に関する音響現象の解析を行った。水撃衝撃波と液滴界面の干渉により、液滴中に負圧が生じることを示した。その負圧下で生じるキャビテーション気泡の崩壊圧を、one-wayカップリング法に基づくRayleigh-Plesset型方程式により評価し、気泡崩壊が固体壁面のエロージョンを引き起こす可能性を指摘した。

Effects of a water hammer and cavitation on jet formation in a test tube

A. Kiyama, Y. Tagawa, K. Ando, M. Kameda

Journal of Fluid Mechanics （Cambridge University Press）  787   224 - 236 2016年01月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

濡れ性の粘性液体を部分的に満たした試験管端面に撃力を加えることで、水撃衝撃波と液体の自由界面が干渉することにより高速の集束型液体ジェットが形成されることを実験的に示した。液相キャビテーション発生時のジェット増速現象を、試験管液柱内の音響波と境界（自由界面、試験管端面）の干渉に起因するものとして、特性曲線法に基づき説明を行った．

Cloud cavitation induced by shock-bubble interaction in a viscoelastic solid

R. Oguri, K. Ando

Journal of Physics: Conference Series 656   012032 2015年12月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

粘弾性固体中における単一気泡と衝撃波の干渉を可視化する実験系を構築した。ゼラチン中にナノ秒赤外線レーザーパルスを集光することで作成した球形ガス気泡近傍で、同レーザー誘起のプラズマの急膨張により衝撃波を発生させた。気泡と衝撃波の干渉を、ナノ秒緑色レーザーパルスを光源に用いたストロボ法により可視化し、反射衝撃波によるキャビテーションの初生を確認した。

Estimation of mechanical properties of gelatin using a microbubble under acoustic radiation force

E. Shirota, K. Ando

Journal of Physics: Conference Series 656   012001 2015年12月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

ゼラチン中の球形気泡に対し（気泡の体積振動の固有振動数より高周波の）MHz帯の超音波を照射することで誘起される並進運動の履歴を高速度カメラにより可視化した。線形粘弾性固体を仮定したモデルとの比較を行い、ゼラチンの剛性を見積もった。

Linear oscillation of gas bubbles in a viscoelastic material under ultrasound irradiation

F. Hamaguchi, K. Ando

Physics of Fluids （AIP Publishing）  27 （ 11 ） 113103 2015年11月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

超音波照射下の粘弾性固体中の球形ガス気泡の微小振幅体積振動を可視化するための実験系を構築した。ガス過飽和のゼラチンゲル中にナノ秒レーザーパルスを集束照射し、球形のガス気泡を生成した。低音圧の28kHz超音波照射下における球形気泡の強制振動を高速度カメラにより撮影した。微小振幅の体積振動の測定値を、Voigt固体モデルを仮定した線形Rayleigh-Plessetモデルによる計算値に対しフィッティングすることにより、ゼラチンゲルの粘性率および剛性率の見積もりを実現した。

Water’s tensile strength measured using an optofluidic chip

Z. G. Li, S. Xiong, L. K. Chin, K. Ando, J. B. Zhang, A. Q. Liu

Lab on a Chip 15   2158 - 2161 2015年05月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

気液界面と球面衝撃波の干渉を利用した液体引張強さの計測法を提案した。マイクロ流路内に封入した液体に、ナノ秒パルスレーザーを集束させることにより球形衝撃波を生成し、その衝撃波と気液界面の干渉をCCDカメラにより可視化した。気液界面の変形量および反射膨張波によるキャビテーション初生の有無から、キャビテーション初生圧力すなわち引張強さの計算を可能とした。

Droplet generation via a single bubble transformation in a nanofluidic channel

S. Xiong, L. K. Chin, K. Ando, T. Tandiono, A. Q. Liu, C. D. Ohl

Lab on a Chip 15 （ 6 ） 1451 - 1457 2015年03月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

ナノチャネルに封入した液体におけるレーザー気泡の運動を利用することにより、微細液滴を生成する技術を開発した。パルスレーザーを照射することにより生成される蒸気気泡の膨張運動と気液界面が干渉することにより、界面において液体ジェットが形成する。そのジェットが界面の不安定性により、体積が数fL程度の微細な液滴へと分裂する。

The fast dynamics of cavitation bubbles within water confined in elastic solids

O. Vincent, P. Marmottant, S. R. Gonzalez-Avila, K. Ando, C. D. Ohl

Soft Matter 10   1455 - 1461 2014年02月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

四方を弾性固体壁で覆われた水中における気泡が、無限遠水中における気泡と比べ，数GHzに及ぶ高周波数で体積振動することを実験ならびに理論により実証した。ハイドロゲル中に作成した球形空洞中に水を満たし、空気雰囲気下でゲル試料を乾燥させることで、封入した水を熱力学的に準安定状態（すなわち負圧下）にする。準安定水中にパルスレーザーを集束させることで気泡核生成を促し、発生したマイクロサイズの気泡の体積振動を可視化した。実験的に観察された高周波体積振動を説明するためのゲル弾性を考慮したMinnaertの拡張理論を提案した。

Nucleating bubble clouds with a pair of laser-induced shocks and bubbles

P. A. Quinto-Su, K. Ando

Journal of Fluid Mechanics （Cambridge Univeristy Press）  733   R3 2013年09月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

