土居 丈朗 ( ドイ タケロウ )

Doi, Takero

写真a

所属(所属キャンパス)

経済学部 ( 三田 )

職名

教授

HP

外部リンク

プロフィール 【 表示 / 非表示

  • https://web.econ.keio.ac.jp/staff/tdoi/

総合紹介 【 表示 / 非表示

  • https://web.econ.keio.ac.jp/staff/tdoi/

経歴 【 表示 / 非表示

  • 1998年04月
    -
    1999年03月

    東京大学, 社会科学研究所, 助手

  • 1999年04月
    -
    2002年03月

    慶應義塾大学, 経済学部, 専任講師

  • 2001年09月
    -
    2002年08月

    カリフォルニア大学サンディエゴ校, 国際関係・環太平洋地域研究大学院, 客員研究員

  • 2002年04月
    -
    2002年08月

    慶應義塾大学, 経済学部, 助教授

  • 2002年08月
    -
    2004年03月

    慶應義塾大学, 経済学部, 客員助教授

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学歴 【 表示 / 非表示

  • 1989年04月
    -
    1993年03月

    大阪大学, 経済学部, 経済学科

    大学, 卒業

  • 1993年04月
    -
    1999年03月

    東京大学, 経済学研究科

    大学院, 修了, 博士

学位 【 表示 / 非表示

  • 博士(経済学), 東京大学, 課程, 1999年03月

    地方財政の政治経済学

  • 修士(経済学), 東京大学, 論文, 1995年03月

    日本の公共投資政策に関する政治経済学的分析

免許・資格 【 表示 / 非表示

  • 日本商工会議所簿記検定試験, 2級, 1991年06月

 

研究分野 【 表示 / 非表示

  • 人文・社会 / 公共経済、労働経済

研究キーワード 【 表示 / 非表示

  • 地方財政

  • 税制

  • 公共選択論

  • 社会保障

  • 財政の持続可能性

研究テーマ 【 表示 / 非表示

  • 政府間財政関係の政治経済学的分析, 

    2014年04月
    -
    継続中

  • 政治的実行可能性を考慮した税制改革の経済分析, 

    2005年
    -
    2006年

     研究概要を見る

    今後我が国で行われうる税制改革の経済効果を、近年の家計の消費・貯蓄行動や所得分布に即して理論的・実証的に分析し、その効果を効率性と公平性の両面から経済学的に評価することにより、税制改革のあり方について政策的含意を導くことを目的とする。

 

著書 【 表示 / 非表示

  • 入門公共経済学(第3版)

    土居 丈朗, 日本評論社, 2025年11月,  ページ数: 413

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    実際に行われている政策を直視しながら、公共経済学の理論が体系的に学べる教科書。コロナ禍を経て変容する政策課題、制度変更やデータの更新に合わせた改訂。

  • 入門財政学(第2版)

    土居 丈朗, 日本評論社, 2021年04月,  ページ数: 404

     概要を見る

    財政について、経済学の視点から考えていく力が身につく入門書。日本の財政の制度的な側面がしっかりと学べる。統計をアップデートし、2010年代の税財政改革の紹介を盛り込み、財政の最新事情がよくわかる。

  • 平成の経済政策はどう決められたか

    土居 丈朗, 中央公論新社, 2020年05月,  ページ数: 360

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    21世紀最初の二〇年間の日本の経済政策は、財政健全化とデフレ脱却を追求し続けてきたといえる。そこでは次々に襲いかかる危機の克服に経済学の知恵が問われた。官邸主導で展開されたアベノミクスも例外ではない。小泉内閣以降、経済政策の立案に加わった五人の経済学者、伊藤隆敏、岩田一政、大田弘子、竹中平蔵、吉川洋の各氏との対談を通じて得た現場での議論を踏まえ、現在行われている政策の核心に迫り、今後の課題をあぶり出す。

  • 入門公共経済学(第2版)

    土居 丈朗, 日本評論社, 2018年03月,  ページ数: 416

     概要を見る

    実際に行われている政策を直視しながら、公共経済学の理論が体系的に学べる教科書。制度の変更やデータの更新に合わせた改訂。

  • 日本経済再生25年の計―金融・資本市場の新見取り図―

    土居 丈朗, 日本経済新聞出版社, 2017年06月

    担当範囲: 47-83

     概要を見る

    財政政策(異次元緩和下の財政と進めるべき改革)

