論文 - 寺出　道雄

柴田敬のマルクス体系論

三田学会雑誌 94 （ 4 ） 163-180 2002年01月

単著

　概要を見る

柴田敬の経済学について紹介・評価をおこなった。

マルクス生産価格論の一側面

三田学会雑誌 94 （ 3 ） 153-164 2001年10月

単著

　概要を見る

マルクスの生産価格論について、需要概念との関係を論じた。

マルクスの相対的過剰人口論

（三田学会雑誌）  88巻2号   177-186 1995年07月

単著

　概要を見る

マルクスの「資本論」における「相対的過剰人口論」を、農村と都市の間の労働力移動の問題をふくむ、景気循環を説明する経済モデルとして再構成したもの。すなわち、都市の労働力人口の社会的増大率の変動とのかかわりで、経済の循環的変動の19世紀的なメカニズムを示したもの。

自然のコード

雨宮俊彦、寺出道雄、法橋登、丸武士

HBJ出版局    1-17,157-236 1993年06月

共著

　概要を見る

自然界の持続性をもったシステムは「中心」と「周辺」からなり、「コントロール・センター」をなす「中心」は、システムの「安定性」をたもつ要素と「柔軟性」をたもつ要素から構成されているという仮説から、各種のシステムの進化やあり方を説いたもの。「序論」「家族システム」「社会システム」の章を担当翻訳。N.クック著。原文は英語。

入会と「公有地の悲劇」

三田学会雑誌 86 （ １ ） 26-41 1993年04月

単著

　概要を見る

「共有(公有)地の悲劇」の概念とのかかわりから、日本の入会慣行の意味について考察したもの。すなわち、昭和5年の農林省による入会慣行調査報告によって、長野県における入会慣行の中から、採取制限等の草地や森林の資源の保全にかかわる慣行の実態を整理して、村落共同体の更新性資源の管理の方法を明らかにしたもの。

中国の地方都市における信仰の実態

（五月書房）  1993年03月

単著

　概要を見る

W.グロータースの著作の和訳。戦後、中国の地方都市の民間信仰の実態を調査分析した単行書。原文英文。

中国の地方都市における信仰の実態

五月書房 1993年03月

単著

　概要を見る

中国の宣化市とその周辺農村の宗教民族学的調査と研究。W.グロータース著。原文は英語。中国の宣化市の全廟宇250余りを調査し、そこでの信仰の実態について、仏教・儒教・道教・民間信仰に分類し、整理した調査報告と、宣化・大同周辺の農村の宗教民族学的研究の概要。調査は1948年を中心におこなわれた。

水田と風土

三田学会雑誌 85 （ 4 ） 78-90 1993年01月

単著

　概要を見る

日本の高度成長以前の水田農耕の技術的特質について風土論的に考察し、日本農業の原型を明らかにしたもの。すなわち、近世初頭の小農自立以降の日本の水田農耕の技術の特質を、水の供給、地力の維持、雑草の防除の3点から整理し、それがいかに東アジアのモンスーン気候のもとでの自然条件に適合的なものであったかを論じたもの。

マルクスの所有批判

（三田学会雑誌）  84巻4号   231-241 1992年01月

単著

　概要を見る

マルクスの「資本論」における私的土地所有に対する批判を、ロック的な自然法論による私的土地所有の擁護論への批判として整理した上で、その議論の骨格をドーマー型の所有の歴史モデルを用いることによって再構成する試みをおこなったもの。

エンゲルスの「窮乏化」論

（三田学会雑誌）  84巻3号   97-106 1991年10月

単著

　概要を見る

エンゲルスの「イギリスにおける労働者階級の状態」に述べられた、アイルランドの農村とイングランドの都市の間の労働力移動や、イングランドの都市のインフォーマルセクターの分析を、ハリス・タダロ型の労働力移動モデルによって再構成して、「悲観主義」的な産業革命理解の経済モデルを提示したもの。

マルクスのエンクロージャー論

（三田学会雑誌）  84巻1号   185-195 1991年04月

単著

　概要を見る

「資本論」の本源的蓄積論に述べられたエンクロージャーについての分析を、マクドナルド・ソロー型の効率的契約理論によって経済モデルとして再構成し、イギリスにおける資本主義的な借地農業経営の発生の意味を明らかにしたもの。

