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所属(所属キャンパス)
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文学部 (三田)
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職名
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名誉教授
巽 孝之(たつみ・たかゆき)Takayuki TATSUMI 1955年 5月 15日、東京生まれ。 1978年、上智大学文学部英文学科卒業。1982年、慶應義塾大学法学部英語助手。 1987年 8月、コーネル大学大学院博士課程修了(博士号請求論文は“Disfiguration of Genres: A Reading in the Rhetoric of Edgar Allan Poe”[UMI請求番号8725822])。 1989年、慶應義塾大学文学部へ移籍し同英米文学専攻助教授、1998年同教授。現在、日本英文学会監事、日本アメリカ文学会会長、アメリカ学会理事、北米学術誌 The Jourrnal of Transnational American Studies編集委員。 代表的著書に『サイバーパンク・アメリカ』(勁草書房、1988年度日米友好基金アメリカ研究図書賞)、『ニュー・アメリカニズム』(青土社、1995年度福澤賞)、『メタファーはなぜ殺される——現在批評講義』(松柏社、2000年)、『アメリカン・ソドム』(研究社、2001年)、『リンカーンの世紀』(青土社、2002年)、『アメリカ文学史』(慶應義塾大学出版会、2003年)、『「白鯨」アメリカン・スタディーズ』(みすず書房、2005年)、『モダニズムの惑星』(岩波書店、2013年)、Full Metal Apache: Transactions between Cyberpunk Japan and Avant-Pop America(Durham: Duke UP, 2006, 2010 IAFA Distinguished Scholarship Award [国際幻想芸術学会賞・学術部門賞])ほか。 代表的論文に“Literary History on the Road: Transatlantic Crossings and Transpacific Crossovers” (PMLA [January 2004])ほか多数。 編著に『反知性の帝国――アメリカ・文学・精神史』(南雲堂、2008年)、訳書にエドガー・アラン・ポー『黒猫 ・アッシャー家の崩壊』『モルグ街の殺人・黄金虫』(新潮社、2009年)、編訳書にダナ・ハラウェイ他『サイボーグ・フェミニズム』(トレヴィル、1991年/水声社、2001年、第2回日本翻訳大賞思想部門賞)、ラリイ・マキャフリイ『アヴァン・ポップ』(筑摩書房、1995年/北星堂、2007年)ほか多数。
20世紀後半の批評理論は新批評以後の脱構築のようにテクスト中心主義の文学的体系から米ソ冷戦以後の歴史的コンテクストを承けた新歴史主義およびポスト植民地主義の文化的体系へと転換し、モンロー・ドクトリンからその発展型としてのマニフェスト・デスティニー、はたまた21世紀以後のブッシュ・ドクトリンへ至る流れは、まさにそうした文化史的要請によって再検討を迫られている。だが、脱構築の領袖ポール・ド・マンがいなければその弟子にしてポストコロニアリズムを超えるグローバリズム批判、転じてはアメリカニズム批判の理論「惑星思考」(planetarity)の提唱者たるガヤトリ・スピヴァクの意義もありえない。テクストの問題とコンテクストの問題は必ずしも一枚岩ではない。最も流動的に見える文学テクストが最も緻密な修辞によって構成されており、最も硬質に見える社会的コンテクストが最も情動的な物語によって左右されている。 このような視点より私は、1980年代半ばに批評理論研究で隆盛を誇っていたコーネル大学大学院へ留学した経験を元手に、20年近く以前より『ニュー・アメリカニズムーー米文学思想史の物語学』(青土社、1995年)、『アメリカン・ソドム』(研究社、2001年)、『リンカーンの世紀ーーアメリカ大統領たちの文学思想史』(青土社、2002年)へと連なる文学思想史の研究を織り紡ぎ、それはこの系統では第四作にあたる最新刊『モダニズムの惑星ーー英米文学思想史の修辞学』(岩波書店、2013年)においても引き継がれた。この系統では、コーネル大学博士号請求論文を邦訳した『E・A・ポウを読む』(岩波書店、1995年)やメルヴィルの傑作の出版150周年記念にちなんだ『「白鯨」アメリカン・スタディーズ』(みすず書房、2005年)も刊行済みだ。 もっとも、文学史上の正典を多く取り扱うだけでは、問題解明の戦略としては充分ではない。今日において正典転じては古典と解されているものも、発表当時には最も先鋭的な芸術表現として企まれた潜在的可能性に留意しなければなるまい。 筆者の出発点である19世紀アメリカ・ロマンティシズムから20世紀モダニズムおよび21世紀へと連なるポストモダニズムへ至る過程において、脱構築的な修辞学と新歴史主義的な物語学を連動させ21世紀ならではの文学思想史の可能性を模索すること。当面の研究課題は、そこにある。
