論文 - 渡部　直樹

限定合理性ーその進化と哲学的意義ー

渡部　直樹

三田商学研究 （慶應義塾大学出版会）  63 （ 4 ） 19 - 33 2020年10月

研究論文（学術雑誌）,  ISSN  0544-571x

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「個人は合理的であろうと意図するが，その合理性は限定されている」と一般に解釈されている限定合理性の概念が，サイモンによって示されてから，その用語を用いた研究が、多くの分野で多くの研究者によって展開されている。限定合理性の議論は、はじめはマーチ、サイヤート、ウィリアムソンといったカーネギースクールやその影響を受けた経営学者や新制度派経済学者を中心に展開されていた。科学哲学者であるラトシスは1972年の論文で，サイモンたち限定合理性を主張するカーネギーの研究等を経済的行動論主義と名づけ，新古典派ミクロ経済学に対する新しいライバルとみなした。合理性原理を用いた新古典派経済学のこれまでの状況決定論的プログラムに対し、経済的行動主義は、満足化基準や限定合理性を用いた心理主義的研究プログラムと位置付けられたのである。しかし限定合理性の解釈に関しては、サイモン、マーチ、ウィリアムソン、ティースの中でも明らかな相違がみられる。それのみならず、利潤極大化を標榜する新古典派経済学者の中から、サージェントといった合理的期待形成学派の研究者からも、限定合理性を採用する者も現れたのである。また、以前からケインズやナイトといった経済学者からも、完全合理性の過程について明確な疑義が提示されてきたという経緯もある。この問題状況において、「行為者が自ら置かれた状況に対して合理的に行為を行う」と仮定する状況決定主義と、「行為者の心理的性向が行為を決定する」という仮定の経済的行動論主義とのラトシスによる二分法だけでは、限定合理性の概念を適切に理解することが難しくなっている。当稿では、限定合理性の概念をこれとは異なる視点から検討する。ここで注目するのは、世界は決定されているのか、決定されていないのかという、決定論に対する非決定論の科学レベルでの議論である。より詳しく述べれば、われわれの合理性が限定されているのは、ただ、われわれの知識が不足しているためなのか、もしくは、世界自体が決定されていないためなのか、という議論である。この点に関して、デイビッドソン等のポスト・ケインジアンの研究者たちが、エルゴード性の観点からこの決定論・非決定論の論点と類似した議論を進めている。本来、デイビッドソン等が目指すのは、均衡体系を仮定する主流派経済学とその他との対比を通して、ポスト・ケインジアンの主張の正当性を示そうというものであり、その妥当性について批判が無いわけではない。当稿では、彼らの議論を限定合理性の進化を見るための1つの視点と用いる。これによって、限定合理性は、単に個人の知識の欠如に関わる問題だけなく、社会・経済世界自体の決定論的性格とも結びついていることを示す。そして、サイモン、ウィリアムソン、ティース、そしてサージェントといった研究者のそれぞれの限定合理性について、より別の視点から考察を加える。

