論文 - 林　温

仁和寺五重塔内荘厳と顕證ー近世初期仏寺堂内絵画制作事業の具体相ー

林温

MUSEUM （東京国立博物案）   （ 684 ） 21 - 42 2020年02月

研究論文（学術雑誌）, 単著, 査読有り

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正保四(1647)年に完成した仁和寺五重塔は初層内部の絵画荘厳が状態良く保存され、近世初期密教建築空間を今に伝える。今回、仁和寺に保存された再建時の古文書を検討することによって、それらの文書の多くが再建事業で主導的な役割を果たした顕證に依るものであり、絵画構想が顕證によって錬成されたものであることが分かった。顕證は先行して建造されていた東寺五重塔を参考にし、これに独自の意想をもって仁和寺五重塔荘厳を構想したが、東寺五重塔自体、『東寶記』に記される永仁新造東寺五重塔を基本としながら若干の改変をおこなったものであることが分かった。また、文書内容の検討から、顕證によって四天柱絵の尊像構成案がどのようなプロセスを経て固められていったのかを推定することも可能である。本論は以上について論じつつ、仁和寺五重塔内荘厳について解明できた尊像名と配置状況を表示する。従来、五重塔の彩色は顕證の日記から絵仏師木村徳應が担当したことのみ知られていたが、実際には堂内彩色の主要部分をなす四天柱絵や扉絵等の尊像部分については、顕證による具体的で詳細な指示に依っていたことが分かる。一方、龍や文様など装飾部分は絵師に任せられていたらしく、密教建築の建造に際して、特に荘厳彩色構想における寺僧の活動、また発注者＝寺僧と請負者＝絵師の実態開明に貴重かつ興味深い情報といえるだろう。

奈良国立博物館蔵『法華経曼荼羅図』上

林温

芸術学 （三田芸術学会）   （ 22 ） 3 - 26 2019年03月

研究論文（学術雑誌）, 単著, 査読有り

二つの華厳五十五所絵巻 : 俊賀論の補説として

林 温

佛教藝術 （毎日新聞社）  342   33 - 45 2015年09月

研究論文（学術雑誌）, 単著

天のシルクロード

林 温

天上の舞　飛天の美 （サントリー美術館）     8 - 17 2013年11月

高松塚古墳とキトラ古墳の壁画について

林 温

佛教藝術 （毎日新聞社）  330   9 - 27 2013年09月

研究論文（学術雑誌）, 査読有り

宅間俊賀論ーー真言八祖像、金輪仏頂像そして華厳縁起義湘絵ーー

林 温

仏教芸術 （仏教芸術学会）   （ 324 ） 69-97 2012年09月

研究論文（学術雑誌）, 単著, 査読有り

海住山寺五重塔扉絵と宅間派

林 温

仏教芸術 （仏教芸術学会）   （ 322 ）  2012年05月

研究論文（学術雑誌）, 単著, 査読有り

鎌倉地方と密教画

林 温

特別展　鎌倉×密教 （鎌倉国宝館）     17ー22 2011年10月

研究論文（その他学術会議資料等）, 単著

石山寺多宝塔建立と柱絵制作をめぐる人々

林 温

國華 （國華社）   （ 1384 ）  2011年02月

研究論文（学術雑誌）, 単著, 査読有り

石山寺多宝塔柱絵の図像と表現

林 温

仏教芸術 （仏教芸術学会編／毎日新聞）   （ 312 ） 47-74 2010年09月

研究論文（学術雑誌）, 単著, 査読有り

二つの熾盛光曼荼羅図像（青蓮院蔵）と延暦寺蔵熾盛光曼荼羅図

林 温

仏教芸術 （毎日新聞社）   （ 300 ） 55-76 2008年09月

研究論文（学術雑誌）, 単著

鶴林寺太子堂内陣荘厳画の意想ー東北柱画の孔雀騎乗像についてー

林 温

仏教芸術 （毎日新聞社）   （ 296 ） 31-56 2008年01月

研究論文（学術雑誌）, 単著

青蓮院蔵熾盛光曼荼羅図についてー狩野派による仏画遺例ー

林 温

仏教芸術 （毎日新聞社）   （ 292 ） 53-75 2007年05月

研究論文（学術雑誌）, 単著, 査読有り

国宝一遍上人絵伝（一遍聖絵）と修理ー古画を修理するということー

林 温

『講座日本美術史　１　物から言葉へ』 （東京大学出版会）  2005年04月

研究論文（学術雑誌）, 単著

大長寿院蔵金光明最勝王経金字宝塔曼荼羅図覚え書き

林 温

『仏教芸術』 （毎日新聞社）   （ 277 ）  2004年11月

研究論文（学術雑誌）, 単著

両界曼荼羅図(甲本）について

林 温

教王護国寺所蔵　重要文化財　絹本著色両界曼荼羅図残闕（甲本）二幅修理報告書 （教王護国寺）     42ー57 2004年03月

研究論文（学術雑誌）, 単著

日本古代の仙人像

林 温

美術史論壇 （韓国美術研究所）   （ 15 ）  2002年

研究論文（学術雑誌）, 単著

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日本美術における「仙人」像について概観

上之坊蔵『熾盛光大威徳銷災吉祥陀羅尼経』見返絵熾盛光曼荼羅について

林 温

『奈良県所在中国古版経調査報告書』 2001年03月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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奈良県下新出の宋版見返絵についてその仏教絵画史上の意義を論述