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論文 【 表示 / 非表示

  • 法人税申告書の個票データを用いた欠損法人等に関する実態分析

    土居 丈朗, 別所 俊一郎, 森 克輝

    フィナンシャル・レビュー (財務省財務総合政策研究所)  160 ( 0 ) 182 - 258 2025年

    ISSN  09125892

     概要を見る

    <p> 本稿は,法人税申告書の個票データを用い,所得金額または欠損金額,法人税額の分布を資本金額や業種や同非区分(非同族会社,特定同族会社,同族会社等)などの属性ごとに集計・頻度表等を作成し,さらに欠損金の繰越控除や法人税額等について実態を分析することを目的とする。まず,利用可能な2014~2020年度の法人税申告書のデータから,合併,年度内複数回申告,欠測等を補正してパネルデータを構築した。</p><p> 次に,この全数調査から全法人(連結法人と外国法人と休業・清算中の法人を除く)について分析したところ,以下の結果を得た。会社標本調査等では公表されていない欠損金額の法人数の分布を示し,欠損金額(所得金額)が0円となる法人に集群(bunching) しているように見受けられた。ただ,欠損金額が0円となる欠損法人は,資本金1億円以下の法人で多く,資本金1億円超の法人で少なくなっていた。7年連続で欠損法人となった法人は,全法人の36.5%を占め,資本金規模が小さいほどその比率が高かった。7年連続して欠損控除を適用した法人は,全法人の1.1%にすぎず,7年間1度も欠損控除を適用しなかった法人は,全法人の21.2%であった。資本金1億円超と1億円以下の法人が,年度間でどう遷移したかを分析したところ,資本金1億円超の法人が減資して翌年度に資本金1億円以下となる遷移確率は,各年度で4%弱から5%強となっている一方で,資本金1億円以下の法人が増資して翌年度に資本金1億円超となる遷移確率は極めて小さかった。また,利益計上法人よりも欠損法人の方が,資本金1億円超の法人が減資して翌年度に資本金1億円以下となる遷移確率が高かった。さらに,法人税額階級別の法人数や法人税額の分布を示し,法人税を500万円超払う法人が,全法人の5%程度を占め,全法人の法人税の約95%を納めていた。加えて,資本金規模が大きいほど500万円超払う法人の構成比が高かったことも明らかにした。</p>

  • 仕向地主義炭素税の理論的基礎

    土居 丈朗

    フィナンシャル・レビュー (財務省財務総合政策研究所)  157 ( 0 ) 70 - 97 2024年

    ISSN  09125892

     概要を見る

    <p> 本稿では,炭素税に仕入税額控除と輸出免税と輸入時課税を組み込んだ,仕向地主義炭素税の概念を説明するとともに,経済理論モデルによって,従来の仕入税額控除と輸出免税と輸入時課税がない炭素税よりも,仕向地主義炭素税の方が,経済厚生の面でも望ましいことを裏付ける分析結果を示した。特に,仕入税額控除と輸出免税と輸入時課税がない炭素税では,付加価値税との間で課税の累積を引き起こしたり,他国に輸出する際に国際競争上不利になったりする現象が生じる。本稿では,その論理を記述的に説明するだけではなく,経済理論モデルを基にしても確認した。</p><p> 本稿で分析した開放経済における複占企業モデルでは,複占企業間の戦略的行動によって各国の税率に反応して財の需給や価格が変化しうるため,仕向地主義炭素税が経済厚生の面で常に望ましいというわけではない。本稿で確認したところ,経済厚生の面で仕向地主義炭素税の有利性が低減するのは,各国の経済構造がかなり異なり,炭素税を課していない国の経済規模が顕著に小さい場合である。むしろ,今後の日米欧や経済規模の大きい新興国の間で,炭素税(をはじめとするカーボンプライシング)や炭素国境調整措置のあり方を検討することを踏まえれば,経済規模の大きさが比較的近い国同士の間では,仕向地主義炭素税の方が望ましいという本稿の結論が,重要な意味を持つ。</p>

  • 政府税制調査会中期答申と今後の税制の課題

    土居 丈朗

    連合総研レポートDIO (公益財団法人 連合総合生活開発研究所)  36 ( 11.12 ) 12 - 15 2023年12月

    ISSN  27586030

  • Data-driven estimation of economic indicators with search big data in discontinuous situation

    Aoki G., Ataka K., Doi T., Tsubouchi K.