マルクス的な資本主義の長期動向論

三田学会雑誌 83 （ 4 ） 149-161 1991年01月

単著

　概要を見る

マルクスの資本畜産の趨勢的動向に関する議論を、19世紀後半のイギリスの経済の実態とかかわらせて考察したもの。すなわち、「マルクスの利潤率低下論」の続編として、いわゆる「定型化された事実」にしめされる認識と、マルクスの資本蓄積の趨勢的動向に関する議論の対比をおこなったもの。

マルクスの利潤率低下論

三田学会雑誌 83 （ 3 ） 91-106 1990年10月

単著

　概要を見る

マルクスの「利潤率の傾向的低下」論を、技術進歩の類型のとらえかたの視点から考察したもの。すなわち、「資本論」でマルクスの想定した技術進歩の類型の存在を一般化することはできないが、「19世紀末大不況」へ向かうイギリス経済の基礎にはそうしたマルクス型の技術進歩の存在を想定できることをしめしたもの。

マルクスの剰余理論

三田学会雑誌 82 （ 3 ） 63-77 1989年10月

単著

マルクスのアジア社会論

三田学会雑誌 81 （ ３ ） 81-95 1988年10月

単著

　概要を見る

マルクスの「資本制生産に先行する諸形態」等にしめされた東洋的専制国家論や、その欧米の資本主義の進出による解体に関する議論を、ウィットフォーゲル型の解釈にもとづいて簡単な経済モデルにし、アジア的な村落共同体に基礎をおく社会の特質について明らかにしたもの。

生産価格論についての一考察

三田学会雑誌 80 （ ２ ） 14-25 1987年06月

単著

　概要を見る

労働価値説は価格の決定論としては維持できなくても、資本主義社会の生産関係の分析のための視角としては意味をもつという「価値実体論についての一考察」主張の上に、いわゆる価値論と生産価格論の関係について整理する試みをしめしたもの。

価値形態論についての一考察

（三田学会雑誌）  80巻1号   41-51 1987年04月

単著

　概要を見る

マルクスの価値形態論についての諸説を概観し、価値形態論の意義についての私見を述べたもの。すなわち、価値形態論を、商品の所有者相互の商品の交換をもとめる行動から貨幣が生み出されることをしめす「交換価値の形態」論として再構成する試みをしめしたもの。

農村混住地域におけるコミュニティづくりの手法に関する調査報告書

高山隆三、長谷川昭彦、渡辺正、高木正郎、寺出道雄

（地域社会計画センター）     159-171 1987年03月

共著

　概要を見る

都市化にともなう地域社会の変貌のもとでのコミュニティのありかたについての調査と提言。「福島県三春町」を担当執筆。郡山近郊の三春町において、都市化に伴う新住民と旧来の農村住民の「混住」によって、地域社会の運営のあり方がいかに変化しているかについての調査報告。

価値実体論についての一考察

三田学会雑誌 79 （ 4 ） 102-111 1986年10月

単著

　概要を見る

「資本論」の「商品」論の中の価値実体論について、労働価値説の意味や「転形問題」等にふれながら論じたもの。すなわち、労働価値説は価格の決定論としては維持できなくても、資本主義社会の生産関係の分析のための視角としては意味をもつという私見を述べたもの。

地代論における土地所有の地位

三田学会雑誌 78 （ 3 ） 51-65 1985年08月

単著

　概要を見る

資本主義のもとでの土地所有は、封建社会における土地所有が変形されながら持ち越された側面と、土地生産から生まれる超過利潤の自立化したものとして、資本主義のもとで生み出されていく側面の二面をもっているという研究ノート3の議論の上に、地代論の展開において、土地所有の概念はいかなる地位をしめるべきかについて論じたもの。

コメコン諸国における私的農業の役割

のびゆく農業 669号   5-32 1984年08月

単著

　概要を見る

東欧諸国の旧社会主義農業下での私的農業の地位や役割についての研究。E.シンケ著。原文はドイツ語。東欧の旧社会主義国で、集団的農業と併存した小規模の私的農業(自留地農業)がどのような特質を持ち、一国の農業生産の中でどのような比重を占めるかを分析することを通じて、社会主義農業下での「市場化」の将来について分析したもの。

