Papers - SUMI Yoichi

閨房哲学における開と閉

鷲見　洋一

文学　特集「サドはどこにいるか」 (岩波書店)  5 ( 4 ) 2 - 17 1994

Research paper (scientific journal), Single Work

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サド侯爵の『閨房哲学』一篇をくまなく読み解いた論文。この作品にサドの全作品を解くのキー概念を求める立場から、登場人物それぞれの役割、そこに開陳されている哲学と、密室で営まれる性行為の意味づけ、また途中に挿入されるパンフレット、「フランス人よ、共和主義者たらんとするならもう一踏ん張りだ」の果たす作品全体のメカニスムの中での役割の解明などを試みた。

ふたつの国内旅行－ディドロとメネトラの紀行文

鷲見　洋一

藝文研究 (慶應義塾大学藝文学会)  63   234 - 247 1993.03

Research paper (scientific journal), Single Work, Accepted

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フランス１８世紀に残された対照的な二つの旅行記、かたや哲学者ディドロの『ブルボンヌ紀行』、一方にガラス職人メネトラの『回想録』を置いて、両者の徹底比較を試みる。ディドロのテクストは父親の死の直後、故郷近くの温泉地を訪れた記憶で書かれており、おのれの思想家としてのアイデンティティー回復の契機を古代への回帰や自然哲学の確立に求めている。一方、一介の職人メネトラの場合は、アイデンティティーの探求はやはり同じような経路を辿り、ガラス職人同業組合の祖である古代の偉人を称えたり、自然そのもののような旅先での「性愛」の謳歌に認められる。

Les jounées d'octobre dans le fonds Bernstein

Yoichi SUMI, Yuhji UEDA, Akira MIZUBAYASHI

La Révolution française et la littérature, Colloque international du bicentenaire (Presses Universitaires de Kyoto120)     120 - 165 1992

Research paper (scientific journal), Joint Work

<文献案内＞モーツアルト世界への道しるべ

鷲見　洋一、森　泰彦、高橋　義人他

モーツアルト全４巻[別冊] (岩波書店)   1991.11

Joint Work

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モーツアルト没後２００年記念企画として、岩波書店から刊行された講座『モーツアルト』４巻本に付録として挿入された文献案内。若手のモーツアルト研究者との共同編集で、最新のモーツアルト研究状況と、最新の１８世紀研究状況とが、併せて同時に把握できるような具合に整理されている。その主題分類は、講座４巻本で採用されたシステムに範を求めている。

モ－ツアルトの時代を読む－音楽家のいない文献案内－

鷲見　洋一、海保　真夫、高橋 義人、巽　孝之

文学岩波書店 (岩波書店)  2 ( 第4 ) 131 - 170 1991

Joint Work

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モーツアルト没後２００年記念企画。雑誌の特集号の巻末に、あえて音楽家モーツアルトに関する文献案内を省略し、周囲の文化や歴史の状況を主題とする「取り巻き」の書誌を、１８世紀文学研究者数名で作成した。その主題分類は、同時期、岩波書店から刊行された講座『モーツアルト』４巻本に範を求めている。

議事録の虚実－＜１０月事件論＞序説

鷲見　洋一

藝文研究 (慶應義塾大学藝文学会)  59   217 - 239 1991

Research paper (scientific journal), Single Work, Accepted

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共同研究で進めてきた、１７８９年１０月のいわゆる「ヴェルサイユ行進」と呼ばれる大事件に関する新聞報道の読解を、単独で論文に仕立てたもの。専修大学所蔵のベルンシュタイン文庫に収蔵されている膨大な新聞資料から、いくつかの主要傾向を代表する記事を選んで、集中的に分析を施し、とりわけヴェルサイユ国民議会での民衆乱入を報ずる文章に現れた、ジャーナリストの下層民に対する偏見や恐怖の実体を摘出した。

総集編＝モーツアルトの現在 ─ 音楽学の立場・18世紀研究の立場 （対談）

鷲見　洋一、海老沢敏

文学 (岩波書店)  2 ( 4 ) 2 - 44 1991

Joint Work

宮廷風俗とサロン－国王神話の舞台

鷲見　洋一

世界の歴史（朝日週刊百科）宮廷とアカデミ－ (朝日新聞社)   ( 82 )  1990.06

Single Work

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ノルベルト・エリアスの大著『宮廷社会』を参考に、国王類１４世を中心に織りなされる１７世紀ヴェルサイユ宮廷の社会構造と権力機構を、文化や芸術からの視点も交えて略述した。最後に、１８世紀に入り、宮廷文化がさすがに凋落の兆しを見せ始め、パリに中心が移っていく様にも触れる。