文化庁保管釈迦如来像ーいわゆる如来鉢印像をめぐってー

林 温

仏教芸術  （ 247 ）  1999年11月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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特異な印相の如来像について類例を渉猟し、釈迦であることを論証した

秋田・当福寺蔵釈迦三尊像と京都・松尾寺蔵如意輪観音像ー関東仏画論ー

林 温

仏教芸術  （ 245 ）  1999年07月

研究論文（学術雑誌）, 単著

千体地蔵菩薩図についてー南都仏画考五ー

林 温

仏教芸術  （ 241 ）  1998年11月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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珍しい本図の内容を解明し制作背景を考究した

風輪寺蔵仏五尊像についてー南都仏画考四ー

林 温

仏教芸術  （ 229 ）  1996年11月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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特異な図様の本図を図像学的に解明、他の南都遺品との関連を証明した

京都松尾寺蔵如意輪観音画像をめぐって

林 温

『仏教美術史研究における「図像と様式」』 （国際交流美術史研究会第十四回シンポジアム）  1996年03月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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如意輪観音造像史を中国と日本について概観し、本図の特質を示し制作背景を究明した

新出の八字文殊曼荼羅について

林 温

仏教芸術  （ 223 ）  1995年11月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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類例の少ない鎌倉時代前期の本図について図像学的意味を論究した

文化庁保管十一面観音画像についてー南都仏画考三ー

林 温

仏教芸術  （ 221 ）  1995年07月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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図像・様式の検討から本図が南都仏画であることを論証し、その特質を解明した

陀枳尼天曼荼羅について

林 温

仏教芸術  （ 217 ）  1994年11月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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新出作品を紹介し、その図像を解明した

図案集としての武将神図像

林 温

仏教芸術  （ 216 ）  1994年09月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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平安から鎌倉時代の武将神像と唐宋図像との関連について考証

建長寺蔵水月観音像をめぐって

林 温

仏教芸術  （ 210 ）  1993年10月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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中国・朝鮮における水月観音造像例を概観し、本図の位置を考察

新出の大威徳転法輪曼荼羅

林 温

国華  （ 1076 ）  1993年10月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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大威徳曼荼羅諸例を整理し正式名称を提示し、制作背景を考察した

円覚寺蔵虚空蔵菩薩画像における問題

林 温

三浦古文化  （ 52 ）  1993年07月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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本図の様式的な特質から朝熊山信仰と関連するとの従来説を否定し、鎌倉地方作であることを論証した

水月観音、白衣観音そして楊柳観音について

林 温

鎌倉  （ 72 ）  1993年05月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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混同されがちのこれら観音の図像について、解明、整理した

正暦寺蔵薬師十二神将像についてー南都仏画考ー

林 温

仏教芸術  （ 202 ）  1992年06月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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本図の図像学的及び様式的な検討から、鎌倉時代前期における南都仏画の特色を論述した

桜池院蔵薬師十二神将像と薬師如来画像ー南都仏画考二ー

林 温

仏教芸術  （ 203 ）  1992年06月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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薬師十二神将画像として随一の本図を中心に日本における薬師画像遺品を展望し、本図の制作背景について新説を提示した。

十六善神像の古例ー聖徳寺蔵釈迦十六善神像ー

林 温

国華  （ 1056 ）  1992年03月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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十六善神造像史上における本図の意義と制作環境を論究した

長寿寺蔵聖観音曼荼羅考ー不動・大威徳をともなう聖観音ー

林 温

仏教芸術  （ 197 ）  1991年07月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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従来説を批判、六字経曼荼羅と関連するとの新説を提示する

東京国立博物館保管虚空蔵菩薩画像について

林 温

ミュージアム  （ 475 ）  1990年10月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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本図が醍醐寺系の如法尊勝法と関連し、定海影響下に制作されたと推論した

薬王寺所蔵弥勒来迎図について

林 温

金沢文庫研究  （ 283 ）  1989年09月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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図像・様式の検討から本図を鎌倉時代における鎌倉地方の作であり、真言律宗との関わりを論証した

千手観音と不動明王を伴う阿弥陀三尊来迎像

林 温

仏教芸術  （ 186 ）  1989年09月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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類例のない本図の内容を図像学的に解明し、粉河寺をめぐる制作背景を考察した

般若心経法の曼荼羅

林 温

仏教芸術  （ 177 ）  1988年03月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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従来説を図像学的に批判、訂正した

青梅・金剛寺蔵如意輪観音図について

林 温

仏教芸術  （ 177 ）  1988年03月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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様式批判と軸銘考証により鎌倉後期の鎌倉地方作であることを論証し、同時期における仏画の様式的な特徴を解明した。

東京国立博物館保管・十六善神画像について

林 温

ミュージアム  （ 433 ）  1987年04月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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鎌倉時代前期における南都仏画であることを論証

旧浄瑠璃寺吉祥天厨子絵諸尊をめぐる問題

林 温

仏教芸術  （ 169 ）  1986年11月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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復古的作品の典型とする従来説を反駁し、宋風の影響を論証した