レーザー誘起の衝撃波と気泡の干渉を利用することにより、キャビテーション気泡群が初生することを実験的に示した。水中の2点にナノ秒パルスレーザーを集束しプラズマを発生させ、2対の球形衝撃波ならびに蒸気気泡を作り出した。衝撃波と気泡の干渉により発生する引張波がその2点間で重ね合わさることで、強い負圧が形成され、キャビテーション初生を実現した。さらに、圧縮性流体シミュレーションと比較することにより、キャビテーション初生圧力を計算した。

Homogeneous nucleation in water in microfluidic channels

K. Ando, A. Q. Liu, C. D. Ohl

Physical Review Letters 109 （ 4 ） 044501 2012年07月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

マイクロ流路内に封入した液中に赤外線レーザーパルスを集束し水中爆発現象を再現することにより、均質気泡核生成に起因する再現性の高いキャビテーション初生の観察を可能とした。レーザー誘起衝撃波ならびに蒸気気泡力学の実測値をもとに高次精度圧縮性流体シミュレーションを行うことにより、（圧力プローブを使用しない）均質キャビテーション初生圧力の非侵襲計測を実現した。

Effects of target compliance on a high-speed droplet impact

T. Sanada, K. Ando, T. Colonius

Solid State Phenomena 187   137 - 140 2012年04月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

液滴の高速固体壁衝突における固体壁ならびに液滴の音響インピーダンスのもつ効果を高次精度圧縮性流体シミュレーションにより定量評価した。高速液滴衝突による固体表面の洗浄ならびエロージョンに関連づけて、液滴中に発生する衝撃波圧力の計算を行った。

Numerical simulation of shock propagation in a polydisperse bubbly liquid.

K. Ando, T. Colonius, C. E. Brennen

International Journal of Multiphase Flow （Elsevier）  37   596 - 608 2011年07月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

気泡径分布を有する均質気泡流に対する物理モデルおよび非線形数値シミュレーション手法を提案した。衝撃波伝播に関する数値シミュレーションにより、気泡径分布が付加的な減衰機構として平均的な気泡群力学に寄与することを示した。さらに、径分布が十分に大きい場合、付加的減衰が気泡力学に関わる物理減衰と比べ支配的になることを示した。

A computational study of high speed droplet impact

T. Sanada, K. Ando, T. Colonius

Fluid Dynamics & Materials Processing 7   329 - 340 2011年07月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

液滴が高速で固体壁に衝突する際の壁変形の効果を、高次精度有限体積法による圧縮性流体シミュレーションを通じて検討した。液滴ならびに固体壁を圧縮性流体として取り扱い、衝突時に発生する衝撃波圧力と壁変形の関係を考察した。

Fast on-demand droplet fusion using transient cavitation bubbles

Z. G. Li, K. Ando, J. Q. Yu, A. Q. Liu, J. B. Zhang, C. D. Ohl

Lab on a Chip 11   1879 - 1885 2011年04月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

マイクロ流体デバイス環境下において、液滴合体を動的に誘起する手法を提案した。液滴中にナノ秒レーザーパルスを集束しキャビテーション気泡を発生させることで、近傍の液滴との合体を誘発させた。高速度カメラによる観察により、気泡合体のメカニズムの詳細を議論した。

Shock propagation through a bubbly liquid in a deformable tube

K. Ando, T. Sanada, K. Inaba, J. S. Damazo, J. E. Shepherd, T. Colonius, C. E. Brennen

Journal of Fluid Mechanics （Cambridge Univeristy Press）  671   339 - 363 2011年02月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

円管内部の分散気泡流に対し準一次元の連続体流れモデルを定式化し、管変形を考慮に入れた定常衝撃波理論を導出した。分散気泡流に対する水撃実験との比較により、定常衝撃波速度の計算において気相の圧縮性に起因する非線形効果が無視できないことを指摘した。

Effects of Polydispersity in Bubbly Flows

K. Ando

PhD Thesis （California Institute of Technology）  2010年

学位論文（博士）, 単著

　概要を見る

気泡流中における気泡径分布が流れ場に与える影響を理論および数値実験により考察した。分散気泡流を均質な連続流れとみなし、アンサンブル平均の手法を用いその保存則を導出した。波の分散を数値的に正確に捉えるために、高次精度の有限体積法を提案した。衝撃波伝播において気泡径分布が付加的な減衰機構として働くことと数値実験により解明した。また、分散気泡流で生じる水撃現象に対する衝撃波理論を提案した。

Improvement of acoustic theory of ultrasonic waves in dilute bubbly liquids

K. Ando, T. Colonius, C. E. Brennen

Journal of the Acoustical Society of America 126   EL69 - EL74 2009年07月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

均質気泡流中を伝播する高周波の線形音響波減衰を予測する際、液相の圧縮性の効果を考慮する必要があることを理論的に示した。さらに、低周波領域において気泡径分布に起因する付加的ダンピングが線形波減衰に大きく寄与することを理論的に説明した。

Statistical equilibrium of bubble oscillations in dilute bubbly flows

T. Colonius, R. Hagmeijer, K. Ando, C. E. Brennen

Physics of Fluids （AIP Publishing）  20   040902 2008年04月

研究論文（学術雑誌）, 共著, 査読有り

　概要を見る

気泡間の相互干渉を無視した（One-way-couplingの）分散気泡流において、気泡径分布が付加的な減衰機構として気泡群力学に影響を及ぼすことを数学的に示した。非粘性計算の場合でも、気泡振動の位相相殺効果により、見かけ上気泡群は体積振動を起こさないことを証明した。また、気泡径分布に対するモーメントの計算負荷低減手法を提案した。