ソーシャル・スタディ(social studies)とダーウィニズム(darwinism)-Popperのgenetic dualismの意義ー

渡部　直樹

批判的合理主義研究 （日本ポパー哲学研究会）  ０８ （ １ ） ５ - ９ 2016年07月

研究論文（学術雑誌）, 単著, 査読有り

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ソーシャル・スタディでは、古来より進化論的視点を採用していたが、historicismに典型的に見られるような定向進化(orthogenesis)の主張や、学習の効果を強調する研究が多く存在した。そのような理由から、多くの研究者が、進化概念として自然科学で用いられる自然選択の概念、つまり進化の偶然性と獲得形質の非遺伝を仮定するDarwinism(特にneo-Darwinism)の採用に対して否定的な態度をとっている。そして、論理的には偽とされるLamarckismを標榜するものも少なくない。Popperは、一貫して反本質主義、反帰納主義、可謬主義に基づく「推測と反駁」による知識の成長を主張し続けていたが、本格的にDarwinismに言及した進化概念を提示したのは、Objective Knowledge(1972)であるといわれる。その概念に対してPopperはそれをgenetic dualismと名づけたが、その後、spearhead model としてWatkins等に引き継がれ、展開された。それは、全ての有機体は生き残りを目的とする、という前提のもと、有機体それぞれのcontrolとmotorという2つの部分が、前者が後者をリードするというメカニズムを通じて、自然選択による進化がなされるというモデルである。彼によれば、これは「いかにして、教化によるLamarckian進化を自然選択によるDarwinian進化によって、シミュレートするか」(O.K. p.268)という問題を解決すために出されたものという。このシミュレーションによる説明は、LamarckismをDarwinismの第一次近似として説明するもので、Newton理論をEinstein理論へ、そして真理への近似として説明することと同様なものであるとされている。
まず第1に「genetic dualismを通じ定向進化(orthogenesis)や獲得形質の遺伝というLamarckianの主張をDarwinismの枠内で位置づける」というPopper のObjective Knowledge(1972)での問題状況をより明らかにする。その際、The Poverty of Historicism　(1957) 以来の彼の進化、並びに進化論、自然選択、Darwinismに対する問題・関心の移動は、その明確な説明にとって重要であると考える。
彼は基本的には、Darwinismを形而上学的なリサーチ・プログラムであるとしながら、「自然選択の理論は殆どトートロジーであり、テスト不可能である」(O.K.1972)という見解であった。しかし、後年になり、ある意PopperがDarwinismを――知識の成長と同様に――状況の論理の応用としていることは、ソーシャル・スタディにおける進化論を論ずる際、特に注目される。
世界3についてPopperは、世界１(物理的世界)や世界2(主観的世界)との根本的相違を強調し、さらに「人間は文明、学習、非遺伝的成長といった：遺伝子コードによって伝達されない成長:　自然選択というよりも合理的批判に依存した成長、という新しい世界を作り出した」(O.U. 1982 p.123)と述べる。
彼が提示したこの視点は、世界3を主な研究対象とするソーシャル・スタディにとって大きな意味を持つと思われる。


経営哲学と経営哲学研究

渡部 直樹

経営哲学 （経営哲学学会）  11 （ 1 ） 6 - 16 2014年03月

研究論文（学術雑誌）, 単著,  ISSN  1884-3476

企業と知識

渡部 直樹

三田商学研究 （商学会）  56 （ 5 ） 171 - 184 2014年02月

研究論文（学術雑誌）, 単著, 査読有り

経済危機をどう見るのか？　ジョージ・ソロス、ハイエク、ポパーの観点から

渡部 直樹

経営哲学 （経営哲学学会）  7 （ １ ） 30－36 2010年07月

研究論文（学術雑誌）, 単著,  ISSN  1884-3476

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リーマンショック以来の経済危機の引き金となった金融市場の問題性をジャージ・ソロス、はいえく、ポパーの観点から説明し、これが市場自体ではなく市場のルールに問題があったことを明らかにする。

ケイパビリティ論の性格と意義

渡部 直樹

三田商学研究 （三田商学会）  53 （ 2 ） 83 - 100 2010年06月

研究論文（学術雑誌）, 単著,  ISSN  0544-571x

間接単調性と痛みなき改革

渡部 直樹

三田商学研究 （三田商学会）  52 （ 4 ） 1‐12 2009年10月

研究論文（学術雑誌）, 共著

生物の進化、制度、並びに科学的知識の進化

渡部 直樹

三田商学研究 （慶應義塾大学　商学会）  ５１ （ 4 ） 25-41 2008年10月

研究論文（大学，研究機関等紀要）, 単著

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生物の進化、制度や科学的知識の進化に至るまで、高次から低次にいたるすべての進化は、何らかの定向性の要素を持ちうる。ラマルク的に見える進化も、広い意味でのダーウィニズムの枠組みの中で、説明可能であり、生物学における進化も社会制度の進化も、基本的には、同じ方法で説明できる(方法の一元性)。また、ダーウィニズムの、遺伝―変異―淘汰、の過程は、状況の論理の応用によって、次の問題解決の図式、問題（P１）→暫定的解決（TT）→誤り排除（EE）→問題（P２）によって説明できる。更に、ポパーのいう世界3(人間精神の産物)における進化は、世界1(物的世界)における進化と比べて、合理的な推測と批判が大きな要素となり、そのため、定向進化や獲得形質の遺伝といったものも見出しやすくなる。

ラングロアの「消え行く手(vanishing hand)」仮説の批判―ポスト・チャンドラー・エコノミーと歴史法則主義―

渡部 直樹

三田商学研究 50 （ 3 ） 57-82 2007年08月

研究論文（大学，研究機関等紀要）, 単著

中国民営上場企業のコーポレート・ガバナンス

渡部 直樹

三田商学研究 50 （ 1 ） 173‐192 2007年04月

研究論文（学術雑誌）, 共著

戦略と構造、そしてケイパビリティ―進化論の観点からの再構成―

渡部 直樹

三田商学研究 （三田商学会）  49 （ 4 ） 81-100 2006年10月

研究論文（大学，研究機関等紀要）, 単著,  ISSN  0544-571x

企業再生と補完性

渡部 直樹

The third international symposium of corporate governance （南開大学　中国国家自然科学基金委員会）  2005年11月