    Journal of Finance and Data Science 9 2023年11月

     概要を見る

    Economic indicators are essential for policymaking and strategic decisions in both the public and private sectors. However, due to delays in the release of government indicators based on macroeconomic factors, there is a high demand for timely estimates or “nowcasting”. Many attempts have been made to overcome this challenge using macro indicators and key variables such as keywords from social networks and search queries, but with a reliance on human selection. We present a fully data-driven methodology using non-prescribed search engine query data (Search Big Data) to approximate economic variables in real time. We evaluate this model by estimating representative Japanese economic indicators and confirm its success in nowcasting prior to official announcements, even during the COVID-19 pandemic, unlike human-selected variable models that struggled. Our model shows consistent performance in nowcasting indices both before and under the pandemic before government announcements, adapting to unexpected circumstances and rapid economic fluctuations. An exhaustive analysis of key queries reveals the pivotal role of libidinal drives and the pursuit of entertainment in influencing economic indicators within the temporal and geographic context examined. This research exemplifies a novel approach to economic forecasting that utilizes contemporary data sources and transcends the limitations of existing methodologies.

  • 2010年代における所得税改革の所得再分配効果

    土居 丈朗

    財政研究 (日本財政学会)  19 ( 0 ) 85 - 108 2023年

     概要を見る

    <p> 本稿では,日本で2010年代に実施された所得税制の累次にわたる改正(所得税改革)が所得格差に及ぼす影響を,「日本家計パネル調査(JHPS/KHPS)」の個票データを用いたマイクロシミュレーション分析により明らかにする。本稿の対象は,各種所得控除の見直し,配当・譲渡所得課税の軽減税率廃止,所得税の最高税率の引上げなどである。</p><p> 一連の所得税改革により,等価世帯可処分所得のジニ係数は0.3278から0.3253に低下し,所得格差が縮小したことが確認された。また,各税制改革のうち所得再分配効果が最も大きいのは,2020年所得に対する税制改正とそれに連動する社会保障制度の改正だった。所得税改革を通じた所得再分配効果の要因として,税率効果よりも課税ベース効果の方が大きかった。ただ,ジニ係数の低下が限定的だったのは,所得税改革で税額控除は拡大させず所得控除の縮小にとどまったためと考えられる。</p>

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KOARA(リポジトリ)収録論文等 【 表示 / 非表示

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研究発表 【 表示 / 非表示

  • 「財政再建とマクロ経済」―経済再生と生活保障に政府はどのように関与すべきか―

    岡本 英男・土居 丈朗・松尾 匡・松林 洋

    [国内会議]  日本財政学会第75回大会 (香川大学) , 

    2018年10月

    シンポジウム・ワークショップ パネル(指名), 日本財政学会

  • Corporate Value, Capital Structure and Social Welfare after Corporate Tax Reform: The Case of Japan

    土居 丈朗・片木 博

    [国際会議]  2018 International Conference of World Finance Conference (Le Meridien Ile Maurice Hotel, Pointe aux Piments, Republic of Mauritius) , 

    2018年07月

    口頭発表(一般), World Finance Conference

  • Corporate Value, Capital Structure and Social Welfare after Corporate Tax Reform: The Case of Japan

    土居 丈朗・片木 博

    [国際会議]  93rd Annual Conference of Western Economic Association International (Sheraton Vancouver Wall Centre, Vancouver) , 

    2018年06月

    口頭発表(一般), Western Economic Association International

  • Incidence of Corporate Tax and Optimal Capital Structure: Simulation of Dynamic Effects of Tax Reform in Japan

    土居 丈朗

    [国際会議]  85th International Atlantic Economic Conference (Cumberland Hotel, London) , 

    2018年03月

    口頭発表(一般), International Atlantic Economic Society

  • 社会保険料を含めた「公的資金の社会的限界費用」の推計―配偶者控除見直しの厚生分析―

    栗田 広暁・土居 丈朗

    [国内会議]  日本財政学会第74回大会 (立教大学) , 

    2017年09月

    口頭発表(一般), 日本財政学会

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競争的研究費の研究課題 【 表示 / 非表示

  • 非常時における財政対応の評価とあり方に関する政治経済学分析

    2024年04月
    -
    2027年03月

    科学研究費助成事業, 井堀 利宏, 板谷 淳一, 中川 真太郎, 小西 秀樹, 赤井 伸郎, 亀田 啓悟, 寺井 公子, 土居 丈朗, 宮里 尚三, 基盤研究(A), 未設定