思想の言葉─ 下からの恐怖・上からの恐怖

鷲見　洋一

思想 (岩波書店)     2 - 4 1989.07

Single Work

放蕩と処罰－ドン・ファン論

鷲見　洋一

三田文学 (慶應義塾大学三田文学会)  20   116 - 149 1989

Single Work

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近代ヨーロッパの地層に底流として流れる「ドン・ファン」伝説の歴史を、ティルソ、モリエール、モーツアルトを主軸に辿り、放蕩者の主人公を軸に、神＝父の系譜と、女性たちの系譜を見据えて、そこに作者自身の思い出をまぶした論文。(被引用数3）

Du bon usage du recit d’événement ?－production de la peur et de la securité

Yoichi SUMI

Equinoxe ( Rinsen-Shoten)   ( 夏号 ) 103 - 132 1989

Research paper (scientific journal), Single Work

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２名の研究仲間と進めてきた、１７８９年１０月のいわゆる「ヴェルサイユ行進」と呼ばれる大事件に関する新聞報道の読解を、３名が三幅対の並列状に発表した。本論文では、もっぱら王党派や右よりの新聞のみならず、革命派と称する報道記事にすら垣間見える、パリ下層民やとりわけ女性市民に対する偏見や恐怖心が主題となっている。

Traduire Diderot ? style polype et style traduit

Yoichi SUMI

Colloque international Diderot : Actes recueillis par Anne-Marie Chouiilet (Aux Amateurs de livres)     255 - 260 1988

Research paper (scientific journal), Single Work, Accepted

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ディドロが愛人のソフィー・ヴォランに宛てて書いた１８０余通の手紙を、フランス語から日本語への「翻訳」という観点で捉えなおした。ディドロ自身が強調している「付帯観念」、すなわち現代の言語学でいうところの「コノテーション」を多用する恋愛書簡の文体が、主語や人称関係の曖昧な日本語にはことのほか相性がいいという奇抜な指摘を試みた。

ヴェルサイユ行進の新聞報道

鷲見　洋一

学鐙 (丸善)  85 ( 9 ) 48 - 51 1988

Single Work

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２名の研究仲間と進めてきた、１７８９年１０月のいわゆる「ヴェルサイユ行進」と呼ばれる大事件に関する新聞報道の読解について、その経過報告と方法上の問題点を簡潔に記したもの。

ディドロの『マダム・ド・ラ・カルリエール』を読む

鷲見　洋一

藝文研究 (慶應義塾大学藝文学会)     125 - 147 1986.03

Research paper (scientific journal), Single Work, Accepted

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フランス１８世紀の思想家ドニ・ディドロが1770年代に執筆した３部作の第２部にあたる対話体の作品を、原典に即した丁寧な読解によって幾層もの錯綜する構造体として説明した。そして、３部作を通じて問われ続けている「愛」をめぐる社会的倫理的解釈と、自然的解釈との矛盾・葛藤の相を摘出。最後は哲学者の介入である種の「権威付け」を行うディドロをはじめとする啓蒙主義者一流の戦略を確認する。

ディドロ　ド・ラ・カルリエール夫人事件［フランス語教科書］

(白水社)   1986

Single Work

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フランス１８世紀の思想家ドニ・ディドロが1770年代に執筆した３部作の第２部にあたる対話体の作品を、ジャック・プルーストによる校訂版を底本に、中級学習者向けの教科書として編修したもの。右ページに詳細な語注、内容注を付し、原則として学習者が基本語彙を修得していれば、注の助けだけで読解できるように配慮した。「愛」を主題とする３部作であるので、他の２作にも言及し、また愛を時代の思想的文脈の中に位置付ける作業を注解を介して行ってもいる。

共時性の研究

鷲見　洋一

学鐙 (丸善)  83 ( 11 ) 28 - 31 1986

Single Work

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元来、歴史を通時的に辿ることで成立する文学史や思想史の記述や方法に逆らい、歴史上のある切断面を共時的に記述することで見えてくる、全く新しい同時多発の描出手法を使った歴史記述の可能性について述べる。実際には、フランス１８世紀の特定の年（とりあえずは１７６２年、１７７８年）を対象にした「輪切り」の手法が詳説されている。

ディドロが死んで200年

鷲見　洋一

三田評論 (慶應義塾)     86 - 87 1985.03

Single Work

整合と惑乱－フランス『百科全書』の図版

鷲見　洋一

月刊百科 (平凡社)  267 ( 1 ) 37 - 42 1985

Single Work

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ジャック・プルーストやマドレーヌ・ピノーらの先駆的業績を踏まえ、従来、本文のみに光が当てられ、話題になるとしても本文の付随的な挿し絵程度の扱いしか受けてこなかった図版の世界に、本格的なアプローチを試みる。整合性を重んじ、版画に描かれた作業現場をできるだけ清潔で閑散とした空間に表現する志向、意外なほどの奢侈とブルジョワ趣味、唐突な細部のメッセージ性などを取り上げる。

ディドロ没後200年

鷲見　洋一

文学界 (文芸春秋社)     12 - 13 1985

Single Work

秩序と惑乱―『百科全書』図版をめぐって

鷲見　洋一

月刊百科 (平凡社)  267 ( 1 ) 37 - 42 1985