研究論文（研究会，シンポジウム資料等）, 単著

中国の改革開放政策と中国進出外国企業の経営戦略

渡部 直樹

三田商学研究 （慶應義塾大学商学会）  48 （ 4 ） 147-168 2005年10月

研究論文（大学，研究機関等紀要）, 単著

制度の進化の観点から見た企業再生ー現代の企業の進化とスーパーモジュラー分析ー

渡部 直樹

日本経営学会論集 （日本経営学会）  2005年06月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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数学のラティス(束)論の観点から、スーパーモジュラリティの概念を明確化し、これをもって、日本企業の再生の可能性について議論を行なった。

ゲーム理論の観点から見た経営学説史

渡部 直樹

三田商学研究 （慶應義塾大学商学会）  48 （ Ⅰ ）  2005年04月

研究論文（学術雑誌）, 単著

現代企業のスーパーモジュラー分析序説(Ⅱ)

渡部 直樹

三田商学研究 （慶應義塾大学商学会）  47 （ 5 ） 113-128 2004年12月

研究論文（学術雑誌）, 共著,  ISSN  0544-571x

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トプキス等が開発した補完性に関するスーパーモジュラリティの概念を使って、現代の企業における効率性を探る。

現代企業のスーパーモジュラー分析序説(Ⅰ）

渡部 直樹

三田商学研究 （慶応義塾大学商学会）  47 （ 4 ） 61-79 2004年10月

研究論文（学術雑誌）, 共著

企業境界の進化

渡部 直樹

南開大学(中国・天津)国際商学院公司治理中心紀要 （南開大学(中国・天津)国際商学院）  2004年06月

研究論文（その他学術会議資料等）, 単著

現代組織経済学における進化概念

渡部 直樹

第7回進化経済学会全国大会 （進化経済学会）  2002年03月

研究論文（研究会，シンポジウム資料等）, 単著

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オーストリー学派の新制度派経済学を中心とする組織の経済学への影響について、ゲームの理論の観点から学説史的な説明を行った。特に、自生的秩序といった概念がダーウィニズムに入るのかラマルキズムなのかを中心に。

2つの進化論と組織行動

渡部直樹

三田商学研究 （慶應義塾大学商学会）  43 （ 特別 ）  2000年11月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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進化論的な組織研究が、盛んに主張されているが、この研究の系統にもダーウィン的なものとラマルク的なものとがあるのを指摘し、それぞれの特徴を明確にする。これらの研究がそれぞれショッターやサグデンの進化論的ゲーム理論、ネルソンやウインターによる進化論的組織論、ハンナン等による進化論的生態学といったものの方法論的な特徴を明らかにする。

協調的関係に対するゲーム理論的接近について

渡部直樹

三田商学研究 （慶應義塾大学商学会）  43 （ 1 ）  2000年04月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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協調関係が、ゲーム理論の立場から、いかにして達成可能かという検討を行う。コーディネーション・ゲーム、囚人のジレンマゲーム、タカ・ハトゲームに注目して、それぞれについて協調関係がいかなる条件において達成可能なのかを論ずる。そしてこの状況が、例えばトヨタ生産方式のように現実にも存在している事を明確にする。

現在のゲーム理論的研究の認識論的問題状況について

渡部直樹

ポパー・レターズ （日本ポパー哲学研究会）  9 1998年06月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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ゲームの理論が、いかなる論理的、認識論的問題点を持っているかについての検討。特にその仮定がいかなるパラドックスを生んでいるのか、またその科学的な性格はいかなるものかについての検討を行った。特にそのテスト可能性、その経験的基礎といったものに対して、討論した。

カール・ポパー追悼　　ジョン・ワトキンス著　The　Times　1994年

渡部直樹

ポパー・レターズ （日本ポパー哲学研究会）  1995年10月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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ジョン・ワトキンスによるポパーの哲学並びに経歴の紹介と、ポパーに対する追悼の翻訳

囚人のジレンマと道徳性

渡部直樹

三田商学研究 （慶應義塾大学商学会）  35 1992年04月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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ゲーム理論における重大なジレンマである囚人のジレンマに関する論理的な検討を行う。アマルティア・センとジョン・ワトキンス等の論争を通じて、ジレンマ自体の認識の違い、並びに効用に関する認識の違いについて説明を行う。そして囚人のジレンマの解決という点に対しては、コミットメントの導入で可能という見方と、意図せざる結果としてそれ自体は解決不能という見方について検討する。