     研究概要を見る

    本研究では、①非常事態の規模と時期に関する不確実性や財政出動の非効率性について、評価バイアスの影響や国際的なリスク管理のあり方を理論、実証分析する。ついで、②我が国が直面する構造的な制約要因(高齢化とシルバー民主主義、財政・社会保障制度の持続可能性、異次元金融緩和政策)の中長期的な影響を理論、実証分析する。さらに、③事前のリスク回避対応や事後的に実施される財政出動が地方政府、民間の家計や企業、金融機関などにもたらすプラス(補完)とマイナス(代替)の波及効果の実態を理論、実証の両面から評価する。こうした分析を踏まえて、非常時に適切な財政政策や財政制度の構築について研究をまとめる。
    非常時における財政対応のあり方を理論・実証分析するという本研究目的に沿って、2024年度は主として理論的なモデル分析を中心に、いくつかの課題研究を実施して、重要な成果を得た。
    ①コロナ対応補正予算についてEBPM政策(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。証拠に基づく政策立案)の視点でその実態と有効性を検証した。②非常時財政対応の国際的波及効果を理論的に検討した。とくに、居住地主義に基づく所得税制下の租税競争モデルにインフラ投資と公債発行を組み入れた理論モデルを構築し、投資におけるホームバイアスや資本初期賦存量の地域間非対称性がある場合に、非常時における所得税率、公債発行額、資本移動の動向を考察した。③感染症対応としてのワクチン接種行動について、データ入手可能なインフルエンザ・ワクチンを対象としてその効果を分析した。ワクチン接種は、その接種費用のみならず、周囲の接種状況が影響を与える可能性があり、それが接種率の地域差をもたらす。周囲の接種率が高いと本人の接種確率が高くなるというプラスのピア効果を確認した。④政府間財政の視点から、非常時の財政支援を中央政府が事後的に行うモデルで、地方自治体が戦略的に行動する場合に生じる非効率性を理論的に研究した。⑤共助や自助など複数の自発的対応も存在する経済において、非常時における負のショックで貧困に陥った家計に対する所得補償という公的なセーフティ-・ネットの提供が社会厚生に及ぼす効果を検討した。⑥非常時の財政対応で将来の財政破綻リスクが増大するケースを想定して、無駄な歳出を抑制する財政健全化の枠組みがどの程度望ましいのかを政治経済学の理論モデルで考察し、最善解と次善解で財政再建の望ましい度合いが異なることを示した。
    2024年度の研究課題は順調に進展していると判断できる。すなわち、2024年度は非常時財政対応のマクロ経済効果、公共財の自発的供給やワクチン接種などに関する研究が国際学術雑誌に公刊された。さらに、複数の研究成果をいくつかの国際学術雑誌に投稿中で、今後さらなる公刊が期待できる。また、国際学会での研究成果の報告も数多く行っており、内外の研究者から有益なコメントを得て、それを生かす形で研究を発展させている。この点でもおおむね想定通りの研究成果が得られている。研究分担者、研究協力者および海外の共同研究者との研究打ち合わせや研究活動の調整も活発に実施して、この面での研究活動もおおむね順調に進展している。
    特に、理論面での研究は想定以上の成果も上げている。非常時対応の政治経済学分析では、財政破綻のコストが大きくなる場合に、次善解では財政再建努力を緩める方が望ましいという興味ある分析結果が得られた。非常時リスクへの財政対応をワクチン接種など公共財の自発的供給の視点で研究している研究課題でも、プラスの社会規範の効果を検証できた。コロナ対応の財政出動や政府間財政に関する実証分析も順調に進展している。
    ただし、非常時財政対応に関する金融面での研究分野では、特に政策金融のデータの収集、整理に少し時間を要しており、この点での研究進捗状況はやや遅れている。
    2025年度から実証分析との関連を意識して研究分担者を2名拡充させて、非常時財政対応に関する理論分析を進めると共に、実証分析でも研究を進展させる。非常時発生後の事後的な救済措置も考慮することで、モラルハザードや時間整合性にも留意し、非常時対応の財政運営についての理論実証研究を深める。
    ①非常時に過大な財政対応が生じるメカニズムを理論モデルで考察する。数年の期間で景気が変動する平時と数十年に一回生じる外生的ショックの非常時を区別することで、財政対応にどのような差が生じるかを政治経済学の視点で数値解析分析する。②動学ゲームを活用して財政対応の持続可能性と一時的政策の有効性を比較することで、非常時におけるコミットメントのあり方を理論分析する。③高齢化による自然増も考慮し、行政の効率性に関するガバナンス指標も参照しながら、政治的バイアスが予算編成にどの程度弊害をもたらすのかという視点で、非常時における財政対応が社会保障歳出などの歳出へ及ぼす中長期的な影響を理論・実証分析する。政府間財政における代替補完効果についても、データを整備して検証する。④非常時に予算規模が過大になると、財政や社会保障制度の持続可能性が危うくなる。この持続可能性への悪影響を理論・実証分析する。⑤財政の金融ファイナンスが事実上進展している現状を踏まえて,非常時のマネーファイナンスや債務のロールオーバーがもたらす財政破綻リスク、金融緩和からの脱出時に生じる中央銀行の債務超過回避のための財政出動リスク、物価変動等のマクロ経済への影響を理論・実証分析する。⑥ゼロゼロ融資などコロナ関連の金融融資の政策効果を実証的に精査する。また、コロナワクチン接種の実態を分析して、非常時の政策対応における社会規範の役割を検証する。

