論文 - 岩谷　十郎

死刑の歴史

歴史学事典９　法と秩序 （弘文堂）     283-284 2002年02月

単著

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死刑についての歴史を略説したもの。西欧における死刑の起源から、中国、そして日本古代の死刑停止のことなどに触れて、日本近・現代期の死刑制度の成立、および存置・廃止論などの思想的背景なども併せ解説した。

検事（制度）

歴史学事典９　法と秩序　 （弘文堂）     183-184 2002年02月

単著

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検事の職制について、その特殊フランス法的な起源と、ヨーロッパ、アメリカ大陸などへの影響、さらに、我が国の古代・中世・近世における類似制度との比較から、今日の我が国おける検察制度を考える予備的・概説的な情報を与えた。

明治時代の罪と罰

新体系日本史２　法社会史　山川出版社    431-480 2001年10月

単著

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社会史的観点から明治時代の犯罪とその統制についての考察を行う。

馬袋鶴之助の刑事弁護

明治・大正　町の弁護士　法政大学出版局    141-183 2001年03月

単著

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明治２０年代初頭に和仏法律学校（現法政大学）を卒業し代言人となった馬袋鶴之助の豊岡（兵庫県）の旧事務所から法政大学に移管された文書から、同２０年〜３０年代にかけて彼の担当した刑事事件を紹介。当時の刑事訴訟手続き全般に亘る考察も踏まえる。

明治期在日外国人法律家の文化活動

法政大学創立１２０周年・図書館創設１００周年記念　国際シンポジウム報告集　開かれた法政２１　伝統と展望 （法政大学図書館）     39-42 2001年03月

研究論文（大学，研究機関等紀要）, 単著

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法政大学の記念シンポジウムにて、和仏法律学校時の教頭ボアソナードの文化活動を紹介する講演を行ったが、その記録である。平成１２年発表の仏文論文の改訂版。

福澤諭吉と「紛争」

（三田評論）   （ 1031号 ） 22-23 2001年01月

単著

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法学者ではなかった福澤だが、彼の半生は「紛争」に明け暮れていたといっても過言ではない。「２１世紀と私たちにとっての福沢諭吉」というテーマの下に編集された三田評論中、彼の法実践家としての横顔を明らかにしてゆこうとの意欲を込めたエッセイ。

ノース・ウェスタン大学大学史資料室所蔵　ジョン・ヘンリー・ウィグモア文書

東京大学大学史史料室ニュース  （ 第24号 ） 2-4 2000年11月

単著

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ノース・ウェスタン大学大学史資料室に保管されるウィグモア文書整理作業が、最近完了したとの報に接し、同史料室より最新の目録などを取り寄せ、旧目録との対照をはかり、文書全体の構造をさらに厳密に明らかにした。ウィグモアと中央大学創設に力のあった増島六一郎との情報交換の事実を記す書簡を見出し、その復刻・解題も付した。

ウィグモア宛ボアソナード書簡１４通の解題的研究－民法典論争と二人の外国人法律家

法学研究 第73巻 （ 11号 ） 1-51 2000年11月

単著

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ノース・ウェスタン大学大学史資料室に保管されるウィグモア文書の中に存したボアソナードからの書簡１４通の復刻・翻訳と解題的考察。異なる立場で近代日本の法的形成に関わった二人の外国人法律家間の交流を明らかにする。当時の我が国の法曹界・政官界を二分した法典論争についての二人の意見の位相を描き出した。

帝大生・安達峰一郎の「法学」講義ノート－「法律講義案集」の伝える明治中期法学教育

森　征一　法文化研究会

法学研究 第73巻 （ 10号 ） 73-120 2000年10月

共著

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国際司法裁判所の初代邦人裁判長であった安達峰一郎が帝国大学在籍時に残した法学講義ノートの解題的考察。明治２０年代初頭の我が国の法制度激変期が如実に反映する当時の帝大講義の内容を、その担当者との関連から解析した。同時に外交官を志す法科大学生の学問的経歴を跡づけることも行った。

La publication de la Revue francaise du Japon(1892-1897): l'infructueuse tentative d'un juriste francais, conseiller aupres du gouvernement japonais