地代表についての一考察

（三田学会雑誌）  77巻1号   99-110 1984年04月

単著

　概要を見る

「資本論」には、差額地代の決定を例示するための多数の数値例の表が掲載されているが、そこには差額地代についての複数の考え方が混在している。そうした複数の考え方を整理し、検討することを手掛かりに、差額地代論の展開のあり方について論じたもの。

差額地代第二形態論の一考察

三田学会雑誌 76 （ 5 ） 34-50 1983年12月

単著

　概要を見る

「資本論」における差額地代第二形態の執筆プランの変更のあとをたどりながら、マルクスの差額地代第二形態とはどのような地代であるかについて論じたもの。

絶対地代の水準の一考察

（三田学会雑誌）  76巻2号   144-154 1983年06月

単著

　概要を見る

絶対地代の額の上限を決定するのはどのような事情であるかについて考察し、絶対地代論を整理したもの。すなわち、「資本論」には、絶対地代の額を決定する事情について複数の考え方が混在しているが、それらを比較検討することを手掛かりとして、絶対地代とは何かを論じたもの。

土地所有の「派生的性格」についての一考察

（三田学会雑誌）  75巻5号   116-124 1982年10月

単著

　概要を見る

19世紀のイギリスの土地所有を念頭において、資本主義のもとでの土地所有は、封建社会における土地所有が変形されながら持ち越された側面と、土地生産から生まれる超過利潤の自立化したものとして、資本主義のもとで生出だされていく側面の二面性をもっていることをしめしたもの。

剰余生産物・剰余価値概念についての一考察

（三田学会雑誌）  75巻4号   146-153 1982年08月

単著

　概要を見る

マルクスの剰余生産物・剰余価値概念の特質を、自然の生産力という概念との関連から明らかにしたもの。すなわち、生産物の形成における自然の寄与という、重農学派やスミス以来の観念が、マルクスにおいて如何に批判され、また継承されているかを検討したもの。

最劣等地に生じる差額地代についての一考察

三田学会雑誌 74 （ 6 ） 43-56 1981年12月

単著

　概要を見る

最劣等地に生じる差額地代についてのリカードやマルクスの議論について検討を加えたもの。「資本論」において、マルクスはリカードの議論の批判を念頭に置いて差額地代第二形態論を論じているが、そのマルクスの議論には混乱があり、リカードの議論の方が首尾一貫していることを論じたもの。

地代論における「自然力」概念についての一考察

三田学会雑誌 74 （ 3 ） 33-46 1981年06月

単著

　概要を見る

地代論を展開するにあたって、「自然の生産性」という要因をどのように取り入れるかについて、スミスやリカード等の古典派の経済学者の議論にもふれながら、マルクスの議論を整理したもの。

差額地代の源泉についての一考察

三田学会雑誌 73 （ 4 ） 44-57 1980年08月

単著

　概要を見る

差額地代の源泉についての「虚偽の社会的価値」概念をめぐる論争に私見をしめしたもの。マルクス的な差学地代論の研究において問題となる差額地代の源泉の問題は、リカード的な耕作の加工序列での進行を想定して議論されるべきことを主張したもの。

地代の正常な形態について

（三田学会雑誌）  72巻2号   128-138 1979年04月

単著

　概要を見る

マルクスの「資本論」で取り上げられた、差額地代、絶対地代、独占地代という3つの地代形態がそれぞれどのようなものかを概観した上で、さまざまの解釈のあった独占地代の性格についての私見をしめすとともに、それが通例的な地代形態とはいえない所以を明らかにしたもの。

近世における分家創出の様相について

慶應義塾大学大学院経済学研究科提出の修士論文 1977年03月

単著

　概要を見る

「イエ」制度の研究の一環として、江戸時代中期以降において、全国各地の「分家慣行」がどのようなものであったかを概観した上で、その慣行が、地主制の発展や、農村工業の発展によってどのように変化したかについて、東北、信州、畿内等、いくつかの典型的な村落の事例を取り上げて考察した。