  • 日本の法人税改革が企業行動に与えた影響

    2023年04月
    -
    2026年03月

    科学研究費助成事業, 土居 丈朗, 基盤研究(C), 補助金,  研究代表者

     研究概要を見る

    本研究では、日本で2010年代に行われた法人実効税率の引下げと外形標準課税(事業税付加価値割と資本割)の拡大が、設備投資や雇用、要素所得の分配や資金調達といった企業行動にどのような影響を与えたかについて、日本企業のパネルデータを用いた計量分析を行う。具体的には、法人税改革の実施をイベントとして捉えて、自然実験的な状況を活用し、法人税改革の影響を描写できる動学的一般均衡モデルに基づき、反実仮想的なマイクロシミュレーションを行って、改革後の状態と改革を実施しなかったら実現したであろう状態とを比較することで、改革の個々の施策が与えた影響を定量的に示す。
    本研究の目的は、2010年代に日本で法人実効税率の引下げと外形標準課税(事業税付加価値割と資本割)の拡大を行った法人税改革が、日本企業の設備投資や雇用、要素所得の分配や資金調達など企業行動に与えた影響を明らかにすることである。
    2024年度の研究実績は、次のようなものである。2023年度から継続して、経済産業省「企業活動基本調査」や財務省「法人企業統計調査」や日経NEEDS財務データを用い、企業財務のパネルデータの構築を進めた。これらの企業データは、本研究が対象とする法人税改革の実施前と後の時期を含むとともに、資本金が1億円超と1億円以下の企業が十分な数含まれている。
    この企業財務のパネルデータと国税庁税務大学校で提供された法人税申告書の個票データを用いて、2010年代の法人税改革(成長志向の法人税改革)の時期をはさんで、企業の資本構造と労働分配に与えた影響を計量分析した。この法人税改革では、2018年までに法人実効税率を34.62%から29.74%に引き下げた。同時に、資本金1億円超の企業にのみ課税される事業税の付加価値割と資本割の税率は2.5倍に引き上げられた。外形標準課税の課税ベースは企業所得ではなく、生産要素への支払いである。この法人税改革において、資本金1億円超の企業と1億円以下の企業とでは、税率変更等の影響が異なっている。
    この点に着目して、分析に際しては、推定方法としてSynthetic Difference-in-Differences (SDID) を採用し、標本期間を2014~2020年度、資本金1億円超の企業を処理群、資本金1億円以下の企業を対照群とした。日本企業のパネルデータ分析から、資本金1億円超の企業では、税制改正後に外形標準課税の税率が引き上げられたことにより、労働分配率やエクイティファイナンスが減少していることがわかった。
    理由として、次の点が挙げられる。2010年代に実施された日本で法人実効税率の引下げと外形標準課税(事業税付加価値割と資本割)の拡大について、経済産業省「企業活動基本調査」や財務省「法人企業統計調査」や日経NEEDS財務データを用いたパネルデータを予定通りに構築し、法人税改革の前後の差異に着目して、企業金融や労働分配に与えた影響を計量分析した研究を、日本財政学会第81回大会で報告した。
    2025年度も研究実施計画通りに研究を推進する予定である。本研究で構築した日本企業のパネルデータを用いて、引き続き、外形標準課税の拡大を含む法人税改革をイベントとした計量分析を行い、法人税改革前後で設備投資や雇用、要素所得の分配や資金調達などの企業行動がどのように変容したかについて明らかにする。
    2025年度は、本研究の成果を論文としてまとめ、公刊することを目指す。2023年度にディスカッションペーパーとしてまとめた論文を学術誌に掲載することを目指す。また、2024年度に国内学会で発表した研究を、英文論文としてまとめ、国際学術誌に投稿して掲載を目指す。