Japon pluriel 3 (Paris, Editions Philippe Picquier),1999    45-52 2000年07月

単著

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日本の法制の近代化に大きな貢献を果たした仏人法律家、G.E.ボアソナードはまた、有能な雑誌編集者であった。当時の東洋において唯一のフランス語雑誌の創刊から離日に致るまでの、編集者ボアソナード像の提示、並びに当時の日本をとりまく外交史的コンテクストの中での同雑誌刊行意義について、試論的に論じたもの。

パリ、日常の中の環境問題

（地球人ムツク　フランス語をモノにするためのカタログ・　アルク出版社）     28-31 2000年02月

単著

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大気汚染の進むパリで、市民たちの環境問題への取り組みを、特に車社会への異議申し立てと絡めて論じたエッセイ。１９９７－９９年の留学において見聞したことを中心としてまとめたもの。

クロビュコフスキー夫人の訪問

（三田評論）   （ 1015号 ） 41 1999年07月

単著

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９７－９９年のフランス留学時に、資料発掘の過程で、曾祖父が明治期のフランス公使として日本に滞在したという夫人の知遇を得て、その夫人との交流をエッセイ風にまとめた。

旧刑法の編纂における「旧なるもの」と「新なるもの」

法制史学会編　法制史研究　創文社  （ 第47号 ） 155-162 1998年03月

単著

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１９９６年秋の法制史学会大会におけるテーマ発表「近代日本の法典編纂」（共同研究）の成果。我が国最初の西欧型法典とされる明治１５年施行刑法の編纂は、当時の現行法たる新律綱領・改定律例などの中国型の刑法典の素地がなければ実現しなかったことを立証。異なる法文化間における法思考の立法現場における対話可能性を仮説として提示した。

法的象徴空間としての最高裁判所

森征一・岩谷十郎他編法と正義のイコノロジー（慶應義塾大学出版会）    257-300 1997年05月

単著

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法・正義を象徴する古今東西の絵画や彫刻をテーマ・国別に分類し、法的シンボルの一覧を試みたもの。数年前に記した英文の論文を日本語に改めるにあたって大幅に書き改めたもの。

ジョン・ヘンリー・ウィグモアの残した二つの契約書－「日本関連文書」の構造とその研究

近代日本研究（慶応義塾福澤研究センター）  （ 第13号 ） 25-63 1996年03月

単著

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ジョン・ヘンリー・ウィグモアが明治日本との関わりで残した二つの契約書－慶應義塾（福澤）との雇用契約書とユニテリアン協会との業務委任契約書－の解析から、彼の日本における学術的・日常的生活の「構造」を明らかにした。

近代日本法史研究における「学識」判事との遭遇

日本法曹界人物事典（別巻）　ゆまに書房    1-22 1996年01月

単著

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ゆまに書房から出版された『日本法曹界人物事典』の解題として執筆。近代法的な学識が保証された裁判官は、いつ頃、どのようにして近代日本に制度的に現れたのか？判事登用試験・私立法律学校の教育などとの関連から考察したもの。

ウィグモアの法律学校－明治中期一アメリカ人法律家の試み

法学研究 第69巻 （ 1号 ） 175‐238 1996年01月

単著

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明治２３年に開設した慶応義塾大学部の法律科初代主任教授であったジョン・ヘンリー・ウィグモアの、義塾における教育方針・日本における日本法研究の方法などを、彼の法学思想との関わりから論じたもの。

司法省により「冗長」と批判された判決文をめぐる一考察

法学研究 第68巻 （ 4号 ） 19-57 1995年04月

単著

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明治１５年を境に展開する刑事法システムの転換過程における顕著な近代法的特徴は、判決文にいわゆる「理由」が付されるようになったという点である。判決書の様式の歴史を描く端緒として、同時代の一史料をとりあげ論じた。

司法資料保存利用問題

浅古　弘

法制史学会編　法制史研究　創文社  （ 第44号 ） 177-187 1995年04月

共著

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５０年の保管年限を超えた民事判決原本を順次廃棄するとの最高裁の決定に対し、歴史学会・法制史学会・弁護士会などが反対意見を表明。本論文は、司法資料の学術的な価値を、これまでの研究史・研究方法論の展開に即して論じたもの。

仏文草案からみた旧刑法編纂過程の展開

西原春夫他編　日本立法資料全集第３０巻　旧刑法（２）－１』信山社    29-41 1995年03月

単著

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前稿の旧刑法編纂過程関係の諸論文の要旨を掲載。日本立法資料全集の中に、仏文の刑法草案を収録するにあたっての、解説として執筆。