意思決定学派における問題状況

渡部直樹

三田商学研究 （慶應義塾大学商学会）  34 1991年10月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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バーナードならびにサイモンから始まる意思決定学派もしくは、カーネギー学派の50年間にわたる問題移動について論ずる。特にサイモンが限られた合理性を提示してから、サイアートやマーチなどの企業の行動理論という形式での組織研究、オルセン等の組織のゴミ箱理論、ウィリアムソンの取引費用経済学までの問題移動における認識進歩について検討する。

新制度主義アプローチの方法論的基礎に関する一考察

渡部直樹

三田商学研究 （慶應義塾大学商学会）  34 1991年04月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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新制度派経済学の中心人物であるO.E.ウィリアムソンに注目し、彼の主張する取引費用経済学の中心概念の考察を行う。特にカーネギー学派の影響と限られた合理性との関連からその問題点を探る。

意思決定理論の哲学的基礎

渡部直樹

マーケティング研究の方法論 （中央経済社）  1991年03月

研究論文（研究会，シンポジウム資料等）, 単著

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ゲーム理論もしくは合理的な選択理論と、近年注目されている記述的な意思決定論を比較し、其々の問題点について検討を加えている。前者に対しては、あまりに抽象的な合理性を適用しているため、致命的なパラドックスが生起することを提示している。また後者については、その帰納的な方法のもつ限界について述べている。

期待効用極大化原理の妥当性をめぐる問題

三田商学研究 31 1989年06月

単著

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アレのパラドックスとゲーム理論の中における仮定の厳密性との関連を検討。特に期待効用極大化仮説のもつ経験的、且つ論理的な問題点についての、ノーベル賞受賞経済学者ハルシャーニとワトキンスとの論争を例にあげて、説明を加えた。

「実証主義を超えて」　　コールドウェル著

堀田一善、渡部直樹

中央経済社 1989年05月

共著

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コールドウェルの20世紀の経済学方法論についての翻訳・

Critical Study of H.A.Simon's Philosophy of Social Sciences

Keio　Business　Review 1987年03月

単著

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H.A.サイモンの発見論理に関する認識論的研究に対する批判的検討を行った。特にこの仮定が、経験科学の問題であり、論理学の問題ではないことを示し、その問題の解決も、帰納の論理という大問題の解決には至っていないことを明確にした。

企業行動についての2つのアプローチ

三田商学研究  （ 特別号 ）  1986年10月

単著

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サイアート=マーチ等によって創始された企業の行動理論の可能性についての検討。企業の行動理論はそもそもは組織論レベルの企業行動に関する理論であったが、これを産業レベル、ミクロ経済学レベルに拡張する時の問題点について方法論的に検討している。

「産業民主主義とは何か」　　H.A.サイモン著

経済セミナー 1984年06月

単著

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サイモンの産業民主主義に対する反対論についての翻訳。

H.A.サイモンの方法論批判

経営学論集(経営学会誌) 53 1983年09月

研究論文（学術雑誌）, 単著

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帰納的な方法論と帰納の論理との関係について検討している。この中で、H.A..サイモンの科学的発見の論理は、あくまでも理論の普遍性を否定するものであり、決して帰納の問題の発見には至っていないこと、また彼の議論は、発見の論理ではなく、発見の心理学の領域の研究であることを明確にした。

中範囲理論に対する科学的省察

三田商学研究 23 1980年12月

単著

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マートンの主張する中範囲理論というのは、果たして社会科学に適した科学的理論の体系なのかを検討。特にその理論が志向する中範囲の普遍性とはいかなる認識論的意味を持つのかについて明確にする。

H.A.サイモンの意思決定論に関する科学的省察

三田商学研究 23 1980年10月

単著

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サイモンの主張した意思決定論は、従来のゲーム理論を中心にした規範的な意思決定理論とは、全く異なり、記述的意思決定論といわれるものである。その理論はあくまで個人の合理性の限界を考慮した満足化モデルである。その特徴とその科学的な問題点を明らかにした。

H.A.サイモン学説の方法論批判

三田商学研究 23 1980年04月

単著

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ノーベル経済学賞を受賞したH.A．サイモンの学説の変化に注目し、その中で彼の方法論がどのような変化を遂げたかを検討した。彼の研究を3つの時期に分け、その中でいかなる研究関心・対象の変化があるのかを明確にした。そして、彼の方法論が一貫して帰納的なものであり、彼の表面的な学説並びに方法論の変化は、いかにこの帰納的方法のもっている問題点を克服するのかにあったことを指摘した。

コンティンジェンシー・セオリーの方法論的研究

三田商学研究 20 1977年12月

単著

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1970年代において、特に盛んであった組織に関するコンティンジェンシー・セオリーの観点からのアプローチについて検討した。そのアプローチにいかなる定義が与えられるのか、またその科学的説明形式はいかなるものかについて、明確にした。