  • コロナ危機以降の多様な格差の構造と変容:家計パネルデータを活用した経済学研究

    2022年04月
    -
    2027年03月

    科学研究費助成事業, 山本 勲, 直井 道生, 大垣 昌夫, 佐野 晋平, 駒村 康平, 土居 丈朗, 大津 敬介, McKenzie Colin, 大久保 敏弘, 佐藤 一磨, 瀬古 美喜, 隅田 和人, 奥山 尚子, 窪田 康平, 川本 哲也, 中村 亮介, 山田 篤裕, 井深 陽子, 寺井 公子, 小川 顕正, Hsu Minchung, 北尾 早霧, 赤林 英夫, 別所 俊一郎, 特別推進研究, 未設定

     研究概要を見る

    本研究では、コロナ危機で露呈した柔軟な働き方や社会関係資本、危機管理などのショックに対するレジリエンスや、健康や生活、住環境などのウェルビーイングといった非金銭的な側面での格差も含めた従来よりも広範な格差概念を研究対象とする。その上で、コロナ危機によって幅広い側面での格差がどのように顕現化し、中長期的にどのように変容しうるか、また、新しいテクノロジーの進展や少子高齢化などのメガトレンドや各種の制度・政策が、格差への影響度合いも含めて中長期的にどう変化するかについて、国際比較可能な家計パネルデータを共通インフラとして構築し、応用ミクロ経済学やマクロ経済学の幅広い経済学分野からの解明を図る。
    本研究では、コロナ危機によって非金銭的な側面も含めた幅広い側面での格差がどのように顕現化し、中長期的にどのように変容しうるか、また、新しいテクノロジーの進展や少子高齢化などのメガトレンドや各種の制度・政策が、格差への影響度合いも含めて中長期的にどう変化するかについて、国際比較可能な家計パネルデータを共通インフラとして構築し、応用ミクロ経済学やマクロ経済学の幅広い経済学分野からの解明を図る。
    本年度は、コロナ危機以降の多様な格差の構造と変容を捉えるためのパネル調査の設計・実査を行った。具体的には、2004年から実施している「日本家計パネル調査(JHPS)」や、2019年から実施しているJHPSの調査協力者の子ども世代に対する「JHPS第二世代付帯調査」の質問項目を改良するとともに、合計で約6000世帯に対する調査を実施した。
    各研究班の研究実績としては、論文35(うち査読付論文19本)および図書2冊となった。各研究班とも査読付学術雑誌への掲載に注力し、Social Indicators ResearchやReview of Economics of the Household、Education Economics、Journal of Labor Research、LABOUR、Journal of Family and Economic Issuesなどでの公刊が実現した。
    また、世界11ヶ国の家計パネル調査の実施関連機関やイギリスのKing’s college、フランスのEHESSなどとの国際共同研究も進め、国際・学際セミナーを複数開催した。さらに、日本を代表するパネルデータとして、国内外の研究者へのJHPS等の提供を行ったほか、母集団ウエイトを作成し、パネルデータの質の維持・向上にも努めた。
    研究の共通インフラとして構築する家計パネルデータについては、計画通り、「日本家計パネル調査(JHPS)」(継続調査・新規調査)ともに、付帯調査である「JHPS第二世代付帯調査」や「日本子どもパネル調査」を実施できた。これらの調査をもとに研究期間にパネルデータを用いたさまざまな研究が計画以上に進捗することが見込める。
    また、非金銭的な側面も含めた幅広い側面での格差の変容などの研究についても、各研究班が積極的な研究を実施し、3年間で査読付き学術雑誌での論文を63件公刊するなど、計画以上の研究実績を積み上げている。また、構築したパネルデータの研究機関への提供や共同研究の遂行などによって、国際的・学際的ネットワークの拡充も果たした。例えば、本研究で構築しているJHPSは、日本を代表する家計パネルデータとして、Luxemburg Income Study(LIS)やオハイオ州立大学が指揮をとる国際パネルデータベースCross-National Equivalent File(CNEF)などに継続して提供しており、これらの研究機関を通じて、世界の研究者に広くJHPSが利用されている。また、2025年3月には、コロナ危機の影響を国際比較する国際会議Cross National Research Conferenceを東京で開催し、世界9ヶ国から約30名の研究者による研究報告と意見交換を行った。このほか、イギリスのKing’s collegeやInstitute for Fiscal Studiesなどの研究者とは、コロナ危機が労働市場などに与えた影響に関するテーマで日英での共同研究を進め、合同研究報告会議を開催し、学術的な意見を交換した。こうした進捗により、研究期間内に国際比較による新たな学術的知見の導出が見込める。
    次年度以降も、コロナ危機以降の多様な格差の構造と変容を捉えるための家計パネルデータを構築するためのパネル調査の設計・実査を行う。具体的には、2004年から実施している「日本家計パネル調査(JHPS)」や、2019年から実施しているJHPSの調査協力者の子ども世代に対する「JHPS第二世代付帯調査」の質問項目を改良するとともに、合計で約6000世帯に対する調査を実施する。
    さらに、これまでの家計パネル調査などの既存データとともに、本課題で実施したパネル調査データも活用して、コロナ危機前とコロナ危機直後で多様な格差の構造がどのように変容したか、また、その影響がどのように及んだかに着目しながら、各研究班の研究テーマに沿った経済格差研究を進める。その際には、班リーダー会議や調査票策定会議、国内・国際ワークショップなどを通じた連携を研究班間で強めていく。
    加えて、King’s college、EHESS、オハイオ州立大学を始めとする世界各国の研究機関・パネルデータ構築機関との共同研究を進めることで、グローバルな視点からの研究も強化する。