The Supreme Court as a Repository of Legal Symbols-Images of Law and Justice in Modern Japan

Keio Law Review No.8   75-100 1995年

単著

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日本の最高裁判所のシンボリックな存在性を、イコノグラフィックな方法論で解釈したもの。日本の法文化的な特殊性を、西欧の「正義の女神」の図像から得られる記号論的な解釈に照らして探求する方法を模索している。

明治初期民衆の訴訟生活－史料の中にみる日本法の近代

三色旗  （ 通巻559号 ） 6-12 1994年10月

単著

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当時、東京高等裁判所に保管されていた、明治６年設立の司法省裁判所判決原本に基づく学会での教導報告の一部を紹介。日本人の裁判嫌いの通説を、判決原本の数的・内容的解析から反論。権利実現に向けて熱心であった明治初期日本人の訴訟生活の一端を描く。

訓令を仰ぐ大審院－明治１２年代の司法権

法学研究 第66巻 （ 8号 ） 1-58 1993年08月

単著

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戦前の最高裁であった大審院の創設直後（明治１２年時）の法解釈・法適用の実態を検証した。太政官・元老院にならぶ最高の司法機関も、実際の法運用についての経験に浅く、結局は司法本省の指令・訓令のコントロールの下に服していた状況の説明と、システムの解明を行った。

再び「法学」講義必勝法

（三色旗）   （ 543号　裏表紙 ）  1993年06月

単著

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担当していた「法学（憲法を含む）」についての成績問い合わせについて、法学講義を進めるに当たっての雑感、ならびに受講予定者へのアドバイス。

忘れられた契約条項

（慶應義塾大学報）   （ 通巻第237号 ） 4（コラム） 1992年10月

単著

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慶應義塾大学部法律科（明治２３年）の初代専任教授、ジョン・ヘンリー・ウィグモアの義塾との雇用契約書から、彼の多忙さを窺った。

異文化接触のウチとソト－明治期翻訳法律語成立事情断片－

（三色旗）   （ 第534号 ） 2-5 1992年09月

単著

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日本の学術における翻訳文化性をテーマとした特集において、今日の法律用語の難解さが、その外来性にあることを指摘したと共に、その目覚ましい定着速度にも着眼し、近代日本人の法意識形成の一端を描写した。

明治期司法官の近代法適用をめぐる逡巡－旧刑法の運用実態分析・総則規定を中心として－

杉山晴康編　裁判と法の歴史的展開　敬文堂    69-98 1992年05月

単著

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明治１５年施行刑法典の運用をめぐる現場の裁判官における法の適用についての混乱を、中国法、西欧刑法（フランス）の法形式の変化に即して実証的・理論的に解明することを試みた。

ウィグモア文書－日本関連資料への接近－ノースウェスタン大学における調査報告を中心に

（三田評論）   （ 第930号 ） 66-69 1991年11月

単著

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ノース・ウェスタン大学において当時進められていた、ジョン・ヘンリー・ウィグモア関連資料整理作業の途中経過を記す資料を入手し、その概要と今後の研究の方向を記した。

内閣文庫所蔵旧刑法手稿仏文草案（２）－Projet de Code penal

法学研究 第64巻 （ 11号 ） 1-53 1991年11月

単著

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前稿（１）の続き。

リーガル・マインドって何ですか

（慶應通信）   （ 522号 ） 3 1991年09月

単著

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通信教育における夏期スクーリング講義時のエピソードを端緒に、リーガル・マインドとは何かを問い続ける学究的姿勢を奨励する。

内閣文庫所蔵旧刑法手稿仏文草案－ボアソナードの編纂過程関与の実態

法学研究 第64巻 （ 9号 ） 87-105 1991年09月

単著

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内閣文庫所蔵の旧刑法に関する手稿仏文草案が、ボアソナード草案との密接な関連性を有し、編纂過程の最終段階に位置する内容を持った資料であることを考証した。同時にフランス原文とその翻訳、ならびに、その翻訳に基づいて日本人によって進められる編纂作業上確定される草案は、それぞれ位相を異にする資料であり、旧刑法における立法者意思としてのボアソナードの仏文原文資料の位置づけについても述べた。

「法学」講義必勝法？

（三色旗）   （ 第519号 ） 25 1991年06月

単著

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塾の通信教育夏期スクーリングにおける「法学」授業の受講方法・勉強方法などについて、予めのアドバイスなど。