ニュー・アメリカニズム
Full Metal Apache
慶應義塾大学, 法学部, 助手
慶應義塾大学, 法学部, 専任講師
東京大学, 教養学部, 非常勤講師
東京都立大学, 非常勤講師(集中講義)
慶應義塾大学, 文学部英米文学専攻, 助教授
上智大学, 文学部, 英文学科
大学, 卒業
上智大学, 文学研究科, 英米文学専攻
大学院, 修了, 修士
上智大学, 文学研究科, 英米文学専攻
大学院, 単位取得退学, 博士
コーネル大学, 大学院 文学研究科, 英米文学専攻
アメリカ合衆国, 大学院, 修了, 博士
文学学士号(B.A.), 上智大学, 1978年03月
文学修士号(M.A.), 上智大学, 1980年03月
文学博士号(Ph.D.), コーネル大学, 論文, 1987年08月
“Disfiguration of Genres: A Reading in the Rhetoric of Edgar Allan Poe”[UMI請求番号8725822]
人文・社会 / 思想史
人文・社会 / 芸術実践論
人文・社会 / 英文学、英語圏文学
人文・社会 / ヨーロッパ史、アメリカ史
各国文学・文学論
モダニズムの惑星ーー英米文学思想史の修辞学
巽 孝之, 岩波書店, 2013年10月
エドガー・アラン・ポーーー文学の冒険家
巽 孝之, NHK出版, 2012年04月
Three Asias: Japan, S. Korea, China
Ed., Jina Kim, Zhang Zhen, Paradoxa, 2010年12月
担当範囲: 40-46
幽霊学入門
河合祥一郎:編, 新書館, 2010年09月
担当範囲: 52-65
女水兵ルーシー・ブルーアの冒険
亀井俊介/巽孝之:監修、ナサニエル・カヴァリー:著、栩木玲子:訳, 松柏社, 2010年06月
モダニズム前史またはトマス・サージェント・ペリーの場合 ; 質疑 ; 応答
巽, 孝之
藝文研究 (慶應義塾大学藝文学会) 120 81 (160) - 106 (135) 2021年06月
ISSN 04351630
モダニズム文化勃興期の欧米における慶應義塾の文明論的介在と関与
文部科学省・日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 巽 孝之, 基盤研究(C), 補助金, 研究代表者
モダニズム文学形成期の英米における慶應義塾の介在と役割
文部科学省・日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 巽 孝之, 基盤研究(C), 補助金, 研究代表者
マニフェスト・デスティニーの情動的効果と21世紀惑星的想像力
未設定
モンロー・ドクトリンの行為遂行的効果と21世紀グローバル・コミュニティの未来
未設定
国際幻想芸術学会賞学術部門賞
巽 孝之, 2010年03月, The International Association for the Fantastic in the Arts, Full Metal Apacheほかの現代文学研究の業績に対して
受賞区分: 国内外の国際的学術賞
国際幻想芸術学会賞学術部門賞
巽 孝之, 2010年03月, The International Association for the Fantastic in the Arts, Full Metal Apacheほかの現代文学研究の業績に対して
第21回日本SF大賞
巽 孝之, 2000年11月, 日本SF作家クラブ, 『日本SF論争史』
受賞区分: その他
第21回日本SF大賞
巽 孝之, 2000年11月, 日本SF作家クラブ, 『日本SF論争史』
平成8年度福澤賞
巽 孝之, 1996年11月, 慶應義塾大学, 『ニュー・アメリカニズム』
受賞区分: 塾内表彰等
文芸批評史Ⅱ
2023年度
文芸批評史Ⅰ
2023年度
文芸批評史Ⅱ
2022年度
文芸批評史Ⅰ
2022年度
米文学演習Ⅱ
2021年度
米文学特殊講義Ⅱ
慶應義塾
秋学期
米文学特殊研究演習Ⅱ
慶應義塾
秋学期
米文学特殊研究Ⅱ
慶應義塾
秋学期
米文学史Ⅱ
慶應義塾
秋学期
米文学研究会Ⅳ (4年)
慶應義塾
秋学期
海外研究者の招聘
, 教育方法・実践に関する発表、講演
慶應義塾大学文学部設置総合講座
, 教育方法・実践に関する発表、講演
巽孝之研究会年刊雑誌<パニック・アメリカーナ>制作指導
, 教育内容・方法の工夫
日本メルヴィル学会,
日本ポー学会,
日本マーク・トウェイン協会,
日本英文学会,
日本アメリカ文学会,
第15代会長, 日本アメリカ文学会
副会長, 日本メルヴィル学会
正会誌編集委員長, 日本アメリカ文学会
審査員, フルブライト 日米教育委員会
監事, 日本英文学会