  • 地方政府の財政健全化行動の要因分析

    2019年04月
    -
    2022年03月

    文部科学省・日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 土居 丈朗, 基盤研究(B), 補助金,  研究代表者

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    本研究の概要は,財政を規律付ける仕組みとして何が有効か,有効性を左右する政治的・社会経済的要因は何か,その程度はどれほどか,ということである.そのために本研究では日本の地方政府を題材に採る.日本では中央・地方政府とも公債残高が累増し,その政治的原因についても多く論じられてきたが,財政を規律付ける仕組みの効果や副作用について学術的に検討した研究はそれほど多くない.本研究では,説明責任や情報公開に関して地方公会計の整備,財政ルールの回避に関連して予算と決算の乖離に注目する.
    本研究は、財政を規律付ける仕組みについて、日本の地方自治体を題材に計量分析等を行うことを目的に実施した。地方公会計改革における新たな財務諸表の作成が、市町村の支出面に与える影響を分析した結果、財務諸表の作成は、歳出総額に影響を与えないが扶助費にマイナスの影響を与えることが明らかになった。また、地方税である個人住民税が家計に与える影響について、日本家計パネル調査を用いてマイクロシミュレーション分析を行った。2010年代の一連の個人所得課税改革が世帯可処分所得に与えた影響を分析し、所得再分配効果はあったが小さいことが明らかとなった。この結果は、今後財政健全化に向け必要な税制改革に示唆を与える。
    財政赤字が常態化し政府債務が累増しているわが国において、財政健全化に向けた効果的な取組について、次のような学術的意義と社会的意義があったと考えられる。学術的意義としては、2010年代までに実施された地方公会計改革の効果を適切な分析手法を用いて、国際的な査読誌に掲載される形でその効果を明らかにした。また、2010年代に実施された一連の所得税改革が、個人住民税等を通じて与えた所得再分配効果を、初めて明らかにした。これは、今後の財政健全化のために必要な税制改革を考える上で有益な示唆を与えるものとして、社会的に意義があると考えられる。