福沢の法不用論

（慶應義塾大学報）   （ 通巻221号 ） 4（コラム） 1991年02月

単著

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近代法の必要性を説きながらも、法をむやみに用いるなとの福澤の独特な法観についての短いエッセイ。

二つの仏文刑法草案とボアソナード

法学研究 第64巻 （ 1号 ） 57-80 1991年01月

単著

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明治１５年施行の刑法典編纂過程において現存する二つの仏文原文の草案の資料的位置づけを試みた。ボアソナードの創案にかかる仏文の草稿が、どの程度編纂過程の中で重みを持ち得たのかを評価した。

我が国の近代法律学の確立と慶應義塾

向井　建　　森　征一

福澤研究センター・三田情報センター    7-14 1990年10月

共著

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大学部開設１００年にあたる年、福澤研究センター主催で、開設から今日に至る文学科・理財科・法律科の歩みを跡づける小展示会が、大学図書館で行われた。明治初年からの義塾を場とした法学教育の跡を小史風にまとめた。

明治期一判事の履歴書を追う

（塾）  第28巻 （ 2号 ） 34 1990年04月

単著

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明治１５年に刑法典が西欧化されるに際し、当時の一判事の目の高さから見た「制度」の変革の実体を解明するよすがとして、裁判所保管の履歴書などを通して、当該判事の学識についてコメントしたもの。

日本法の「脱日本化」についての雑感

（三田評論）   （ 911号 ） 95 1990年02月

単著

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西欧法の圧倒的な影響下に展開した我が国の法の近代化過程において、法の「日本」化がいつ頃に自覚化してくるものなのか、判事登用試験の出題方法などから、歴史反意的に問いかけたエッセイ。

海とボアソナードと巡礼者

（三色旗）   （ 第501号 ） 6-10 1989年12月

単著

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明治政府の御雇い法律顧問であった、ボアソナード終焉の地、南仏のアンチーブを訪ね、当時の孤独な立法者とその遠景としての近代日本を重ねて描写したエッセイ。

「擬律ノ錯誤」に関する一試論

慶應義塾大学大学院法学研究科論文集  （ 第29号 ） 19-40 1989年03月

研究論文（研究会，シンポジウム資料等）, 単著

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明治１５年施行の我が国初めての近代刑法典の運用について、それまでの中国刑法的思考に慣れ親しんでいた判事たちは、どのようなとまどいの中にいたのであろうか。旧法から新法への転換に際し、多くの現場の判事が為した「擬律の錯誤」例の中に、我が国における近代法＝西欧法への転換の実相を読み込む。

不応為条廃止論　小考

慶應義塾大学大学院法学研究科論文集  （ 第28号 ） 3-25 1988年09月

研究論文（研究会，シンポジウム資料等）, 単著

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明治初期の中国型刑法において、条文根拠なくして刑罰を科し得る「不応為条」「断罪無正条条」は、まさしく前近代性の象徴的条文であったが、その存否をめぐって明治９年に元老院でおきた議論について、立法資料的背景から検討を加えた。

旧刑法編纂過程－司法省段階－におけるボァソナァド主宰の端緒

慶應義塾大学大学院法学研究科論文集  （ 第26号 ） 87-110 1987年09月

研究論文（研究会，シンポジウム資料等）, 単著

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ボアソナードは、我が国の近代的法典編纂を主導したフランス人立法顧問であったが、彼を編纂の中核に据える編纂方針は、実は当初から定まった方法ではなく、日本人によって経験的に編み出された我が国独自の編纂手続きであった。彼の関わった立法として比較的初期の旧刑法を素材に検討した。

旧刑法第３１４条編纂過程とその「素材的事例」の関係－「正当防衛」の摂取－

慶應義塾大学大学院法学研究科論文集  （ 第２３号 ） 181-202 1986年03月

単著

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明治１５年施行の刑法典における正当防衛規定制定の過程において、当時の現行法であった新律綱領・改定律例の運用上認められていた正当防衛法理が如何に立法素材として影響を及ぼしたのか検討した。

内閣文庫所蔵旧刑法手稿仏文草案（１）－Projet de Code penal

  1-102 

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前稿により考証された内閣文庫所蔵旧刑法手稿仏文草案そのものの復刻。手書き草案の読解、ならびに筆写時の誤りの指摘、およびその校訂など、全部で１０００近くの註を付し、前稿の仮説をさらに補強した。