  • 財政健全化戦略の政治経済学分析

    2018年04月
    -
    2021年03月

    科学研究費助成事業, 井堀 利宏, 板谷 淳一, 吉川 洋, 小西 秀樹, 赤井 伸郎, 中川 真太郎, 土居 丈朗, 寺井 公子, 亀田 啓悟, 基盤研究(A), 未設定

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    本研究では民間経済活動と両立可能で経済厚生を高める財政運営のあり方を中長期的視点で理論・実証分析した。とくに、財政健全化政策がもたらすマクロ、ミクロの政治経済効果にも留意しつつ、効率的で公平で持続可能な財政健全化戦略を考察した。具体的には、各国の政府財政における税、歳出、財政赤字などの財政指標をミクロ、マクロの両レベルで評価し、財政運営の政治経済効果や財政の持続可能性を定性的、定量的に検証することで、少子高齢化、グローバル化、財政赤字累増社会における望ましい財政健全化戦略を導出した。
    我が国の財政状況は悪化している。しかも、単なる不況期の財政悪化にとどまらず、構造的に公債残高の累増が続いている。こうした我が国の危機的な財政状況を踏まえて、望ましい財政健全化戦略を分析することは、学術的に有意義であると共に、政策的な意義も大きい。特に、これから経済成長の低迷に直面しながら、増加する高齢者世代を支える若い世代や将来世代にとって、彼らの利害もきちんと考慮した研究とそれに基づく政策提言を考察するのは有益である。

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受賞 【 表示 / 非表示

  • 日経・経済図書文化賞

    土居 丈朗, 2007年11月, 日本経済新聞社、日本経済研究センター

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    著書『地方債改革の経済学』による

  • サントリー学芸賞

    土居 丈朗, 2007年12月, サントリー文化財団, 政治・経済部門

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    著書『地方債改革の経済学』による

  • 義塾賞

    土居 丈朗, 2007年11月, 慶應義塾, 著書『地方債改革の経済学』による

    受賞区分: 塾内表彰等

 

担当授業科目 【 表示 / 非表示

  • 財政論演習

    2025年度

  • 制度・政策論演習

    2025年度

  • 研究会d

    2025年度

  • 研究会c

    2025年度

  • 研究会b

    2025年度

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担当経験のある授業科目 【 表示 / 非表示

  • Public Finance

    Keio University

    2018年04月
    -
    2019年03月

  • 財政論

    慶應義塾大学

    2018年04月
    -
    2019年03月

  • 企業金融論

    慶應義塾

    2005年04月
    -
    2006年03月

    通年, 講義, 兼担, 1時間

  • Public Economics

    Keio University

    2018年04月
    -
    2019年03月

  • 公共経済学

    慶應義塾大学

    2018年04月
    -
    2019年03月

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教育活動及び特記事項 【 表示 / 非表示

  • 土居丈朗『入門公共経済学(第2版)』日本評論社

    2018年03月

    , 教科書・教材の開発

     内容を見る

    https://www.nippyo.co.jp/shop/book/7673.html

  • 土居丈朗『入門財政学』日本評論社

    2017年04月

    , 教科書・教材の開発

     内容を見る

    http://j.mp/DoiPbF

  • 土居丈朗『入門公共経済学』日本評論社

    2002年11月

    , 教科書・教材の開発

     内容を見る

    http://web.econ.keio.ac.jp/staff/tdoi/pubecon.html

 

所属学協会 【 表示 / 非表示

  • 日本学術会議, 

    2006年08月
    -
    継続中
  • 東京経済研究センター, 

    2004年05月
    -
    継続中
  • 公共選択学会, 

    1999年04月
    -
    継続中
  • American Economic Association, 

    1999年01月
    -
    継続中
  • International Institute of Public Finance, 

    1997年04月
    -
    継続中

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委員歴 【 表示 / 非表示

  • 2025年10月
    -
    継続中

    上席フェロー(客員), 東京財団

  • 2021年05月
    -
    継続中

    臨時委員, 産業構造審議会知的財産分科会財政点検小委員会

  • 2021年04月
    -
    継続中

    委員, 財政制度等審議会

  • 2021年01月
    -
    継続中

    委員, 国税審議会

  • 2019年04月
    -
    2021年03月

    臨時委員, 財政制度等審議会

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